2009/12/26

開墾


ペンケオタソイ川, originally uploaded by yano rin.

おじさんが実家の近くに家を建てることになりました。
農家の息子だったおじさんは山と川が大好きで、土地はペンケオタソイ川の流れる音が聞こえる雑木林。写真の風景全体がおじさんの家になります。来年の春、雪が溶けたら家を建てる部分は自分で開墾するんだそうです。
わたしの息子のひみつ基地も用意してくれるらしいので、夏はちょっとくらい開墾作業を手伝おうと思っているのですが、開墾ってどうやってやるんでしょう。
羊やニワトリを飼育する計画もあるそうなので、そのうち勝手にヤギも追加投入しようともくろんでいます。もちろん名前はユキちゃんで。

2009/12/18

イベント:面白法人カヤックでのアプリ勉強会に参加したよ

2009年12月17日、adamrockerと矢野りん(rockrin')はカヤックさんのアプリ勉強会に参加してきました。
カヤックさんはいろいろな方面でなにかと話題の制作会社。勉強会はそんなカヤックさんが経営している鎌倉どんぶりカフェBowlsで催されました。
日本アンドロイドの会のメンバーがふたりも鎌倉のオシャレスポットに来ているのだ。と意識するだけで心臓がバクバクです。しかも矢野が車でのっけから道を間違えて15分も遅刻です。
発表する本人のadamrockerに無用なプレッシャーをかけたのではないか。と、気遣うヒマもなく会場に潜り込みました。
すでに始まっている勉強会では、カヤックが様々な自社アプリを紹介している最中です。電話をかけるまえにTwitterの発言をチェックする「Twitt Call」や行動範囲の無線スポットを調べてくれる「wifi天国」、投稿した音声を目覚ましのアラームに設定できる「起こしてこえ部」などなど、お!思わずAndroidアプリにばかり言及してしまいます。
その後スタートしたLTでは、
が、登壇。iPhoneアプリを中心に、技術系の話からビジネスの話までたくさんの話題がでてきました。
さて、わがadamrockerは3番手。iPhoneの話が続きすぎないように。という配慮でしょうか。
軽快な語り口でマッシュアップやインテントの面白さを語るadamrocker。それまでぴりっとした会場に春風が吹き込んだよう。そしてこれがadamrockerの勇姿です。



あまりの懸命さに、Simejiの紹介がほんの一瞬しかできなかったほどです。
きっとこの場に居合わせたみなさんは、「インテントは小姑だ」というフレーズを忘れないでしょう。でも、そのおかげでもしかするとAndroidという言葉はわすれてしまうかも、しれません。
そしてLTが終わり、交流会が始まりました。
adamrockerは他の登壇者の方々に「自虐的で良かったよ」とか「乱暴な言葉遣いがまた良いね!」などとほめられていました。あざっすあざっす。と答えているうちに「今日ここに来た人全員が日本アンドロイドの会に入会しないと家には帰さない」と言い切ったことも忘れてしまうほどほっとした表情になっていました。

そして矢野は帰りに大根をもらって喜んで帰ったのでした。

2009/12/11

ごめんね

旧宅より最後に搬入した荷物が重くて天袋に入れられず、床の上にそのまま放置しておいた。夜息子が中に入っていたアルバムの、わたしが大学の頃飼っていた灰色の大きな猫の写真を見つけて歓声を上げる。
可愛い猫だねー。ママの猫?/うん〜。でも5歳のとき死んじゃったんだよ。/
どうして?/車にはねられて。/病院に連れて行った?/行かなかった。見つけたとき、もう血が乾いて道路にくっついてた。/かわいそう〜。跳ねた奴、牢屋行きだね/そうだね。探したけど、みつからなかったよ。/何日くらい眠れなかった?/3日くらいかな。/悲しいと眠れないよね/そうだね。眠れないね。くーたんもそんなことあるの?/あるある〜。
写真をパラパラしつつ、脇に合った昔の結婚式の写真を手に取って、大笑い。
なにこれー。ママ?/あはー。そうだよー。/へんなの。今の方が良いよ/そう?ありがとう。/なにこれお父さん?むかしからふとってるー。あはー。/そうだねー。ママは痩せっぽちだねー/
しばらくあれこれ見ていたと思ったら急に手を止めて
あ、ごめんね!なんか、猫の写真みちゃって。悲しい気持ち思い出させちゃったんじゃない?/え?そんなこと気にしてくれるの?優しいね。いい男だね。ありがとう。もう平気。
と、言いつつも
いや。ママのほうこそいろいろ思い出させちゃったんじゃないの?ごめんね/いやー全然。ママはバカだねー。ねーるー。/
といってベッドに潜り込む。
でも、やっぱり一時間くらい眠れないようだった。
間抜けなママを守ってくれてありがとうございます。できるだけ心配かけないようにしますから。

逆か!ごめんね。

2009/11/24

背景画像


内装, originally uploaded by yano rin.

平面的なビジュアルにとって背景画像はムードを決定付ける大きな要素です。
表示面積の広い部分にどの色をもってくるのか、
あるいはどのようなテクスチャー、柄を選択するのか。この2点について、熟考する必要があります。
自宅のリビングを例に説明しますと、背景画像に該当する部分はカーテンです。壁でもよいのですが、カスタマイズ可能な範囲で考えます。
うちの場合、窓から常緑樹の大木がみえるために、レースは無地です。木陰が映って丁度良いバランスを考えています。色は黄色で外の緑と調和させる作戦です。
また、部屋が狭いので配色によって奥まっている感じを演出しています。レースに被せる手前の布の色は、織り目の大きいタイプを選んで中間混色で彩度が低くみえるものを選んでいます。彩度を下げることで、奥に位置するという意味を強めるわけです。
これで外の風景となじみながら部屋を少し広く見せ、ひかえめにムードを作ろうとしています。結果的に、だいたいうまくいったように思います。
で、この話は冗長な前置きなのですが、電子機器のソフトキーボードの背景ってカーテンみたいに差し替えられると良いですよね。
そうすると、どんな機器でも自分らしくなりますし、インテリアみたいに工夫のしがいがあったら使うのが楽しくなりますしね。ホーム画面の背景とコーディネートしても面白いだろうし。
どうでしょう。そう思いませんか?

2009/11/23

良いときの出会いと悪いときの出会い

出先などで突然不便なことが発生し、コンビニや近くの店で「おおこれでなんとか」とソリューションとなる製品をみつけて購入したとしましょう。それがたとえばお裁縫セットだったとして、下着だったとして。私はその製品を半年後にも使っているのだろうか。と考えると、使ってません。

最近よく考えることですが、何かを選択するシーンに直面したとき「これでいいや」と思ってした選択は、たいがい何か突発的な困難に直面しているタイミングにおいて発生し、また、困難が終わってしまったら手に入れた何かは「不要」になってしまう。ということです。

ああ、せつなくも、もったいない。

100円のノリとかならまだしも、このことは多くの「選択」という行為に通じていると思います。たとえ不動産であろうが、職場選びであろうが、人間関係であろうがです。

また、補足するとこの場合、関係が長続きしないという「継続時間」が問題なのではなく、その対象と充実した関係を築くことに失敗しやすいということが問題なのです。

では、充実した関係を、できるだけ長く維持するにはどうすればいいのか。
それは恐らく、何ひとつ困っていないとき、いや、それどころか満ち足りてるなー。と感じているときにでさえ「これでなければだめなんだ」という選択が、できるかどうかにかかっているのではないだろうかと。

よく歌謡曲などで「困っているときいつも側にいてくれたねー」とかいう歌詞がありますが、私はあれは、今は理解できません。なぜなら本当に困ったときはひとりでしかどうにも解決できないし、困ってないとき一緒にいて楽しいのが友達なり恋人だろうが。と思うからです。

何が言いたいのかというと、モノを欠いて困っている時はとにかく新規購入しようとせず代用品でコトが済むか検討すること、本当に大切な物事の選択は、欠落によって生じた欲でなくむしろ充実の維持を目的としなければできないこと。これがまあ、エコロジーとかになるんじゃねーの?ということでしたよ。

2009/11/19

IEがもっこりしてる件について





つぶやきにも反映したのですが、これは考えるところですよ。
このIEの自信満面な様子をみてください。
もう、あえてもっこりさせたかどうか、というよりも、もっこりしてみえちゃってるという時点で、どうかとおもうんですよね。
フロイトなら「これは支配欲の表出だなあ」と言うね。モバイル業界でもIE支配は続くぜ!続けたる!という宣言以外のなにものでもありません。goes where you goてこれ、来たら困りますよ。女としては。なんちゅーもんをこさすんだという話ですよ。
このビジュアルを反面教師として、Androidについては各社もっと素敵なビジュアルをどうぞよろしくおねがいします。

エンターテイメント:美人はネットでアクティブに活動しない

先日ヘアサロンで幻冬社のGingerという、30代半ばから50代くらいまでの女性をターゲットとしたファッション誌を読んでいたところ、茂木健一郎さんという面白い髪型のおじさまが連載コラムの中でそう書いてました。
もうちょっと違った書き方だったとおもいますが
・ネット上に自分の複製をせっせとつくるような行為をする女性はイケてない
・ネットで自己顕示欲を満たすような女性はイケてない
・そもそも女はネットでアクティブになるべきでない
といったようなかんじの内容だったとおもいます。
たぶん、だれか特定の個人について書きたかったんだろうな。というかんじの文章で、その真意をぼかすつもりで「女」とかでかいくくりをつかっちゃったもんだから何が言いたいのかよくわからない文章になっていたのでしょうが、もしわたしの読みが当たっていたら、あーネットを軸にして知的労働に従事するコンサルとか評論家的な女性のことがこの人は嫌いなんだなあ。と思いました。
でも、メディアでアクティブになる女性のマインド、という点においては、テレビの人もネット人も、そうたいして変わんないのではないでしょうか。
テレビには昔から女優とかタレントさんというくくりで女性がいますし。
ネットとテレビの間には「自分で自分をかつぐ」「他人に自分をかつがせる」という大きな違いはあるにしても「なんか忙しそうに見える」という出力結果は対してかわんないですし、出てる本人のマインドとしても徹底的にやっているもの同士では、その根源にある「私は認められるに足る人間である」という絶対的な自己肯定の力に差はないと思います。
自己肯定を否定したらメディアになんか出られません。
ではその両者のどっちが美人でどっちがイケてないのかというと、顔だけ比べりゃ女優のほうがまさるに決まっていますわね。いや、gingerが提唱する美人の定義は外見でなく心とライフスタイルのうんぬんなのかもしれませんが、ファッション誌たるものそこはやはり外見は重視したいところですよね。茂木さんにとっての美人とは何かわたしは知りませんが(やはりここは脳か?)
もてぎさんの文章からはどことなく(一行もそんなこと書いてないけど)ネットはだめ。他はしらんけど。みたいな印象があったので、いやあーそれはどっちも一緒じゃね?
というふうに遠くから念を送りたくなったのでした。

2009/11/10

名古屋、大阪

パリ、テキサスみたい!
11月6日にアップルストア名古屋 栄店、アップルストア心斎橋店でイベントに参加しました。
あけて7日には大阪デジタルハリウッドでセミナーに登壇させていただくというもりだくさんな関西訪問。
お世話になったみなさま、ありがとうございました。

関西アップルストアの講演内容は、先の銀座アップルストアでの公演の再演となります。
スライドと映像が公開されていますので、メモとりのがした、といったかたはこちらからどうぞ。

スライド http://www.slideshare.net/workscorporation/web-2226426
映像 http://www.vimeo.com/6957511

おまけ
デジハリ公演のあと、天王寺動物園のは虫類生態館「アイファー」にいってきました。なんか、恐ろしいフォントで「アイファ〜」と書いてあって刺さりました。ちなみにアイファーというのはInvertebrates、Fishes、Amphibians、Reptilesを進化順に並べた造語らしいです。わかりにくいww
アオウミガメって肉の脂肪が青いから付いた名前なんですってよ。しらんかった!

2009/10/08

マーク・ハミル(左)


マーク・ハミル(左), originally uploaded by yano rin.

てーてー、ててててーてー(スターウオーズの曲)がきこえてきますでしょうか。2009年10月7日のAdobe MAX 2009 sneak peakのゲスト、ルーク・スカイウォーカーです。
右はアドビシステムズ社のソフトウエアエバンジェリスト、テッド・パトリックさんです。
ルークは開発中の新しいPhotoshopの機能などを見せられて終始困っていました。
スターウォーズは日本でいうところのガンダムなみに、やはりギーク受けするネタなのでしょうね。
この日はちょっとしたおまつりで、みんなビールをのんで大騒ぎ。野外ステージではアドビの社員がバンドでラモーンズのコピーをやってました。
ラモーンズとスターウォーズ。どんだけ平均年齢高いの!
そして今年こそ飲まないぞ!と心に誓ったわたしですが、あっさり飲んでやっぱり記憶を失いました。
ずっとワインだけ飲んでいれば大丈夫だ。というわけではないんですね。以前はNYでずっとベルギービールだけ飲んでいれば大丈夫だ。と思ってダメだったことを忘れていました。
どうやって部屋まで帰ったか覚えていませんが、ちゃんと寝ていましたよ。ただ、ことしはわたし一人ではなく、喪失仲間(エバンジェリスト)がいたということなので、なんだかうれしかったです。
そんな彼と話したことをお互いひとつもおぼえてないというのが、美しいではありませんか。
でも、すみませんでした。

2009/10/06

Grand Central Market


Grand Central Market, originally uploaded by yano rin.

LAは日が暮れ始めると人通りが極端にすくなくなります。レストランの中にはそこそこ人がいるのですが、歩かないのでしょうね。
ただ、リースに出ている物件が目につくので景気がわるいという側面もあるのかもしれません。Flickrにいくつか写真を掲載しました。
2009年秋のアンニュイなLAの様子、どうぞご覧下さい。

2009/10/04

Love Attractor


Love Attractor, originally uploaded by yano rin.

