2009/04/27

エンターテイメント:R2C2ゲネプロ(ネタバレなし)

昨夜は「大パルコ人 メカロックオペラ R2C2」の公開通し稽古(ゲネプロ)を鑑賞。
宮藤官九郎演出、脚本作品。という前知識程度しかない状態でパルコ劇場へ。
ロックオペラでした。
これは公式サイトにもそう書いてあるんでネタバレではありません(最初正式なタイトルさえよく知らなかったのでロックオペラであることすらしりませんでした)。
ドリアン助川の金髪先生とか通しで見てた人は「ああ、あれな。」という程度の、ちょうどいいレベルとボリューム感でロックの小ネタが詰まってます。みうらじゅんの著作物などを参考にしてもいいですね。
かなり真摯にロックというモチーフに取組んだ作品なんだと思うのですが、大人計画のファンと音楽(ロック)ファンは、クロスする個所があるのでしょうか?演劇界に詳しくない状態で言ってますが、基本的にロックオペラってロック好きが見るものですよね。
なんでこんなことを考えるのかというと、ゲネプロ見て音楽好きも見に来るとけっこう面白い内容ではないかなあ。と感じつつも、演劇ってパプリシティが出るころには実質「終わってる」表現形式だとも痛感したわけですよ。コンシューマーにとっては。つまり、日頃音楽コミュニティにいる人間が「へーこんな芝居があるんだ」と気付いた頃にはチケットが取れない。
ずーっと大人計画なり、芝居なりのコミュニティに属してないと、おいそれと鑑賞できないわけです。今回、そのコミュニティに属していてもチケット取れなかった人もいると聞きます。また、音楽と違って芝居ってパッケージ化してからの再現性が著しく低い表現じゃないですか。だから見るしかないけどもう遅いと。
多分これは制作側も承知の上で、音楽的要素と演劇的要素のバランス配分などをはじめ、いろいろ細かい調整があったろうと推察します。
それはさておき、私は、ある秘密を知ってしまいましたよ。

宮藤官九郎は、ギターがうまかった。

「役者としては」というエクスキューズを外してもいいんじゃないかなと。
観賞後スタッフの人に宮藤さん、ギターうまいねと言ってみたら「あたりまえじゃないですか〜グループ魂ってバンドやってますから〜、知らないんスか〜」と空気読めない間抜け豚野郎的な扱いを受けた私ですが、メジャーデビューしてる=ギターうまいとは厳密な意味で、限りません。
あのギターの上手さは今後の宮藤官九郎にとってどう作用するのでしょう。
というか、あれを今後どうしたいのか、知りたいです。
そもそも楽曲がクソならロックオペラとして体裁が整いませんから、演出家として命がけで演奏力に磨きをかけたのかもしれませんが。
アコースティックが特によかった。
芝居に関しては過去の宮藤作品を見た経験がなく差分が取れないのでよくわかりませんが、宮藤は立派なギタリストである。ということを確認した次第です。
宮藤がギターと芝居の流れのバランスをどう取るか。ここはチケットが取れた方、しかと見届けて下さい。また、音楽に流されない片桐はいりの岩のような演技も必見です。あ、ロックつながりですね。
今日から本番です。

2009/04/24

広告:タレントの起用自体見直せばよいのでは?

草なぎ剛がブリトニースピアーズ並のスタンスで(メディアに)露出していますが、一番気になるのは彼の持っていたストレスの内容以上に、鳩山邦夫総務大臣の発言です。「絶対許さない。最低の人間だ」ってまっこうから100%の責任をタレントにおっつける人もお得意さんとして珍しいのではないでしょうか。
どこの広告主も、広告にタレントを起用する際の効果とそのリスクはセットで認識しているはず。契約期間中の不祥事によって内容を差し替えるはめになった広告主は山ほどいるわけですが、ここまで自分らで起用しておいたタレントを手放しで罵倒する人もいないでしょう。だって自分らで起用したのですから、自分らのほうにも責任があるわけですよ。一般的には「大変残念」とか「遺憾」が妥当です。

ところで中央省庁関係では2004年江角マキコが年金啓蒙CMに起用されるも国民年金未納機関があったことで6億円を投じたというキャンペーンが頓挫した件も記憶に新しいですね。そして福田官房長官(当時)のコメントといえば「面白いというか、ちょっと間が抜けたような気がする」。と100%他人事というか、あろうことかおもしろがってましたね。鳩山大臣とはまた違った方向で責任転嫁してます。そしてだれもそこから学ばなかったと。
とにかく中央省庁は関連CMにタレントを起用するのはもうやめたらどうでしょうね。

2009/04/16

レポート:陣痛、分娩(出産)の痛みを文章化してみる

鼻からスイカが出るような。とよく言われる陣痛、分娩の痛みの解説を試みます。
まず、鼻の穴を押し広げてみてください。痛いですね。しかしこの痛みは皮膚にかかる負荷の痛みであって、鼻や顔など上位の部位に波及しない痛みです。
というわけでこれは分娩の痛みを表せません。
分娩の痛みの中心は子宮口と呼ばれる部分を中心に広い範囲で展開します。子宮口は膣の終点で、高さ位置は尾てい骨のあたり、深さは体の中心あたりです。
ここが次第に開いて行く際感じるのが陣痛です。鼻スイカを想像していた方は、おそらく膣そのものがぐわっと広がるのが痛いのではないか?と考えていたと思いますが、子が膣に到達する頃