麻布十番のバー、インフォキュリアスにて「愛の情報過多β」開催中です。10月いっぱいやっています。
作品を見にきました。とお店の人に告げてくだされば、テーブルチャージ500円が無料になります。

写真は、作品の1つ、インスタレーション、Love Attractorです。

ことばは情報。
情報はビット。
ビットは光。
光はアトム。
アトムはわたし。
わたしはことば。

短歌/田中恵 プログラミング/ adamrocker 切り絵/ kirienta! 

2009/09/13

css nite LP7 IA特集 終了しました

参加者ならびに関係者のみなさま、長時間おつかれさまでした!お手伝いの矢野です。途中息子がステージ裏をうろついたりパネルの直前でステージを横切るなど失礼をいたしましたこと、おわびいたします。また、子供に指導しながら受け入れてくださった鷹野さんをはじめみなさま、本当にありがとうございました。次は私がお世話をさせていただく番と心に誓っております。

それぞれのセッションに関する印象など!

長谷川敦士(コンセント)
情報アーキテクチャの全体像〜ワークフローとケーススタディ〜

IAという作業の中身や、その目的、実際の案件などを網羅的に解説した内容でした。矢野が初めて氏の考えに触れたのは2001年くらいでしたが、長谷川さんの主張にはいつも一貫性があります。ノウハウに落とし込んだ指針は、むしろ使い物にならない。という考え方です。おそらく長谷川さん的にIAとは発想ややるべきことを整理したり、他者とその計画を共有するための指針以上の意味を持たないのでしょう。氏は指針を手にいつでもまっさらな気持ちで相手(顧客とか)の状況を受け止め、最善の方法を泥臭く試行錯誤する。その準備がある。ということが氏にとってのIAという知識なんだろうなあ。と、セッションを通じてあらためて感じました。IAは愛という言葉から、氏の「ソリューションに依存させるのでなく、お互い自律的に繁栄をめざせるような関係を築くこと」という意味を汲み取りました。

林 千晶(株式会社ロフトワーク)
プロジェクトマネジメントから見たIAの大切さ

他人のビジネスを他人の目線で支える。という「仕切り作業」のなかのIAの重要性を説きつつ、IAという存在に重みを持たせる内容でした。
目的と目標の設定。という言ってみれば発注者側が自分自身で設定できなければどうしようもなさそうな事柄を、相手のふところに入り込んで引き出してあげる作業はまるでカウンセラーです。また、そういう作業に必要以上にべったり注力せず、ある程度妥当な目標が立ったところでツールや標準的なプロセスを駆使して怒濤のように作業を収束に持っていく。そんな林さんの走り方にはIAという地図が必須なんですね。
たしかに、台割(書籍の章立てと、章ごとについやすページ数の内訳表。書籍の設計図にあたる)がない執筆作業って、進まないもんなあ。と妙に納得しました。

佐藤 伸哉
IAの欠点〜IAの本来の目的と役目

ドキュメントとしての成果物を生み出すことに、こだわってはいけないよ。というメッセージが随所にちりばめられたセッションでした。
長谷川さん同様、セオリーにしない、ドグマ化しない設計という思想の持ち方について語った内容だったのではないでしょうか。佐藤さんの場合、よりタスクに寄ってそれらを解説しているという面で具体的な像が描きやすいという差別化がなされていました。
とくに、ワイヤーフレームやサイトマップという2大成果物についても、別に必須というわけではなく、あくまで相手(発注側)がわかりやすく、安心できればなんだっていいんだ。とはっきりおっしゃっていたのが印象的です。
アプリケーション構築の場合も、開発に関わる人数やプログラマの能力(天才的な人なら発想だけで最後まで図面なしで行きます)により必要な手続き図や構造図はかわるものですよね。IAという作業を型にはめるようなことは考えまいと肝に銘じました。

坂本 貴史(ネットイヤーグループ株式会社)
IAワークショップ〜LPOをテーマに〜

ワークのみで1時間の濃密なセッション。最初は結構課題が難しかったのでどうなることか!と思いましたが、最後までがんばって集中していたら、ちょっとした問題発見から情報整理、さらに情報整理がUIの設計にまでつるっと1本の線の上につながっていく様子がよーくわかる、驚きのあるセッションでした。
そのつるりとつながる感じがあまりにもあたりまえ、というか、自分自身難しく感じていた部分が多かったためか、あっさりしていてほっとしました。
なんか、ああ、自分がいままでやっていた方法は、間違いではなかった。ただ、自覚が足りなかっただけなんだな。と自信を持たせてもらったような気分です。
しかも最後にLPOという視点まで腑に落ちるという状態になっていたのはよかったです。坂本さんのキャラ的には、どや、こんなんむずかしーかんがえてもしゃーないやろ?と、言ってもらった感じでしょうか。

小久保 浩大郎
実装視点からのボトムアップIA

IAのみならず、建築やデザイン全般の本質を語ると哲学的になってしまうことはしかたがないことです。しかし、そのように形而上的な話題に終始すると、生活に行き詰まることがあるのもまた事実でしょう。
小久保さんのセッションでは、実務の中でも多くを占めるコーディングを中心とした話題でした。IAという視点を持ちながらHTMLをみると、HTMLそのものが持っている設計思想にはいつも驚かされますよね。よくできているなあ、と。そういう感覚はとくにDOMという概念に触れるとまきおこるわけですが、それを実務と結びつけて説明するのは面倒というか、難易度が高いことです。それを今回小久保浩大郎がやってのけたな。という感想を持ちました。

長谷川 恭久
IAからWebサイトデザインへの突破口

IAという指針は、ウェブの制作のどのパートを担当していようとも必要である。というメッセージはセッション全体を通して共通に語られていたことのように思います。しかしながら心のどこかでは、その必然性に対して「?」という気もしないでもない。と、セッションの後半に及んでも思っていた人は多いのではないでしょうか。私を含めて。しかし、その「?」を払拭したのが長谷川恭久だったという人もまた、多いはずです。コミュニケーションスキルの1種だ。と定義付けられると、頷かざるを得ません。ウェブの主成分は言葉(自然言語)です。で、自然言語ほど相手の能力とバックグラウンドにその解釈を曲げられるものもありません。そんなずれずれでぶれぶれの世界をつなげるのは、長谷川恭久が言うようにIAと、そしておもいやりしかないのだな。と良いシメになりました。

以上、駆け足ですが矢野の印象でございました!

2009/09/12

CROSS 『iPhone × Android』 Webクリエイターのための、スマートフォン特集

銀座イベント終了後、
韓国料理店にて「Androidでモテるにはどうすればよいのか」について、緊急の話し合いをしました。
参加者はウェブデザイン業界から女性代表withoutsugarさんと、Android側からはH出さん、Hさんのダブルエッチなおっさんです。

りん:まず、開発できるという強みを生かしたきめゼリフが必要ではないかしら。
withoutsugar:なるほど。
H出:開発者はね、位置情報の取得とかね、なんでもやってのけるしね。
りん:おっ!では「ボクがキミの位置を特定してあげるよ!」ってのはどうだろうか!
withoutsugar:きもいですね。
りん:え?きもいですか?
withoutsugar:正直ちょっと。
H:ドおたくだよね。Androidっていえば...。
H出:あ、すいませーん。Androidのグレープフルーツ割り〜。
全員:そんな酒ねえよ!
H出:あ、まちがっちゃった。ははははは

終了〜

ということで、
CROSS 『iPhone × Android』
Webクリエイターのための、スマートフォン特集

日時
2009年 10月 10日(土) 14:00-18:00(13:30開場)
@デジタルハリウッド東京本校(お茶の水)
参加費 4,000円(税込)

Android代表で参戦しますので、どうぞご参加くださいますようお願いいたします。

※上記のエントリには一部フィクションが含まれております

2009/09/11

今日紹介した書籍たち

本日のアップルストアイベント、ご参加くださりありがとうございました!!
さっそく紹介した書籍の一覧を掲載いたします。どうぞ、楽しんでくださいませ!

シティ・オブ・ビット- 情報革命は都市・建築をどうかえるか
ウィリアム・ミッチェル

構成的ポスターの研究―バウハウスからスイス派の巨匠へ
多摩美術大学ポスター共同研究会

生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る
J.J.ギブソン

色彩構成 配色による創造
ジョセフ・アルバース 

傷つかない技術 “有害な批判”から身を守るための6つのカギ
エリック・メイゼル

WEBデザインメソッド 伝わるコンテンツのための理論と実践
矢野りん

またお会いする機会を頂戴できますよう、精進いたします。

2009/09/02

「WEBデザインメソッド 伝わるコンテンツのための理論と実践」刊行記念イベント

「WEBデザインメソッド 伝わるコンテンツのための理論と実践」刊行記念イベントとして、「WEBデザイン!ビジュアル系」というタイトルのイベントをワークスコーポレーションさんに企画していただきました。

あらかたの内容はワークスさんのサイト上に掲載してあるとおりです。
しかし!大事な情報がヌケておることに気がつきました。それは、今回のお話の対象となる方は誰なのか、というターゲットに関する情報です。

あらためて申し上げますと、本イベントの対象者は

・ビジュアルデザインって大事だよねえ。と日頃から考えてはいるけれど、いざというときその重要性をお客さんやスタッフに伝えられなくて、はがゆい思いをしているすべての人

です。
と、このように設定しておいて大変恐縮ですが、わたくし自身いまでもはがゆい思いをしている人間のひとりです。
これには理由があります。視覚的な情報をキャッチして人間が感じる「ステキー」という感情を観察し、分析する方法が現状では無いということになっているからです。
赤を見ると興奮する、とか、青を見ると落ち着く、とか、とんがった形より丸い形を見ている時のほうが、脳内のナントカという物質が増加してリラックス状態に入りやすい、とか、個々の視覚要素に対する身体反応を計測する方法はありますよね。でも、それが「ビジュアルデザイン」という総体になったとき、個々の反応がどういうふうに関係して「ステキー」に落ちるのかは誰にも分からない。ましや成果物(プロダクト)をや。だからよいものとわるいものを機械的に区別することは不可能です。ビジュアルデザインの善し悪しを説明するときは、揚げ足を取られる危険と常に隣り合わせなのです。

さらにビジュアルデザインの最終的なできばえは、8割かた直感にかかってます。
自分、数字出しましたね。すみません経験則です。
直感はなかなか他者と共有しにくく、定量化できないためにノウハウになりません。共有できんもんはワークフローから外すぜ!という考え方はよく米国人がしますが、デザインという言葉をもっぱら「設計」の意味で使うのも米国人ですね。ちなみにフランスやイタリアのような国の場合、デザイン=スタイリングという考え方が浸透しています。クリエータの理想を形にするため無駄な努力もいとわないという姿勢ですね。ことウェブを中心としたIT技術関連のデザインは、そもそも技術自体米国発祥であるためかスタイリングに関する話題はまあ置いとけ。という傾向が強いです。

ビジュアルデザインとは、なんと心もとない世界!

しかしながらですよ。やっぱり見かけは大事なのです。たとえウェブであっても。
こういうふうに考えるとその重要性がわかりやすくなります。
同じことができるふたつの製品があれば、外見的に優れているほうが有利である、と。

さきほど、ビジュアルデザインに対する人間の評価は観察できないと言いました。心もとない世界である、というように。
ですが、わたしは心もとない世界であるからこそ、指標となるのは、やはり、作る人間の主観的な直感しかないと考えています。これこそはなはだ感性だのみの意見ではありますが。

そして、それ(感性)をセンスと呼ぶのかどうかわかりませんが、感じる力というのはだれにでもあると私は考えています。

じゃあ感性を磨こうね!という話でもありません。
重要なのは、だれにでもある感性を、あますところなく発揮するために必要な前知識ではないでしょうか。それはツールの使いこなしかたかもしれませんし、色彩の基礎知識であったり、レイアウトのセオリーでもあります。よく、ツールなんか使いこなせても仕方が無いというかたもいますが、わたしはむしろツールを使いこなせないとどうしようもない、と思ってます。
感性を発揮するための環境をつくることが、ビジュアルデザインの質を左右するんじゃないでしょうか。

「WEBデザインメソッド 伝わるコンテンツのための理論と実践」は、この基礎知識、感性を発揮するための環境作りの一助になるように、と考えて作りました。
イベントでは感性についてのお話もできればと思います。

また、Web制作というお仕事には、やはり米国的な価値観が強いせいでしょうか、ビジュアルデザイン関連の話題については意見交換する機会がすくないのでは?とも思います(悪いことではないんですけど、もうちょっと多様性が欲しいところです)。当日お集りくださったみなさんとは、おもうさまビジュアルデザイン方面の意識交換などしつつ、参加者のみなさん同士も交流をふかめてくださればと期待しております。

ひとりでも多くのみなさまがご参加くださいますよう、心よりお待ち申し上げます!

2009/08/29

切り絵

切り絵が好きです。切るのが好きです。
ふらっと入った渋谷の古書店で購入した滝平 二郎の作品集に、本人のサインがたまたま入っていたのも運命だとおもうくらいです。
また、今年のGWは千葉の稲毛海岸のジャスコで二日間「切り絵実演」と書かれた看板の下、開店から閉店まで切り続けても平気でした。
もくもくと切っていると、となりで景品の引き換えをやっている大学生のおねいちゃんが「好きなんですねえー」と話しかけてきました。
うん!とわたしは元気よく応えました。おねいちゃんは「わたしもー、絵描いたりとかはすきなんですけどー。」というので、それはすばらしいねーとほめかけたところ「でもー、絵描いたりとかって仕事になんないじゃないですかー。芸術とかって将来ないですしー。私実は1年間だけ武蔵野美術大学通ったですけど将来不安になってやめて、薬科大学入り直したんですよおー」というので、堅実ですばらしいねー。に変更しました。
となりに座っていたにいちゃん学生も「ぼくは英語を勉強して30代まで年収一千万くらい狙ってるんす」というので、えらいねー。こころざしたかいねー。とまたほめました。
切り絵より、ほめることに一生懸命だったGWだったなー。と今思い出しました。

2009/08/28

DESIGN IT!2009

DESIGN IT!2009二日目に参加して、DITAのキーパーソンであるジョアン・ハッコスさんのお顔を拝見してきた。午後のパネルでは、私淑している高橋慈子さんのおはなしを拝聴。女性が仕切るパネルディスカッションなんてなんだか言語学的!(偏見)
DITAというのは、もともと取り扱い説明など、技術情報をデジタル化し、共有するための文書の設計方法のことです。
え、データ形式とかでないの?というかた。DITAはそもそもXMLスキーマなので形式ではないです。XMLもデータ形式ではないですよね。
で、そのDITAですが、もともとビックブラザーこと、IBMが開発しました。wikipediaでは「DITAにより提供される各基本要素を特殊化することで、利用組織の目的に合わせた情報アーキテクチャを構築することが可能となる。」と、3回読んでもよくわからない説明がなされていますね。噛み砕くと、DITAという規格が定めている要素(タグ)をうまく使ったり、指定の属性と組み合わせたりすることで、文字の固まりに存在意義を与えられるよ!ということです。ちなみに要素(例ではコンセプト要素)を並べるとこんなふうになります。

<concept id="concept">
<title>Bird Calling</title>
<conbody>
<p>Bird calling attracts birds.</p>
<example>
<p>Bird calling requires learning:</p>
<ul>
<li>Popular and classical bird songs</li>
<li>How to whistle like a bird</li>
</ul>
</example>
</conbody>
</concept>

なに?HTMLじゃだめなの?と思いますよね。わたしも思います。
ただ、DITAの場合、産まれたときの目的がはっきりしている、という点でHTMLとは異なります。DITAはそもそも、もの凄いページ数でありながら、クリティカルな用途のトリセツにむけて開発された言語であるらしい。それをいま、小さいアーキテクトにも応用しようとしてるらしい。その意図はいろいろあるだろうけども、とりあえずは製品取り扱い情報を、ウェブのテクノロジと連携させて広く再利用とか共有とかできるようにしたい。ということらしい。コンシューマとダイレクトに関係ない話ですが、そうしたほうがなにかと便利なんでしょうね。それを規格の策定に関わった人間自らが説いて回るってのもアメリカ人の底知れなさを知るところですが。
ちなみにジョアン・ハッコス女史はHP出身です。

ところで、トリセツといっても世の中にはいろんなトリセツがあります。ページ数の横綱としては、航空機のトリセツがありますが、ああいったものは、XMLでなんとかまとめられてコックピットに組み込まれたりしてるそうな。そういうのを編集するシーンを考えてみましょう。ね、大変です。参考となる編集方針が欲しいですよね。でないと、編纂に何年かかるか分かったもんじゃない。DITAは、規格通りにドキュメントを作成することで、既存の編集方針まで取り入れてしまえる。だから、大規模ドキュメントに強いと言われているのです(個々のトピックの書き方はまた別の議論ですよ)。
キャッチコピーをつけるとしたら、
「みんなのアーキテクチャ」
ないし
「サイボーグ編集長!」ですね(きっと顔はピエール瀧)。

あら?それってHTML5っぽくない?と思いませんか?わたしは思います。
たぶん、HTML5も最初はDITAっぽいセマンティックな編集方針を無理なく取り入れることを目的とせざるを得ない面はあったと思います。W3Cのまな板で議論するという目的を果たすために。
しかし、MSがやっと議論に加わった今となっては「これもこれもいらなくね?」という方向になるのは必然という方向のようです。だって言葉は目的ありき。HTML5って、周りを取り囲んでいる人を見ると、言葉を運ぶ葉っぱと思われてないものね。じゃあ言葉の運び方を教えてよ!となって、DITAに注目があつまる、という図式があるのですね。
でもあまりに、あまりに米国的!
仕組みをまんまとりいれることで、日本の文化もかわってゆくものなのかしら。
最後にもんもんとしたまま、おわります...。

2009/08/26

イベント:原研哉基調講演、emptiness

テクニカルコミュニケーションシンポジウム2009開催中です。
初日の今日はグラフィックデザイナーの原研哉氏による基調講演でした。
が、先生悪い風邪をひいてしまい、2008年10月23日のアップルストア銀座での講演のビデオ再演になりました。
原研哉が言う「emptiness」とは、シンプルのことではありません。
曰く、シンプルは効率を突き詰めて「簡単に作る」という経済上の都合と折り合いを付けるための表現形式であり、モダンという概念を産んだヨーロッパ特有の専売特許であるとのこと。「シンプルで静謐さを感じさせる和の空間」というようなコピーは単なる言葉遊びであるわけです。
では、デザインにおけるemptinessとは何かというと、究極は神社であるそうです。神社が、きまぐれな八百万の神にぷらっと寄ってもらうことを期待して、社を空にしているような状態といいます。
ここまできくと、「ああ、足し算でなくて引き算のデザインてやつね」と早くもがってんしたい気になりますが、そんなことは思ったところでなにひとつ実践に移せないのが社会の厳しさというものでしょう。だってデザインはひとりでやるもんじゃないですから、たいがい複数意見の反映のはて、足し算の作業になるはずなのです。
なので、成果物をそういうふうな状態にせよ、ということとは違うと思います。まさか原研哉ともあろう人がそんなおぼこい話をヒネリもなくするわけがない。
ようは、気持ちの問題。コミュニケーションの姿勢の望ましい姿を言っているのだと、私は理解しました。
そして理解すると同時に「おーい。できるかいそんなこと!」と自分自身にツッコミました。
続けて利休七則の
・茶は服のよきように
・炭は湯の沸くように
・夏は涼しく、冬は暖かに
・花は野にあるように
・刻限は早めに
・降らずとも雨の用意
・相客に心せよ
を引き、人間が感じる五感のよろこびは、しつらえの質で増減するものだと述べました。私の心のツッコミはここで最大級です。原研哉自身、そこへ到達することのけわしさを感じているからこその引用であり「無理だからどうすればいいか考える」ことのおもしろさを示しているわけですが、なんかすっかり真に受けて、どうすりゃいいんだと考え込んでしまいました。
たいていのデザイナーは他人の喜ぶ顔を見るのが好きです。どうすれば喜んでもらえるのかを考える生理を持っているとおもいます。しかし、そのぶん、自分をだましたり、対応に裏表を作ることも同時に可能です。私だけかもしれませんが、ピュアではないのです。しかも、ときに見返りを要求しますしね。
自然と人工のおりなす波打ち際で苦しめ。と原研哉は言いました。そしてくやしいかな言葉通りに、私は苦しんでいるのです。

2009/08/16

愛の情報過多β


愛の情報過多β, originally uploaded by yano rin.

2009年10月1日より、麻布十番のバーインフォキュリアスでインスタレーションをやります。
看板のビジュアルを作成しました。特に配布用の情報という位置付けではないので非常に文字の視認性が低いですね。
ちなみに本ビジュアルはらくがき帳にガリガリ描いたドローイングをスキャンして、Illustrator CS4のライブトレースでパスをとり、がんがん重ねまくって1枚絵にしています。
印刷するとまだメリハリがあってみやすい状態になります。
当日は大きめの用紙に印刷して店内に飾るつもりです。

2009/08/11

「WEBデザインメソッド」刊行記念イベント

ワークスコーポレーション主催によるイベントを、9/11アップルストアで開催します。

イベントフォースで詳細を見る



ウェブサイトやビジュアルデザインの向上を目指しているかた、
ビジュアルデザインに興味のあるかたにむけ、
その効果や重要性、テクニック的なお話までをする予定です。

ぜひとも、ふるってご参加ください!

2009/08/09

丸山数理、ゲルハルト・リヒター

2009年8月4日から9日まで開催の丸山数理個展-Déjà vu-に行ってきました。
丸山数理は現在ギャラリートリニティに所属の画家で、おもにアクリルを使ったドローイングを手がけています。
個展では、やや以前の抽象画や、近年の「ワタシト云ウ幻想ハ」シリーズ、同様のモチーフで描いた「或ル日、吹キ飛バサレテ」などを展示していました。

まず、抽象画の作品をじかに観るのは今回が始めて。で、想像以上に素晴らしかった。モチーフは風景なのですが、フォーカスが定まらない、いわゆる「ミスショット」にあたる風景写真のかたちを作家の脳内色彩変換装置でトランスフォームして再描画した作品です。モチーフはとろとろになるまで徹底的にぼけているんだけど、像のつながりから読み取れる情報があって、人間が居たり、街灯があったり、建物があったりというのがわかります。じっと観ていると、ああ、わたしも過去にまったく同じ風景をみたことがある。とか、あれはさむくてさみしい日だったなあ。とか過去の感情がぐーっと表に出てくるような感覚が起こりました。
同作品のように写真をモチーフとして描いた絵画はフォト・ペインティングというジャンルにあてはめて整理されていますが、この分野はドイツのゲルハルト・リヒターという作家のリングネームみたいなものです。リヒターはもともとアカデミーへの反抗心で写真をモチーフにすることを思いついたそうですが、モチーフがぼけてあいまいになることでおこる鑑賞者とのインタラクションは丸山数理と同じです。丸山数理はリヒターをもっと過激にしたようなかんじ。
ちなみにリヒターの作品は、東京国立近代美術館がいくつか所蔵しています。

さらに、今回初お目見えだった作家の心象風景を描いた作品「或ル日、吹キ飛バサレテ」。これがとてもよかった。イメージデータが公開されていないので言葉で説明するしかないですが、「ワタシト云ウ幻想ハ」シリーズで風景に佇んでいた人物が、部分的に雲とマージしている作品になっています。マージする様子は、砂で描いた人間を指で引っ掻いたかんじといえば伝わるでしょうか。粒子が風で飛ばされて雲と繋がっているというかんじ。
消えつつある人間、というとなんだかネガティブな印象を持ちますが、作品からはむしろ積極的に体や精神を風景まで拡張しているかのような、ポジティブな印象を受けました。
なぜ、ポジティブにみえるのか。ああ、わたしもむしろこうなりたい。という期待感というか、わくわく感を持つのはなぜなのか。作家本人にうかがったところ「それはきっとぼくが直感頼みでいつも制作してるからじゃないかな?本当になんにも考えてないんですから。ははは」という答えが。
「でも、ああ、今ってこういう気分、こういうかんじ。と、思いながら、えいやっ!と下絵も描かないで、仕上げちゃうんです」と。わたしはポスト物質時代の芸術家らしいな。素敵だな。と思いました。
そのあと、ふたりでしばらく話しましたが、今後定着させやすいデジタルでも作品をがんがんつくって量を増やしていくことの意義などで盛り上がりました。よく芸術作品に対してデジタルはダメでリアルは良いという判断をするむきがありますが、芸術性というのは作家の精神の問題が大きいですし、それにドローイングの場合、デジタルでも基本的なインプットは手描きですからテクニックは問われます。技術の問題というよりもむしろ、感じたままに定着するということってなんだかやってみる価値ありそうね。そのためにはデジタルって望ましい環境よね。というカンというか、方向性にわくわく感があればそこには何かがあるのだと思います。
最後に満面の笑顔で数理さん、「11月は代官山で地元の友達の顔をぐるぐる回す装置を展示する予定なんで、また来てくださいね!」と言ってました。
大爆笑しました。楽しみです。

2009/08/06

日本アンドロイドの会、あるいはデザイナーとデベロッパーの協業について

中学校の頃でしょうか。わたしはウィリアム・ギブソンのニューロマンサーという小説を読んで主人公のCaseに恋をしました。
重力にかまわず行動し、どこにでも入っては、取ってくる。電気みたいなCaseがかっこよくてかっこよくて。
そして思春期の少女らしく「いつかビットに乗った王子様が、わたしをサイバースペースに連れてってくれるはず」と夢想したものです。
そして大人になったとき、サイバースペースはギブソンの頭の外にもあるものだということを知りました。わたしもそこへいってはみたのですが、レイヤーが違うせいでか、Caseには会えませんでした。

あれから随分時間が経って、わたしはある人に会いました。その人はいつも自分用の小さなアンテナとクローム(窓)を持っていました。もしかするとCaseのレイヤーに通じているのはこの人かもしれない。私はその人を、入り口まで追いかけました。
入り口には「日本アンドロイドの会」と書いてありました。

結論を先に申しますと、日本アンドロイドの会にCaseは居ませんでした。ビットの世界の元気な幽霊がCaseだとすると、そこに居る「開発者」という人たちは面白いことにビットでアトムを拡張してしまうのです。

ニューロマンサーを読んだ事がないとわかりにくいかもしれませんが、Caseはアトムの世界では単なるアホです。人造人間Mollyちゃんが居ないとどうにもなりません。わたしが子供心にCaseを好きだったのは、そのコントラストに愛嬌を感じたせいもあります。しかしここにわたし自身の過去の認識がみてとれるでしょう。それは、Caseのようにコードの上を「走る」人間は、ビットの外で使える魔法、つまりアトムに影響及ぼすことが可能な魔法を持たない、という認識です。

では、開発者はどうでしょう。確かに開発者も時にコードの上を「走り」ます。しかしそれだけではありません。それと同時に、常に何かを「走らせ」ます。開発者にとって、走ることと走らせることは、どうやら同じことのようなのです。石ころからロボット、もちろん人間に至るまで、走ることで、走らせる。まるでCaseとMollyがひとつになったような存在が、開発者だ。というように、わたしは認識をあらためることになりました。

話は変わりますが、よくデザイナーとデベロッパーの協業に関する困難が、話題にのぼることがあると思います。こうした話題は開発者がビットの世界にしか影響力を持たず、アトムの世界に対する影響はデザイナーが引き受けるものだという認識を前提に語られていることはないでしょうか。だとすると、その前提は間違いです。
それは、互いの能力に差がない、という意味ではありません。互いが住んでいる世界に差がない。ということです。ウィリアム・J・ミッチェルが言ったように、もはやビットとアトムの世界に差は無いのです。違いがあるとすれば、それは物事へのアプローチのベクトルだけです。

ではこの問題について、デザイナーは何をすべきでしょうか。ここ最近わたしが考えている1つの理想は、アトムをビットに還元する際の精度をなんとかして高めることです。具体的にはもっとコードを理解することかもしれませんし、ツールを今以上に、まるで自分の体の一部であるかのように使うことかもしれません。機器のアーキテクチャを知ることでもあるでしょう。

そういうことがらを、もっと知りたいので、これからも日本アンドロイドの会で役割を見つけていきたいな。と思う次第です。そう。長くなってしまいましたが、これはデザイナーに対して会をアピールするための文章なのでした!

おしまい

2009/07/31

大雪山系、WEBデザインメソッド


WEBデザインメソッド, originally uploaded by yano rin.

2009年8月3日の発売を前に、神々の庭と呼ばれる北海道大雪山系旭岳の裾野へ出版報告しにいく。
写真は旭川の方向に本書を差し出す姪っ子(中学生)。
写真の露光量がちょっと足りていませんが、曇り空のリアル感を尊重して補正しませんでした。
晴天の高所ならではの恐怖の群青をお見せできず大変残念。

さて、ここ旭岳ですが、登山というわけではなく動力を使うことによってだれでもパノラミックランドスケープが楽しめるすてきな国立公園です。車で入山ポイントまで行き、五合目までロープウエイに乗ればよいのです。小1時間ほど高山植物を眺めながらお散歩気分で山頂が見えるポイントまで行くと、登山気分は十分満喫できます。
が、しかし、散策道は素人を拒む本気の登山道につながっています。
ちなみに先日10名もの人々が犠牲になった山での事故の入り口はここ。通るには知識と装備と体力と情報が求められます。

プロの道をゆく条件は、どんなジャンルでもそれほど変わらないのですね。

2009/07/27

WEBデザインメソッド-伝わるコンテンツのための理論と実践

新刊書籍のおしらせです。
WEBデザインメソッド-伝わるコンテンツのための理論と実践
がワークスコーポレーションより発売されます。
「改めて学ぶ、WEBビジュアルデザインの鉄則をまとめよう」というテーマに基づいて執筆いたしました。

ここさいきん、デザインという言葉が使われる機会はほんとうにふえました。
このデザインという言葉ですが、「ものづくり」という現場で使うばあい、じっさいに現場で行われる実務内容はなんでしょうか。
設計作業か。何はなくとも、お絵かきか。
どちらもデザインという作業においては欠かせない実務です。
とくに設計に関する作業の重要性は近年でもっとも注目すべき点ですから、このあたりの理論書は増えているようにおもいます。
しかしながら、お絵かきの分野、見た目のデザイン(ヨーロッパ風にいうとスタイリング)についてはどうでしょう。
矢野は、あまり詳しいものがないように感じていました。

ではひとつ、つくろううではないか。
というのが本書を執筆した動機です。

しかし、頭から読むと、インタラクションデザインとは何か、とか、設計とは何をすることか、といったようなやや抽象的な解説にであうこともあります。
それはビジュアルデザインには関係ないではないか。と、思われるかもしれません。
ところがここははずせない部分です。ビジュアルデザインを担当する場合、なんのためのビジュアルなのか、ということを理解する必要があります。とくに読者が学生であれば、この点に関する理解は不可欠です。
そこで、あるていど抽象的な内容も含むということを、ここに述べておきます。

カラーリングをはじめ、タイポグラフィから、画像解像度まで、ビジュアル担当者が知っておくべきセオリーの数々を、ぎゅっと1冊にまとめておりますので、どうぞワークスコーポレーションのサイトなどから見本のページをごらんになってください
みなさまのお役に立てることをこころより願っております!

2009/07/25

CSS Nite LP, Disk 7「IAスペシャル」

わたしの場合、インフォメーションアーキテクチャに興味はあるが、なんか仕事にとりいれるかんどころがよくわかりません。
そんなわたしに朗報。IAの有識者が一堂に会するイベントが開催されます。

2009年9月12日土よう、13:00スタートのCSS Nite LP, Disk 7「IAスペシャル」は、
インフォメーションアーキテクチャを仕事にとりいれる具体的な方法から、取り入れた場合、こうなるといった事例の紹介、ワークショップ風の思考トレーニングなどを、体験することができます。

出演者は

IA界最大にして最強の貴公子、長谷川敦士(コンセント)
得意技は企画からデザインへの落とし込み、坂本貴史(ネットイヤーグループ)
ガジェット大好き!佐藤伸哉
美しきプロジェクトマネージャー、林 千晶(ロフトワーク)
あらゆる概念の敷居を下げる男、長谷川恭久(could)
アーキテクツから、アーキテクツへ。小久保浩大郎(iA)

の皆さんです。
楽しみ!

2009/07/19

エンタメ:ポケモン映画 アルセウス超克の時空へ

子供にせがまれ、はじめてポケモンの映画に行った。
劇場は開場時刻前から大混雑。小学生くらいの子はDSを持参している。来場し、かつ最新のDSソフトを持っていると「アルセウス」のポケモンをくれるんだって。さらにポケモンカードと、アーケードゲーム「ポケモンバトリオ」で使うアルセウスのパック(メダルのようなかたち)もついてくる。
さて開場。開始まで15分間延々協力企業の関連事業(仮面ライダー、シンケンジャー、ドラえもんなどなど)の宣伝が続き、最後に(DSを閉じろ)とポケモンの「ニャース」からご連絡。はい、始まりました。
で。終わりました。

ニャースがまた出てきて(DSを付けてもよい)という趣旨の連絡が出ておしまい。
公開開始直後なので筋は説明しないが、ひでー映画だった。
ストーリーの底が浅いとか、もったいぶってて冗長とか色々あるが、最も気になるポイントは「主人公を始め登場人物全員がまったく努力をしたように思われないにも関わらず、事が解決する」ところだ。
今回の映画のキーパーソンなんか、要所要所で念じるだけ。もういちど言う。念じるだけ。そんで全部片付きます。ノーリーズン、エンジョイ。
で、DS持ったがきんちょは「オレ最強のポケモンゲットした〜」と言って満足して帰ると。ポケモンゲームが主で映画は付録、と考えれば、映画としてまじめに観るのは間違っているのかもしれないが。

その後、バトリオのパックもらったせいで「どうしてもいちどやってみたい」と息子がゴネだし、駅前のおもちゃ屋へ。説明書きを読んでもさっぱりやり方がわからんわ。と思っていたらさっき映画館で後ろに座ってた小学生らが「おれわかりますよ」と。「おい、金」と母親に言いつけて100円入れたかと思うとやりだした。「ここで、押すんですよ。すげー押す押すおらおらおらおらああああ!!奇跡を起こすぜええええ!!いえーい100ごえ〜おれ最強、無敵〜〜」あ、ごめん、押すだけなの?押せば良いの?「そうですけど、オレくらいですよ。だいたい100とか超えるのって。」え?100超える条件は?「気合いっすね」え、気合い?気合い感知?

画面切替の合間にもDSを覗き込み、鬼の形相でただボタンを叩きまくる子供を見ていると、理解を超えたしくみの前に奇跡だけを信じて金をすっていくパチンコ狂いのおっさんが思い起こされ、悲しくなった。
ポケモンのルールというか、しばり的な考え方は、どうやら陰陽五行思想の木火土金水(もくかどごんすい)風な構造を取ってるようだが、なんせ大勝ちする時とか、強いアイテム(ポケモン)を手にするといった圧倒的カタルシスをもたらすイベントがぜんぶルールの外、つまりランダムで、自動的に与えられるしくみになっているために、ガキどもは「奇跡」とか「気合い」とか「運」を信じてゲームに向うことになっとる。

待てやコラ。これ作った奴、賭博黙示録カイジを1章から2章まで通読しろ。
勝ち方がはっきりしないゲームは子供にとって害だろう。
もうおもちゃ屋のわきで静かにぶちキレた私はその場をあとにした。
歩きながら息子に、勝ち方がわからないゲームはするな。奇跡はそう簡単に起こらん。まして、ボタン連射で奇跡が起こると信じるヤツはバカだ。こんなことに100円なんか使うな。と言い渡した。息子は「母親は子供の喜ぶことをしてくれるもんじゃないの?変な母親。」と言い返したが上等だ。子供の銭を巻き上げる商売だってべつに法に触れてなければまっとうである。だがしかし、支払った対価として心になあーんの豊かさも与えず、教えもなく、物欲を煽るだけ。かあさんそんなポケモンなんか、だいきらいよ。
まだディズニーのほうがうまくできてるわい。

2009/07/16

イベント:Remix Tokyo 09 川崎和男先生

今日はマイクロソフトのRemix Tokyo 09、基調講演を拝見して参りました。
演出過多なイベントでは、なんだかちょっぴりお寒い印象もあるMSさんでしたが、今回は音響も映像も、舞台装置の効果も、とても板についていました。
オープニングではデベロッパー プラットフォーム コーポレート バイスプレジデントのスコット・ガスリーさんが、氣志團万博のオープニング映像顔負けのコントを制作、上映。掴みはOKで温かい拍手のなか、さっそうと登場していました。
なんといっても今回の目玉はやはり「MSのイベントに川崎和男先生降臨」です。
ガスリーさんからの紹介で登壇した川崎先生は、無言のまま約4分にもおよぶ先生のプロモーションビデオを上映しました。
マイケルの(というかストリーミング放送の都合上、マイケルの声に似た違う人がうたっていた)Beat Itにのせ、先生の功績が次々に紹介されていきます。先生はご自分が「アウェイ」であることをよく理解していらっしゃるのです。医学博士であり工業デザイナである先生は、いつでも世界を外からご覧になれる知性を持っているのだな、と、あらためてあこがれます。
自己紹介が終わると先生は「これからコンピュータが消える日の話をします」と言いました。OS競合という経済呪縛の終焉による解放と、OSとwifiの融合、Not Contents, Context Procedure designの3つのキーワード。これがこれからのウェブやアプリケーションのありかたを変える、というお話です。
じつはこうした思想はすでに、
Gordon Moore
Paul Vixie
William J. Mitchell
という3人のデジタルキーマンによってずっと昔、予知されていたことだと先生は言います。デジタルメディアの制作に関わるプロであるなら、当然この3人の著書くらいはよんでおかなければなりません。と、くぎをさしながら、いつでも接続可能なネットワークのうえにあるオペレーションシステムが存在すればこそ、アプリケーションの既成概念が変化し、コンピューターがインビジブルになるのは当然のことなのだよ。と述べました。
我が日本アンドロイドの会の丸山先生もおりにふれ、ムーアの法則やトランジスタの歴史について話してくださいますが、どちらの先生も「当然の帰結」というふうにここ最近のお話をするところをみると、やはり、過去に始まった1つの流れについて終わりが近づいていて、同時に新しいはじまりがおこるタイミングなのだと感じざるを得ません。
さらに川崎先生は「意識社会」「情報、おしらせごと」「策略」が、クラウド型の世界でウェブが進化する先を見越すためのカギだと説明します。
コンテンツ、ではなくて、コンテクストを作る手続きのデザインが、これからのデザインなんだよ、と。さらに、今年の秋にも、もうディスプレーは要らなくなって、キーボードだって消えてしまうんだよ。と断言しました。それくらいのスピードで、変化は近づいているんだよ。と。
わたしはすっかり感化されて、先生が壇上で紹介した書籍を夏の間に読もうとわくわくしたのでした。
そして、そのあと登場した春日井さんまでがいつもの5割増しでハンサムに見えたのです。
本当です。
これも1つのUXでしょうか。

自分自身、意思、願いを持つことと、自分以外のひとの願いに思いを馳せることとか、だいじなんだなあ。と思いました。

William J. Mitchell
シティ・オブ・ビット―情報革命は都市・建築をどうかえるか
サイボーグ化する私とネットワーク化する世界

2009/07/14

本:原色日本蝶類図鑑

夏は、虫のなまえを調べる機会の多い季節であります。
夏は虫。ということで、古本屋で購入した横山光夫の原色日本蝶類図鑑を、時間があくとしらべものがなくても読んでおります。
蝶好きな人なら常識でしょうが、黒く大きなアゲハチョウはみな一様に「カラスアゲハ」というわけではないんですね。おながちょう、みやまからすあげは、など、数種類があります。
とくに「じゃこうあげは」という種類は尾がながく、羽の形が複雑で迫力があります。そんなじゃこうあげはの本書の解説が凄い。以下抜粋。

長い尾状突起を振りながら、そよかぜにのって緩慢に、樹間や路傍の花上を舞う姿は「山女郎」の名のごとく、絵のような、美しさである。
<中略>
蛹は「お菊虫」と呼ばれ、後ろ手に縛された姿にも似て「口紅」に似た赤い斑点さえもひとしお可憐である。

じゃこうあげは、別名、じょろうあげはの説明であります。
女郎とは、美しい女性全般を指しますが、ここではもっとこう、関わったが最後道を踏み外しそうな、圧倒的性の芳香を放つことばになっています。
蛹のくだりにある束縛された女の姿と合わせると、ほとんど谷崎潤一郎の世界です。

山から降りてきた1頭の蝶にひもづく情報量が、その蝶を見た人間の感性によってこれほどまで大きく増幅するものか。
ことばの個性とは、やはり、世界をみる心の個性そのものなのでしょう。
しかし心の個性って、いったいなんでしょうか。自分にとって何が大切かをよく知っているってことでしょうか。

2009/06/27

iPhone VS Android 結果発表!!!

おかげさまでカンファレンスが成功裏に終了いたしました。
ご参加くださったかた、こころよりお礼申し上げます!

2009年6月26日ですが、世間的にはiPhone 3G Sの発売日とかぶっており、日程決定したあとその件を知ったとはいえAndroidのイベントがこれにかぶるのはどうなの?という気持ちもあったものの、終わってみたら、

Android < iPhone < マイケルジャクソン

ということで、結局勝負はドロー。と言う状況に、現状なっております。
しかしわすれないでください。

http://www.flickr.com/photos/masakiishitani/3659812549/
アンドロイドTシャツ(略してドロT)を孫社長に無理やり手渡す勇者たち。



あやちゃんにむりやり手渡した証拠写真。
手元に注目。おお!わがドロTが!

とりいそぎ、ご報告まで。

2009/06/18

イベント:Android Bazaar and Conference 2009 Spring


Androidのみにフォーカスした珍しいイベントです!Google Developer Day 2009で「食い足りないわ」あるいは「なんか興味でた」と感じた方、お待ちしております。

2009年6月26日(金) 9:30~19:30(開場9:00)

会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
東京都渋谷区代々木神園町3-1(小田急線参宮橋駅下車徒歩7分/地下鉄千代田線代々木公園駅下車徒歩10分)
http://nyc.niye.go.jp/
主催:日本Androidの会
共催:早稲田大学/アイティメディア株式会社
協力:日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社

参加費用:無料

申し込みフォーム

矢野のセッションは

講演A-2 アプリデザイン、色使いで差を付けろ! です。
特にAndroid Icon Design Guidelinesに沿ってアイコンを作るとき、色をどうすればいいのか。に絞って実践的なお話をいたします。

その他、Androidアプリ作成に役立つ技術解説から、今後プラットフォームとして大きな役割を担うであろうAndroidの全体像がわかるセッションがもりだくさんです。
ぜひ興味本位でご参加ください!

2009/06/16

三沢光晴、テッド・タナベ、レスラーの死

ノアの三沢光晴、大阪プロレスのテッド・タナベとリングの雄があいついでこの世を去った。
「プロレスってリアルファイトじゃないんでしょ?」という認識の人だとピンとこないかもしれないがプロレスファンの私にとってプロレス以上のリアルファイトはこの世に無い。たとえば試合時間。ベルトがかかっているマッチなら40分ノーブレイクで戦い続けるなんてザラである。タッグマッチなら1時間はかかる場合も珍しくない。ボクシングのようにラウンド制でもなく、フォールするまで動きっぱなしなのだ。
ところでプロレスの世界では年を重ねるごとに強くなるというスポーツの常識を覆す傾向がある。この傾向はプロレスが「技をかける」「技をかけられる」「技をみせる」という3つの要素が三位一体となって完成するスポーツであることに起因する。
若い選手の場合、技をかけるので精一杯なのはよくあることで、体ができてくると技の受けも美しくなり、さらに場数を踏むことで熟練した「かけつ、かけられ」の呼吸を会得、堂に入った「技」をみせることが可能になるのである。
こう書いてしまうとなにか様式美に縛られた型の追求がすべてのように聞こえるかもしれないが、プロレスは踊りではない。呼吸のズレは頸椎損傷、鼓膜の破裂、頭蓋の骨折、など、など、人体を破壊するありとあらゆる可能性につながっている。この最悪の事態を経験と「相手に対する信頼(技を受けてくれる、と信じること)」という心を鍛錬することでしか得られないスキルで切り抜ける。これがプロレスラーとして生きるために必要なスキルだ。ちなみにテッド・タナベはレフェリーだが、リングに上がる以上求められるスキルはレスラーとほぼ同じである。
もう1つ、重要なスキルが別にある。それは「リングに上がる狂気を持ち続けること」だ。一般的なリングの高さは1メートル。コーナーの鉄柱の頂点から床までの高さは2.3メートル。身長190cmの男が鉄柱から見下ろす風景は単純計算して地上4メートル。一度リングに上がればそこからリングの中であろうと外であろうとボディプレスを決める覚悟を持たなければならない。むしろ覚悟を持てる人しか上がれないのがリングであり、そういう人こそがプロレスラーとして生き続ける人だ。
私はそういう高みに居るプロレスラーに憧れ、尊敬し、勇気や生きる糧をもらっている。
そんな私のヒーロたちーをすべってころんでうっかり死んだみたいに「事故死した」とか書かんでくれ。彼らは「死んだ」んじゃなくて「生き切った」んだから。

2009/06/13

エスクァイア休刊、Android、iPhone

エスクァイア ジャパンが7月号をもって休刊しますね。
学生時代「これが普通にかえるようになったら文化人」と思っていた雑誌なので不思議な気持ちです。
で、その最後の号をめくっていてハタと手がとまりました。お前、こんな所に居たのか。と。そう、最後を飾ってAndroid君が紙面を飾っているではありませんか。広告業界の重鎮、マーク・タッツェルさんによる「進化する広告」という最後の連載記事に、やつがいました。
タッツェルさんは、スマートフォンとう携帯電話は好きなアプリを入れ放題なこと、アプリの需要が米国内ではすごいこと、で、アプリで広告をしている企業がすでに居ること、しかも、アプリを買うのはコンシューマであること、に、とてつもない時代の移り変わりを感じている。と記事の中で述べています。つまり、従来は企業が金を払って広告をしていたものが、コンシューマが金を払って広告を買っている。と。
そのメインステージのでかいのか、iPhoneとAndroidだ。というわけで、Android君がiPhoneのとなりでのんきな顔をしていたのでした。
事例はiPhoneむけに有償で提供されているiFood Assistantというクラフトのアプリケーション。米Kraft FoodsがApp Storeで$0.99で売ってます。レシピの紹介や作り方の手順を説明するビデオなんかが見られるアプリなんだそうですが、もちろん食材はKraftの商品が中心です。
タッツェルさんの記事は「これ以上便利になりようがない!」というふうに終わってます。普通に読むと、皮肉っぽい感じに読めます。広告にクリエーティブもくそもなく、こんなちっこい画面で便利であれば金を払うってアホじゃないのか?というニュアンスが少しだけ感じられる部分があるのですが、これはなんとなく日本語に翻訳する過程で加わったような気がしないでもない。矢野の直感的にはタッツェルさんは普通に「おもしれー」と転換期を楽しんでいるように思えました。
そういう部分をかんぐらないと本当のとこが見えないというのも雑誌の面白いところではあるのですがね。
ところでAndroid君と同じくらい「オヤ」と思ったのがミッキー・ロークです。彼の新作「レスラー」が本日より公開スタート。トリプルH(Hunter Hearst Helmsley)みたいな風貌を紙面で見ました。なんか「ビヨンド・ザ・マット」世代の自分としては、“ザ・スネーク”ジェイク・ロバーツが現実なので今更何をという気もしないでもないです。しかしそれと同時にミッキー・ローク世代でもありますから、それはそれとしてリアルだな。という気持ちもあるのです。そのような感想をふまえ、戦いに破れたものには行き場もない。しかし過去リングで勝ち取った充実感は残りの生を生き切るに十分なのだという精神を、最後の最後、ミッキー・ロークの「レスラー」に紙面をがっつり割いたエスクァイアには感じました。私も最後の時はこのような余裕をみせたいものです。

2009/06/12

本:もうはや増刷!Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容



速い!!!
増刷!!
Google Developer day 2009で配布されたdev phoneをお持ちの方、あとは本書さえあればコイツで動くアプリが作れます!!

2009/06/10

レポート:凄いHTML5推しでGoogle Developer Day 2009終了

Itproの記事でも触れましたが、googleがもの凄い勢いでHTML5を推しています。
続く不況の中W3Cの活動に人を出せる企業が減ってきたとかいないとかささやかれている今日ですが、みんながげっそりしている間にgoogleはデジュールをデファクトにすべく猛進中です。
基調講演ではyoutubeをFlashなしで実現したテストサイトなどを紹介していました。iPhoneにもいれてもらえない状況が続くFlashのことがちょっとだけ心配になります。まるでカフェインかわさびのように「抜きで」を連呼されていました。
Web Standardという言葉がここまでいきいきと使われている状況を私は知りません。HTML5に関して言えばまだ草案なのでスタンダードというには次期尚早ではありますが、googleはHTML5を推すことでweb standard = googleという状況を作るつもりなのかもしれません。
ちょっと前、googleの検索技術担当者の人とお話したとき、文脈上では「internet」というべき部分をおもいっきり「google」といってしまっていたことを思い出しました。「ネットの中の情報」という話を「グーグルの中の情報」と表現していたように記憶しています。収集したインデックスの話とはちょっと違う流れだったので、個人的には現状のネットを使える状態にしているのは自社の技術であるという自負と、自社内にインデクシングされておらん情報など無いも同然という認識が公共財であるネットと自社システムとの境界をあいまいにするものなのだろうなーという感想をいだいたものです。
それはそうと、HTML5は普及するかどうかは別として、勉強しがいがあり面白い技術だと考えます。たぶん、小学生でもあるていどおもしろいことがスクリプトとかでやれるようになって、プログラミングに興味を持たせるためにはもってこいの側面もあるように感じます。
ただ、忙しい大人が膨大なHTML5の規格に目を通し勉強を進めて行くのはちょっとしんどいかもしれません。こういうことできるかな?という目的がないとつらい。Opera Devをはじめ既存のリソースをかじりながら、まずは出来ているものから解析していくのがよい方法でしょうね。昔HTMLを勉強した方法と同じことが、ウェブアプリケーションでも通用するという点で若かったあの頃を思い出す人もいるかもしれません。

Canvasリソース(その他も豊富)
http://dev.opera.com/articles/view/html-5-canvas-the-basics/

Client-side Database Storage API
http://webkit.org/misc/DatabaseExample.html

Geolocation
http://www.webmonkey.com/tutorial/Track_User_Geolocation_With_JavaScript

Canvasをはじめ日本語で凄いリソースの量(羽田野太巳さんのサイト。名著、標準DOMスクリプティングの著者)
http://www.html5.jp/

ところでFlashなどのプラグインは「抜かれるのか」という点を考えてみますと、まあ、そうでもないだろうという気持ちはあります。たとえば動画ですが、エンコード結果の美麗さなどをこみこみで考えてやはりFlashの表現力には一日の長があるわけです。たとえば私はgoogleのpicasaを使いません。というのもアップロードした写真が小汚くなるからです。うへー。これは共有したくないわ。とおもってしまう。googleの場合相手にしているトラフィックの数が違うでしょうから小汚いくらいなんだ!とおっしゃるでしょうが、そこは気持ちの問題であります。でありますから、テキストをふくめた言葉のやりとり重視のコミュニケーションはgoogleで、ビジュアルを含めたコミュニケーションはFlashとかその他の方法で。という状況は今後も末永く続くのではないでしょうか。

2009/06/02

レポート:Google Developer Day 2009 プレイベントideathon

もうすぐパシフィコ横浜でGoogle Developer Day 2009が開催されますが、開催に先立ち渋谷のgoogleでideathon(ハッカソンのプレイベント)が開催されました。
矢野にとってはideathonよりむしろ開催場所のgoogleの社員食堂に興味津々。他人の会社の食堂って、いつ見ても楽しいものですね。


google自販機。一見検索できそうですが、できませんでした。



話をした事がない人と一緒に座れと書いてあります。人からそういうことを言われると、なんだかあらがいたくなりませんか。


おやつラック。カップスープやシリアル、あめちゃんなどが置いてあります。


栄養表示をしてあります。気になる人がいるのだそうです。


ペットのフタだけリサイクル。非公開である社員数の目安になるでしょうか・・。


朝はここに果物があるそうです。きな粉。プログラマは激しくタンパク質を消費する生き物のようですね


カバヤジューCは良いのですが、どうしてグレープ味だけ?


ideathonのコーディネートをしているケイブの安生さん。それ脱げこれ着ろと日本アンドロイドの会のTシャツに着替えてもらって撮影。


ideathonにて次週のハッカソンで開発するアプリのコンセプトを発表する参加者の方。楽しそう!


女性の参加も。年齢層も幅広いみなさんでした


ハッカソン本番ではどんなアプリが生まれるでしょうか。楽しみですね〜。

このページの内容の一部は、Google が作成、提供しているコンテンツをベースに変更したもので、クリエイティブ コモンズの表示 2.5 ライセンスに記載の条件に従って使用しています。

2009/05/31

本:打ち上げにAndroidのDroid君が飛び入り参加


ブレブレのDroid君のテンションにちょっと遠慮ぎみの著者、木南英夫さん


Droid君に著書を手渡す、木南英夫さん。Droid君、喜び過ぎ!

Google Android アプリケーション開発入門 おつかれさま会を新宿でひらきました。
参加者は著者の木南英夫さん、著書に協力したadamrockerさん、タナカミノルさん、、日経BP社編集の鬼、柳田さん、そして矢野です。
すると、いきなり西海岸からDroid君が飛び入り参加!
Google I/O終了直後でおつかれのせいか、ちょっとハイテンション。フラッシュたかないで撮ったらブレブレのDroid君です。
もうすぐパシフィコ横浜でGoogle Developer Day 2009が開催されるので、それに合わせて来日したのかもしれません。
なんでも、I/Oでは参加者全員にケータイ無料で配ったって噂じゃない?
大盤振る舞いだね。
日本でももうすぐ発売になるんだよね。と話を振ったら「は?」という感じでした。あまりビジネスのことは興味が無いみたい。
そんな余裕もまた魅力のDroid君でした。

このページの内容の一部は、Google が作成、提供しているコンテンツをベースに変更したもので、クリエイティブ コモンズの表示 2.5 ライセンスに記載の条件に従って使用しています。

2009/05/29

コミュニティ運用プロセスの標準化

渦中の視点固めを目的に作った先のエントリについて、その経過のメモ。
総会の再開催を要求していた会員様とおそまきながらミーティング。双方の問題意識を共有して落としどころの抽出作業を共同で行った。

問題点
・父母総会をはじめ、会の運用の基本的な規則が決まっていない
・過去の議事録をはじめ、過去の問題を共有するための資料があちこちに散在していてアクセスしにくい
・問題を解決するための提案を会議にかける段取りや、具体的な問題解決に対するアクションの段取りが決まっていない

やるべきこと
・会則の改訂。総会成立条件をはじめ、運用の規則を定める
・総会資料の最適化。会の段取りを含め詳細情報を足してリニュアル
・別途標準化した運用マニュアルをドキュメント化

注意点
.議決の場が総会、個々の役員会は総会にむけた議題を整理する単なるミーティングの場と意味付けしてしまう?(現状役員のみで議決まで行ってしまっているので)
・会長の権限を抑制するためのしくみが必要(議長=会長は採決には加わらないW3C方式の採用?)
・会則の草案作成のプロセスと、草案を本案にする流れをわかりやすく説明する必要あり
・施行後の会則および運用プロセスの再改訂手順を明確化(会則に含める。必要な修正とそうでない修正を分ける方法)

けねん
・会則が小難しくなるのはしかたがないが、マニュアルが平易でないと理解の妨げになる
・草案の策定でコケる可能性もある
・会則であっても可能な限り情報量を減らし、読みやすくしないと実用性が下がる
・作業に着手しているうち、矢野がなんか自分は偉い人のように酔いしれてきて調子にのり、気付かないうちに態度の端々に上から目線が入るようになって、会員から不信感を抱かれる可能性も。突っ込み担当は早い段階でお願いする必要あり

これまで得たこと
・もめたおかげで問題点の洗い出しができた。もし今もめて大変な思いをしているという方。もめ事は関係者のスタンスを把握して、問題を見極めるために必要な過程と前向きに捉えていただきたい。もつれたときはやりとりを停止して冷却期間を置いてみてください。ラブ&ピース&ロックンロール
・矢野も先方の状況に対する想像力が欠けてた点おおいにあり。器が小さいですな。ごめんなさい

備考
家人より、関係者がエントリを閲覧した場合問題が大きくなる可能性があるので削除したほうがよいのでは?という意見ももらったが、同じような件で解決策を求めて情報収集している人がこの広いネット界にも居るかもしれず、そうしたユーザーにとっては当事者である自分自身のリアルな心情はなんらかの参考になるかもしれない。という楽観的な気持ちがあって削除はしないことにした。ただし本エントリとセットで読んでもらえないとオチが着かないので、先のエントリにはこのエントリへのリンクを設定することにした。

2009/05/28

本:Google Androidアプリケーション開発入門


でました!(見本が)
Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容 (単行本(ソフトカバー))
木南 英夫 (著)
価格: ¥ 3,150

いつのまにか、安生さん翻訳の書籍とおそろいのジャケになってる!
おなじバンドメンバーみたい!バンド名「泥伊豆」で、どう?
本書籍は矢野も手伝いました。コイツを作ってます。



ぜんぜん手伝いになってないっすね。
とにかく、ものすごく分かりやすい書籍です。なにから先にやったらいいかわからないという方、これからです。

2009/05/27

レポート:リアルで炎上

家が燃えたわけではなく、地域コミュニティが炎上してます。
2009:5.29:追記ーその後の問題解決に関する方向性
いわゆる保護者で形成する会なんですが、なかなか一部の会員さんと建設的なやりとりができません。
細かい話はぶっ飛ばしてかいつまむと

先方
・今期総会は不成立なので再開催を要求する

矢野
・総会の成立条件が会則に記載されていないので再開催はしない

この2つの主張が摩擦になって先方が炎上。お祭り会場は駐車場脇。一部会員のパケット通信量も増加。という図式です。

どんな会にも総会というみんなで集まるイベントがつきものですが、この総会がつつがなく終了したあとにどういうわけか、欠席者(委任状あり)から唐突に上記の要求がきました。
再開催請求の理由がよくわからないので参加人数の最低ラインなんかに縛りがあるのかなー、と思い、「会則」という資料を確認したところ、本件に関する記載がありませんでした。
ということで要求の回答が上記だったのですが、問題は一部の会員が

・会則の存在意義がわからない

の1点に尽きます。
レギュレーションであります。運用規約であります。
単にお祭りが好きな人なのかもしれませんが、もう、会則があって、そこに総会についての記述が無い以上、問題なく終了した総会を再度開催し、他の会員に負担を強いるわけにはいきません。現状言えることとしたら、今後は会則の不備を修正する作業に着手することを検討課題として云々カンヌンです。慣習的に採用してきた土着の承認方法とかがもしかしたらあるのかもしれませんが、当方3年くらい前に転入してきた外来種なのでそれもわかりません。

このような「言葉が通じない現状」
というのは、じつは母親が中心となって形成するコミュニティにはあたりまえに生じる可能性があります。
だってわからんもんはわからんですから。とくに社会との関わり方に大きな個人差があるお母さんたちではしかたのないことです。さらに、地域コミュニティには明文化されていないドメスティックなルールというものがしばしば存在し、それを保全することそのものがアイデンティティになってしまうお母さんもいます。
でも、コミュニティは存在し、バラエティに富んだメンバーが居る。ときおり発生する問題は処理しなければならないのです。

こんなときの対処方法として適切なのはどういった態度なのでしょうか。

・炎上したブログに習ってコミュニティを閉鎖
・スルーして時が経つのを待つ
・一緒にお祭りを盛り上げる

並べてみるとやはり今のところは2番目しか選択肢がないように思えますね。

2009/5/28 修正:あれからすこし考えましたが、お祭りが好きな人などそんなにいないです。好きだからでなく、参加せざるをえない状況に、長い年月をかけてはまっていく。という事情はあるようです。
普通に外交してたらなんかしらんけど戦争することになった。というような、外から見るととっぴでも、ばらせばそれなりにターニングポイントがみいだせるような状況かもしれません。

2009/05/15

エンターテインメント:AKB48

6月4日発売の「日経エンタテインメント!」はアイドル特集です。
矢野はAKB48担当させていただいてます。
今日は前田敦子様、小嶋陽菜にゃん、大島優子さん、高橋みなみ氏の4名で座談会しました。
いやー。今日まで母さん誤解してました。
これまでAKB48のことを、マニア受けするしろうとの寄せ集めだと思ってました。
ファンのみなさま、ならびにメンバーのみなさま、申し訳ありませんでした。
全然違いました。
美しきマッチョなエンターテイナーでした。
続きは6月4日のエンタ!で!!!
彼らはすげーっす。おたのしみに!!

Web:googleブック、見えすぎちゃって

連休明けの資料整理中、ふとGoogle ブック検索著作権集団訴訟和解のための和解管理をちゃんと認識しておこうと思い立ち、既存の著作物の公開状況についてみてみました。
我が著作物は現在表紙のプレビューのみで内容は公開されていませんでした。
しかし、よく知っている人のとある売れ筋著作物が公開されていたので確認したところ、その公開範囲がおもいのほか広いことにびっくり。
ところで矢野は某出版社から今後はまとめて削除依頼をする方向である旨、連絡を受けているのですが、その理由は
・googleがデジタル化したことについて支払うとしている対価の支払い方法を明確にしないままでいること
・googleが予定している著作物を利用した商用サービスの利用は米国内に限定されることを予定していること
・著作物を一部表示するサービスから得られる情報により読者が満足してしまい、のこりの部分が目に触れなくなるおそれがあること
などが中心です。
で、上の2点についてはたしかに問題があるのですが一番わかりやすい最後の点について、自分自身1ユーザーとして公開されている範囲で満足できるかどうか。これをチェックポイントとし、その売れ筋書籍の中身をgoogleブックで読んでみました。

結果は、微妙に満足するかも・・。

ウェブ制作の技術書なんですけど、トラブルシューティングとか結構おいしいところがまとめてみれてしまう。
自分の書籍もそうですけど、見開き完結でコンパクトにノウハウを解説しきっている構成なので、プレビューだからといって理解が中途半端に終わってしまうということがないのです。だから、プロモーションになるというよりは、ふつうに使えちゃう。というかんじ。どうだろうなあー。これはギリギリアウトではないかと。
また、レイアウト的にゆったりしていて本文文字サイズも大きいし、図版もみやすいから画面で普通に読めちゃうし。
で、サイトをみてもたしかに対価の支払い方法は不明確で、よくわかりませんでした。
きになるかたは
書籍および挿入物を検索して権利の申し立てを行うためのツール
http://www.googlebooksettlement.com/
などでもろもろ確認してみるとよいですよ。

2009/04/27

エンターテイメント:R2C2ゲネプロ(ネタバレなし)

昨夜は「大パルコ人 メカロックオペラ R2C2」の公開通し稽古(ゲネプロ)を鑑賞。
宮藤官九郎演出、脚本作品。という前知識程度しかない状態でパルコ劇場へ。
ロックオペラでした。
これは公式サイトにもそう書いてあるんでネタバレではありません(最初正式なタイトルさえよく知らなかったのでロックオペラであることすらしりませんでした)。
ドリアン助川の金髪先生とか通しで見てた人は「ああ、あれな。」という程度の、ちょうどいいレベルとボリューム感でロックの小ネタが詰まってます。みうらじゅんの著作物などを参考にしてもいいですね。
かなり真摯にロックというモチーフに取組んだ作品なんだと思うのですが、大人計画のファンと音楽(ロック)ファンは、クロスする個所があるのでしょうか?演劇界に詳しくない状態で言ってますが、基本的にロックオペラってロック好きが見るものですよね。
なんでこんなことを考えるのかというと、ゲネプロ見て音楽好きも見に来るとけっこう面白い内容ではないかなあ。と感じつつも、演劇ってパプリシティが出るころには実質「終わってる」表現形式だとも痛感したわけですよ。コンシューマーにとっては。つまり、日頃音楽コミュニティにいる人間が「へーこんな芝居があるんだ」と気付いた頃にはチケットが取れない。
ずーっと大人計画なり、芝居なりのコミュニティに属してないと、おいそれと鑑賞できないわけです。今回、そのコミュニティに属していてもチケット取れなかった人もいると聞きます。また、音楽と違って芝居ってパッケージ化してからの再現性が著しく低い表現じゃないですか。だから見るしかないけどもう遅いと。
多分これは制作側も承知の上で、音楽的要素と演劇的要素のバランス配分などをはじめ、いろいろ細かい調整があったろうと推察します。
それはさておき、私は、ある秘密を知ってしまいましたよ。

宮藤官九郎は、ギターがうまかった。

「役者としては」というエクスキューズを外してもいいんじゃないかなと。
観賞後スタッフの人に宮藤さん、ギターうまいねと言ってみたら「あたりまえじゃないですか〜グループ魂ってバンドやってますから〜、知らないんスか〜」と空気読めない間抜け豚野郎的な扱いを受けた私ですが、メジャーデビューしてる=ギターうまいとは厳密な意味で、限りません。
あのギターの上手さは今後の宮藤官九郎にとってどう作用するのでしょう。
というか、あれを今後どうしたいのか、知りたいです。
そもそも楽曲がクソならロックオペラとして体裁が整いませんから、演出家として命がけで演奏力に磨きをかけたのかもしれませんが。
アコースティックが特によかった。
芝居に関しては過去の宮藤作品を見た経験がなく差分が取れないのでよくわかりませんが、宮藤は立派なギタリストである。ということを確認した次第です。
宮藤がギターと芝居の流れのバランスをどう取るか。ここはチケットが取れた方、しかと見届けて下さい。また、音楽に流されない片桐はいりの岩のような演技も必見です。あ、ロックつながりですね。
今日から本番です。

2009/04/24

広告:タレントの起用自体見直せばよいのでは?

草なぎ剛がブリトニースピアーズ並のスタンスで(メディアに)露出していますが、一番気になるのは彼の持っていたストレスの内容以上に、鳩山邦夫総務大臣の発言です。「絶対許さない。最低の人間だ」ってまっこうから100%の責任をタレントにおっつける人もお得意さんとして珍しいのではないでしょうか。
どこの広告主も、広告にタレントを起用する際の効果とそのリスクはセットで認識しているはず。契約期間中の不祥事によって内容を差し替えるはめになった広告主は山ほどいるわけですが、ここまで自分らで起用しておいたタレントを手放しで罵倒する人もいないでしょう。だって自分らで起用したのですから、自分らのほうにも責任があるわけですよ。一般的には「大変残念」とか「遺憾」が妥当です。

ところで中央省庁関係では2004年江角マキコが年金啓蒙CMに起用されるも国民年金未納機関があったことで6億円を投じたというキャンペーンが頓挫した件も記憶に新しいですね。そして福田官房長官(当時)のコメントといえば「面白いというか、ちょっと間が抜けたような気がする」。と100%他人事というか、あろうことかおもしろがってましたね。鳩山大臣とはまた違った方向で責任転嫁してます。そしてだれもそこから学ばなかったと。
とにかく中央省庁は関連CMにタレントを起用するのはもうやめたらどうでしょうね。

2009/04/16

レポート:陣痛、分娩(出産)の痛みを文章化してみる

鼻からスイカが出るような。とよく言われる陣痛、分娩の痛みの解説を試みます。
まず、鼻の穴を押し広げてみてください。痛いですね。しかしこの痛みは皮膚にかかる負荷の痛みであって、鼻や顔など上位の部位に波及しない痛みです。
というわけでこれは分娩の痛みを表せません。
分娩の痛みの中心は子宮口と呼ばれる部分を中心に広い範囲で展開します。子宮口は膣の終点で、高さ位置は尾てい骨のあたり、深さは体の中心あたりです。
ここが次第に開いて行く際感じるのが陣痛です。鼻スイカを想像していた方は、おそらく膣そのものがぐわっと広がるのが痛いのではないか?と考えていたと思いますが、子が膣に到達する頃は脳で何か出るのでそのあたりの痛みはほとんど感じません。その程度は麻酔なしで膣の下から肛門までの部位をメスでスカっと切られても何も感じないほどです。痛いのは、腰周辺の中身です。痛みの段階をレベルに分けて解説しましょう。

レベル1:陣痛スタート
この頃は「おなかを壊したかも?」という程度の痛み。胃の周辺から下っ腹にかけて違和感を感じる。子が中でぐるぐる回りだすので陣痛かな?と感じる程度。
断続的な下痢の症状に似ている。「いてー」くらい。

レベル2:子宮口5センチクラス
「いてー」が波を伴って続くようになるので、陣痛であることがわかる。この頃から腰のあたりに注意していると、骨盤がリアルタイムでゆっくり開いて行く様子が感じ取れる。SF映画で地上の要塞からメカが出動する部分の「ひらく」かんじに似ている。ちょっと開いては休み、またちょっと開いては休むという状態。骨に痛点はないので骨そのものに痛みはないが、周囲の筋肉と密接している神経に直撃。非常に痛い。つるはしを持った屈強な人が交互に腰をぶん殴り続けている状況を想像してほしい。男性であっても普通曲がらない方向に体を少しづつまげて矯正されたら痛いと思うが、それを自分の意思でなくやられている状態がこれ。ただ陣痛は骨が開く間は痛いが、それが中断すると夢から覚めたように痛みが消失するのがポイント。一気にやったら死ぬから。という神の配慮はありがたいが、おかげで痛みに慣れるということが出来ず「あれ、終わり?なんじゃーらーうおー。終わり?なんじゃーうらあー」が何時間と続く。まだ中の痛みよりも骨周辺の痛みが中心の時期である。

レベル3:破水→分娩へ
痛みの間隔が5分を切ったくらいで病院へ。クールダウンの時間が減ってきているので辛いのと、痛みの質が変わってきているのでこのあたり分娩行程中ハイクラスの痛みに見舞われる。レベル2では腰回りにわたる広域の痛み&ピンポイント腰壊しの痛みだったものが、レベル3になり子宮口そのものに痛みが集中しはじめる。
この頃子宮口の開き具合は直径5センチ程度。恐らくレベル2までは母体のほうが子を押し出す手伝いをしていた段階だが、レベル3は子が穴を主体的にこじ開けてきてるという雰囲気。こじ開け中の穴の周囲にはまるはだかの神経がぎっしり張り付いていると思われ、穴が拡張されるたびそれが猛烈に刺激されている感じである。
その痛みはレベル2で「うーん」とかいいながらも歯を食いしばっていればやり過ごせる類い。しかしレベル3は本当に「ごっごごごごがー」と声が意思と関係なく出る。テレビドラマで「う〜ん」といいながら分娩台にいる描写があるが、あれはうそ。本当は「ぼえー」とか「うわあああああ」である。また、周囲の音も次第に聞こえなくなってくる。
ここで1つ辛いのは痛いからといって四六時中体をこわばらせることができないこと。というのも子が動くのは痛いときだけであり、一瞬でも陣痛が収まった時はだらっとリラックスしていなければならないのだ。痛みの余韻で腹に力を入れていると筋肉が固くなって子が次のアクションを取りにくくなるかららしい。分娩中だと膣で子を窒息させるおそれもあるため絶叫しても次の瞬間は「力抜け!」と助産婦さんに怒鳴られることに。

継続時間に個人差はあるが、出産の全行程で妊婦を襲う痛みはだいたい前述のとおりである。
筆者は分娩直後から痛みはあっさり引き、子をみて「うおーすごい!なんすかこれ」と軽口を叩けるくらい何事もなかったような状態になったが、その後医者が「胎盤くっついちゃってんなー」とかいって人の子宮(内蔵)にピンセットをつっこんでごりごりこそげとったのさえ「まじすか?アハ。いてー」という程度に感じた次第だ。
レッツ!分娩!

2009/04/15

kirienta:オーガニックコットン

Tシャツの季節。切り絵作家さとうふみえと合同でTシャツを作る事にした。
着心地がよいので日頃オーガニックコットンを愛用しているため、どうせならボディはそれでいこうということで、コストなど調べてみるうちいろいろ勉強になった。
コットン農園はもの凄く農薬が必要なんだそうだ。
ウズベキスタンとかインドとか、比較的土地に余裕のある地域で大量生産する場合、効率化を重視して農薬を大量散布し、綿花を育成する。
育成した綿はコスト軽減を重視して、小銭で動く子供や女に人海戦術で摘み取らせる場合もある。
このようによその国の土地を荒らして子供から教育の機会を奪いながら、薬付けで病気になった農夫の短い一生があるおかげでTシャツ900円とかで買えてるというわけだ。なるほど。
大規模経営でコスト削減。というキャッチフレーズが抽象化している実態は頭に入れておきたいものである。
長い足を生かして安服屋の広告に出てる女性がいるけど、ヒマな時はアフリカの子供がどうとか言って哀れんでたりするがあれは一体なんだろな。あだ名は「美しきマッチポンプ」に決定。

2009/04/13

旅行:沖縄および八重山諸島を巡ってきた件について

先週、沖縄および八重山諸島を巡ってきた件について友人に報告。
「沖縄は、トラウマの島です。」という友人の証言は以下。

本島のリゾートホテルに両親とわたし、3人で滞在しました。
なんでも夕方から民謡ショーがあるというので行ってみたんですね。ちょっと遅くついたものですから席が最前列の中央しかなくて。しょうがないからそこ座ったんです。夫婦の歌い手でした。何曲か沖縄民謡ですか、歌ってました。で、MCに入って「どこから来たんですか?」って。やっぱり最前列ですから、話しかけられるわけですよ。答えたりしてね。で、ご両親ですか?っていうからそうです。ってなにげに言ったらばですね「なるほどそうですか、最後の思い出作りにね」って言うんですよ。何のストーリーかと思いましたけど面倒だから「はあ」って答えてしまったと。
そしたらね、いきなりですよ。客席に向って「皆さん。このお嬢さんはもうじき結婚なさるそうですよ!」と。
そしたらもう割れんばかりの拍手ですよ。いまさら「それはないです」とは言えなかったですよ。30過ぎたら結婚決めんと親と旅行しちゃいけないんすかね。
なんかしらんけど「ありがとうございます」とか頭下げてました。ええ。
そしたらね「じゃあ、ご両親に感謝の気持ちを込めて、歌ってください。涙そうそう。」て。伴奏流れましたから。民謡歌手の真ん中に引っ張りだされてフルコーラスです。涙そうそうって3番まであるって知ってます?全部ですよ。長いんです。もう、いいさらし者ですよ。暖かい拍手の中、親は真っ青です。これもみんな私がふがいないせいで。できりゃしてますよ結婚。どうやったらできますか矢野さん。
あ、ついでに思い出したわ、聞いてくださいよ。こないだ「少年メリケンサック」観に行きました。わざわざカップルの居ない平日の夕方狙って。そしたら座ったとたん、後ろにカップル来るじゃないですか。そしたら女、何て言ったと思います?
「あかな〜い(鼻声で)。」
どこの国の風習ですか?ペットボトルのフタ、男に空けてもらうってのは。
わたしですか?何でも空けられますよ。
空けられないフタなんかないですよ。
いままでひとりでどんなもんでも空けてきましたから。
腹の底から結婚したいんですよ。そんなことを思い出させるんですよ。沖縄は。

なんくる、あるわい・・。

2009/04/01

デザインは新聞を救えるか?

Can design save the newspaper?と題したJacek Utko氏のセッション。
話の内容もさることながら、このTEDのサービスはすごいわ。

2009/03/23

浪花節

「タダでもやる!仕事はお金じゃない!って感覚ってだいじだと思うんだよね。そうやって集まったスタッフってほんと良く働くんだよね。志高いってやつ?」と、ギョーカイ人の友達はよく言います。
わたしは意地が悪いので、そんなことないでしょ。本当に高い志を持ってるなら、気合いだけでうまくできなかったことのリスクを考えるでしょ。と言って笑います。
「あ。そこまで志の高いやつが来ちゃったらまずいでしょ逆に。いろいろ都合悪いし」
ほらあ。結局都合良く使えるヤツをテキトーにだまくらかして集めたいってだけでしょ?ね、ね。「うん。そりゃあ、そうだよ。だって削れるところで削んないとさあ。それにやっぱギョーカイに憧れてるヤツって結構いるし、あなたも夢じゃない!とか言ったら100人くらいすぐ集まるから。」
あんたのそういう正直なところは好きだ。けどね。感謝の気持ちが足りないよ。
「感謝はしてるよ。あ、今、ライターとか欲しいなあ。企画書作るのとか面倒だからさあ。そういうのやらせたいなあ」面倒なだけかよひでえなあ。
「でも才能ないヤツは都合だけで使ってもらってありがたいって思ったほうが良くない?それにやる気があればいつか芽が出るんじゃないの?」いやー。あんたに言われると腹たつなあ。でもシステムに問題がある以上、やる気だけでなんとかなるってのは、ないね。
「システムの問題?システムの話じゃないでしょ。やる気の話でしょ。」いやーだからそれはそっちの都合でしょ。「誰にでも都合はあるでしょ」あるけどさ。
「仕組みの問題にするのはよくないよ。そういうの、逃げじゃない?」逃げじゃないよ判断だよ。「夢がないなあ」無いかね。「夢とか理想を追う勇気持ったほうがいいよ。クリエーティブマインドってそこでしょ」そこかなあ。じゃあそのマインドを有効活用できるようにしっかりした出口を作るべきじゃないの?夢を追う我々にさ。「やだよめんどくさいよ。こっちの都合も考えてよ。こうみえてすでにかなり忙しいんだから」
そういって深いため息をつく友達の姿はたしかに去年より小じわも増えてる。じゃあ、今日はゆっくり風呂にでもつかってしっかり休んでまた明日からがんばろうね。
「うん。ありがとうそうするわ。」

2009/03/10

CSS Nite福島おつかれさまでした!!

CSS Nite福島おつかれさまでした!!
エントリ遅くなりましたが、さる2009年3月7日、CSS Nite福島に参加しました。
なんと参加人数120名越えということで、会場はもの凄いにぎわいでした。
矢野も今回は・・
原さんのデザイントレンドチェックでサイトデザインの「いま」を効率的に把握し、
鷹野さんのFireworks徹底活用法で「そこまでできるか」と驚き
國分さんのjQuery解説で「そんなことができるか」と感心した次第です。
そして懇親会では福島のみりょくてきな女性たちとセックスアンドザシティ風に「働く女って大変なのよね・・」と熱いトーク。すっかり酔っぱらって帰りはホテルと逆方向へ。おかげで郡山の駅前の状況が把握できました!
はたらくじょせい、大変なんだよ!!
もう、ケツの不思議な一部がぶるぶるケイレンするくらい一日中うろうろしっぱなしですわ!
たまに子連れで打ち上げなんぞ参加しようもんならうっかり飲み過ぎ、息子は見失うわ、しまいに交番におるわ、警察ざたですわ!
おれは長嶋茂雄か!!
ぎゃーっ!!
というような日々を同じように送っている(で、あろう)素晴らしい福島の女性のあたたかいサポートで大成功を収めたCSS Nite福島。みなさま本当におつかれさまでした!まじでみなさんすばらしい!あ、男性をほめ忘れましたが、男性も真心あふれたナイスガイどもでしたよ!
またお会いしましょう!




郡山駅のなかの、大変おいしい蕎麦屋「湖穂里(こおり)」





郡山名物、ふえイス

2009/03/05

くだらんアニメはゆるさん



先日わたしが料理している最中、子供が見ていたアニメの話で
「壊滅した村を再建しよう」というシーンがあった。主人公はそれが自分に可能かどうか思い悩んでいる。
「ぼく、小学校のときプラモデルを作って学校に持って行ったら友達に壊されたんだ。でも、○○っていう女の子があきらめないで、もう一度作り直せばいいって励ましてくれたんだ。そのことをおもいだすと、村もまた作れるって思うんだ。ぼく、やるよ!村をふっかつさせてみせる!」
という趣旨の話をし始めて立ち直っていた。
そこまで聞いて
おい、息子よ。村とプラモは違う。そんなくだらんテレビは見るな。ドラゴンドライブ、視聴禁止。と言い渡し、電源オフに。
「ママさー。漫画なんだからいいじゃん。ぜんぶウソなんだしさ。」
ママはおかしな理屈を披露する人が嫌いなんだよ。プラモが直せたら村を再建できるってのはおかしいだろう。おかしいとはおもわんか。
「おかしいね。」
だろう。くだらん。ゆるさん。
ということになった。
ドラゴンドライブはそもそも「ドラゴンを使っての戦い」やら「村の再建」はアニメ内ゲームの話であって「ぜんぶうそです」という前提があるらしいがそれにしたってくだらん。
そもそも息子よ。お前の見ているアニメの主人公は大声出してるだけの人が多くないか?
「大声?それはね、ママ、技だよ」
技ってのは体を鍛えてくりだすもんだろう。そんな技ならママでもできるぞ。
「やってよ」
スクリーンセイバーァァァァ!!!どうだ。技だぞ。
「うるさいな。どんな技?」
パソコンのディスプレーを焼き付き現象から守るんだよ。
マックワールドエキスポォオオオオゥ!!
「なにそれ」
サンフランシスコに人が集まるんだよ。
「集まるの?」
うそだよ。叫んだだけで人が集まるわけないだろ。声で集まりゃ代理店は要らない。多角的な宣伝活動と肉体的な努力が不可欠だ。
「はあ?」
というような話をしたのだった。
元ネタがゲームのアニメはいかんせん「叫んでるだけ」で肉体的な鍛錬を度外視してるわりに誰が強いか意味も分からず決まるという設定になりがち。子供が勘違いするのでぜひアニメ化の際は筋トレ、走り込みなど鍛錬のシーンを無理にでも入れてほしい。いや、正直できれば見せたくない。ポケモンでさえ、あいつら(ポケモントレーナー)なんにもしてねーじゃん!叫びながら玉投げつけてるだけじゃん!と思う。
もっと「トレーニング中、うっかりピカチュウに噛まれて血だらけに。」とか、「ポッチャマをポケモンボールに押し込むのに必要な腕力を鍛えるシーン」とか、入れてほしい。

2009/03/03

毒蝮Androidの会

異なる話題を1つに集約したら不思議な見出しになりました。
マルエツでは10:30から毒蝮三太夫のミュージックプレゼントを店内で流しています。さっきその時間に来店したところ
「今日は花祭りだぜ。明かりをつけましょぼんぼりに〜。お花をあげましょ亡くなった人に〜。おい、おひな様出したか!何?うちは男の子だから?だからなんなんだよ!出せよ!うちはもう出したぞ。70段飾り。なんちゃってな!」と言ってました。
毒蝮、健在です。

話変わって昨夜はAndroidの会UI検討座談会でした。
恐縮ながら息子連れでお邪魔。息子はずっとレゴをやりながらおやつを食らっていました。帰りしな「あのおじちゃんたち、何?」といぶかしがります。
あのおじちゃんたちはただの箱を電話にしちゃったりする魔法使いだよ。機械とお話ができるし、なんでもつくっちゃうんだよ。と適当に説明したら「じゃあぼくも魔法使いだね。レゴでなんでも作れるからね。」というので、いやーあのおじちゃんたちならその車にエンジンつけて走らせるね。しかもリモコンでうごかせるやつにしちゃうね。とだめ押し。
「すげえ。どうやったらそんなふうになれるの?」というので、うーん。べんきょうすればなれるんじゃないの?こんどの魔法使いの集会でも会えると良いね。
といったらしんこくな顔になっていましたよ。

2009/02/27

産経新聞がiPhoneでフリーペーパーに

ザ・広告モデルの経営方針で、フジテレビのロケ弁が1200円クラスから500円クラスに急落するほど窮地に追い込まれているフジ・メディア・ホールディングスの関連会社、産經新聞がiPhone限定で全紙まるごと無料配信をはじめましたね。
矢野はこの展開がまったく理解できないのですが、以下のような想像はどこまで当たっているのか興味あります。

矢野が想像した今回フリーペーパー化に踏み切った理由の一部

・iPhoneは国内においてたいして普及しているプラットフォームでもないわりに、やたら話題性はあると判断。とりあえずここに宣伝がてら無料版をほうりこんでおいて存在感を示してみよう

・とりあえずiPhone端末でやってみて反響の内容を調査、その後産經新聞の電子版は広告モデル中心の無料コンテンツとして展開してしまおう

前者が妥当な理由ではないかと考えますね。
後者はありえません。それはもう新聞ではなくなって、ホットペッパーとかサンケイリビング新聞みたいな広告媒体になってしまいますもの。ちなみにサンケイリビングは新聞と名前が付いていますが、あれは大手広告代理店のD社というところが人を出して作っています。
広告主にお金をもらって報道するというのは、それこそ地上波テレビの夕方の番組のように面白おかしく聴衆の興味をひきつつ、広告主に配慮しながら、ためになることもたまにやったりして、ニュースっぽいことをたまに流す。という状態が必要です。
そんな新聞社に入社したら最後、広告主に配慮する。というやり方でしか記事が書けないへんな記者として育ってしまうでしょう。
「今の新聞だって妥当性の低い内容が含まれている場合もあるじゃないか」
と、考える人は最近少なくないですし、そもそも広告のために発行部数を水増ししているような懸念のある新聞社もいるという噂もあるくらいです。ですが、読者からお金を頂戴して作る。という投げ銭モデルを前提としなければ「ニュースを配信する」立場には立てません。広告モデルだけに頼るメディアは新聞と呼べず、フリーペーパーに分類すべきでしょう。
「それでも内容が良ければいいのでは」
といってもそれは無理です。内容は広告主が決めるようになるのですし、宣伝文句を記事化した内容にせざるを得ません。
まあ、新聞ただで読もうと思ったらホテルのロビー行くとか図書館行くとか方法はありますけどね。
でもこの判断は不思議。「唯一の商材をタダで配る」という判断に至った勝算が見えにくいというのが。いっかいどっかでタダにしたもんをまた有償にするってことのコンテンツビジネスの難しさとか、フジテレビの背中を見ててもわからないのかね?
めんめ〜。

2009/02/19

一時キャッシュは老朽化するもCPUは大丈夫

うちのばあちゃんは今年で105歳であります。

一人でしゃきしゃき動く事はできませんが、車いすがあれば自力で移動可能です。
年寄りは皮膚に弾力がないので、腕とか手のひらなど皮の薄い部分を急に強くつかんだりすると皮が簡単にさけてしまいます。
いわゆる花山薫の「握撃」状態です。
しょっちゅう割けてしまってはかわいそうですから、現在は、扱いのプロに任せるため介護施設におります。
ばあちゃんは会いに行くと「あらー。あんた、ひさしぶりだねえ」と言います。
私の髪型を見て笑いながら「そんな頭して、誰にも怒られないのかい?」とも言います。息子は誰に預けてきた?とか、旦那さんは元気か?とかはしょっちゅう訊ねてくることです。
で、私が一瞬トイレに行きます。
そして戻ります。すると「あらー。あんた、ひさしぶりだねえ」と言います。
で、また再度、息子は誰に預けてきたのか訊ねるのです。
つまり、新規イベントの場合、10分くらいの間しか記憶がプールできません。
たとえ席を外さなくても首の角度を変えただけで巻き戻されることもあります。
いわゆるクリストファー・ノーランの「メメント」状態です。
でも、昔のことはよく憶えています。
子供だった私をつれてどこぞの老人クラブへ行ったときのことがどうしたとか。
だいたい頭の中は25年くらい前で止まっているようです。
では、これが「ぼけ」なのかというと、そうでもない。
例えば「私も今年で105歳・・」とつぶやくこともありますし、
ばあちゃん得意の「賄いさんに100円あげないと待遇が悪くなるから今すぐ配布を」という妄想劇場が始まったときなどは「ひとり100円なら100人で一万円はいるね。」といった計算もできるのです。
おもしろがって「では、一人150円では?」などとタスクを変更しても「1万5000円に決まっているだろ」と瞬時に返されます。
髪の毛も薄くなり、動いていないと即神仏にみえなくもないばあちゃんですが、CPUはまだまだ現役。といったところでしょうか。
このごろでは奇麗なハンカチや洋服など「もの」に対する興味が完全になくなったようです。ジュースとか、食べ物はまだほしがることもあります。そうそう、お金に対する執着はすごい。昔より今の方がずっとあるくらいですね。

「ばあちゃんさあ。105歳っていうより築105年って感じだよね。もう建築だね」といってやったら「そうだねえ。もうそろそろ死んでもいいんだけど、なかなか死なないよねー」と言って、笑っていました。

2009/02/10

日本Androidの会の勉強会

2009年2月9日、日本Androidの会の勉強会で登壇させていただきました。
今回の登壇者はジャーナリストの林信行さんと矢野。林さんはiPhoneマーケットの広がり具合の報告とアプリのトレンドを解説。矢野はデザイン畑の人間が考えた携帯アプリのアイデアを提案しました。
iPhoneは発売以来たったの1機種で全世界のケータイシェア約1%を占めるまで市場を広げているという話。1%といっても世界規模で、他のメーカが数機種を投入していることに比較すると相対的に凄いぜ。というあたりが「世界市場」をリアルに考えるための示唆になりました。
思えば、現代のPC上で動作するUIデザインはAppleが祖であります。
AppleがPCを文房具にしてからまだたったの26年。
机規模の道具が筆箱並みになり、「マウスって何?」といつ言われてもおかしくないね。この流れもAppleが牽引してきたことだというのは、ラップトップからクリックボタンを取っ払ったMac bookを見ても明かでしょう。
26年間ずーっとinteraction designのお手本を作り続けてきたApple。みんなのネタ元であり続けてきたApple。「ボーカル担当」が変わったらさすがに音楽性変わるかもしれませんね。WaltのいないDisneyは、それこそボーカル担当、Jobs将軍の興したキャラたちという新メンバーで強化されたがAppleはどうなるのだろう。
いや、Appleは大丈夫だとしてもAppleのマネをすることで走りまくってきた国内のinteraction design業界はどうなんねん。ということを考えなければならん時に来ておるのです。

2009/02/05

デブは誰だ!

それはお前だ!
ということで、

2009年2月12日(木)と13日(金)の2日間、目黒雅叙園で
「Developers Summit 2009」開催です。

12日木曜日、17:40から~19:10までのコマで矢野がパネルに出ます。矢野は進行の都合上客席側に普通に座ります!皆さん惜しみなくデモやらまだひみつのアレなどを見せてくれる予定!!
デブだけがまんまと世界デビューするつもりのように読める解説文ですが、無論アプリに顔は必要です。デザイナもふるってご参加ください。マネタイズのお話なんかもあるようなので、みんなの手の内がわかりますよ。そしてOpenSocialで新しい仕事を作ってやろうではありませんか。

【17:40から~19:10まで】【12-B-7】
OpenSocialパネルディスカッション 2009年、OpenSocial普及元年に「これから」を大予言

お茶の間から世界へ、そんなことがソフトウェア開発の現場でも実現する時代が来ました。今まで、世界で使われるソフトウェアを作るために必要だった前提条件が、OpenSocialが世の中に広がっていくことで、個人や中小のソフトハウスでも、いきなり世界デビューが可能です。 そんな夢のようなプラットフォームを自由に乗りこなすために、何の前提条件が必要か、コンテナベンダ、デベロッパー、それぞれの立場の有識者に、語っていただきます。

株式会社リクルート メディアテクノロジーラボ チーフアーキテクト / Shibuya.js
川崎有亮

株式会社グルージェント 開発部 / Google API Expert (OpenSocial)
田中洋一郎

Google Developer Relations Developer Advocates
石原直樹

株式会社ミクシィ 技術顧問
小山浩之

NTTレゾナント株式会社 / Google API Expert (OpenSocial) / SocialWeb Japan 主催
北村英志

矢野りん

株式会社あゆた 取締役
白石俊平

以上。

頭の中が文字列でいっぱいの、吐く息までテキストくさいデブどもにまけないようがんばります。お前ら全員エンコードしてやる!!
あ、タイトルをイメージした時、「なんつったかな、あの、Jakob Nielsen?」とおもっちゃったがAl Yankovicの間違いでした。

2009/01/22

丸山不二夫先生



JEITA情報システム技術シンポジウム2009に参加。
矢野はコンテンツ・マネージメント技術分科会の客員で、今年丸山先生の前座で一席もたせていただいた。
丸山先生は日本Androidの会会長、早稲田大学大学院の客員教授でいらっしゃるJAVAのカリスマ。

シンポジウムの講演で「衰退する日本をまた盛り上げるためには日の丸クラウドを作ることも1つの手」と述べられた。で終了後の懇親会

矢野:先生ー。日の丸クラウドってどうやったら実現するんですか?
丸山先生:お金がいるねー。
矢野:かなり?
丸山先生:難しいねー。実際。
矢野:じゃあもしかして、日本かなりやばいですかね。
丸山先生:ははははははは
矢野:ぼーん。
丸山先生:あ。
矢野:何何何
丸山先生:定額給付金に使うお金をぜんぶまわせばなんとかなるかも。
矢野:遅いですね。
丸山先生:ははははははは

いやー。
60年代をリアルタイムで経た技術者はそうとうロックンロールだわ。
それにしても丸山先生、凄いシルキーバリトンボイスの持ち主。中尾彬を清々しくしたかんじ。
アンドロイドダンディ、おそるべし。

2009/01/16

年明け、足寄より

すっかり年も明け切ってしまいました。
宣伝です。2009年1月24日より映画「旅立ち~足寄より~」の上映が首都圏でも始まります。
「旅立ち~足寄より~」公式サイト
北海道では昨年から先行上映していました。
アクション映画に飽きた方、たまには冒険して劇場に足を運んでくださいませ。
矢野は北海道足寄町生まれでして、この映画を観るのをひそかに楽しみにしています。
子供のころ、千春の家の前で遊んでいると、千春の姪っ子のH君がごっついジープのリモコンカーを持って家から出てきました。あまりのうらやましさに「貸してくれ」と頭を下げた記憶があります。
バレンタインデーの時期には家に押し掛けて「チョコをくれ」と頼んだ記憶もあります。松山家のじーさん(千春のお父さん)が「好きなだけもってけ〜」と言ってくれたものです。いやー。なんまらずーずーしーねー。
松山家の裏にはわりと最近(といっても25年前とかだが)まで、映画にも出てくるあの木造建築が建ってたような記憶があるなあ。裏の庭のようなところにでっかくて黒い馬がつないであったような気がするんだが記憶違いかしら。
映画のワンシーンに出てくる足寄神社、なつかしー。神社の左手をずっと上って行くと私が住んでた家と、その裏っかわに里美が丘公園っちゅう場所があって。
そこの原っぱでカツゲン飲んでたな。噴水の水で冷やしながら。
カツゲン。多分道産子の方しかしらないでしょうが、北海道のマミーと考えてください。昔はちっこい牛乳瓶みたいなのに入ってました。
復刻しないかなー。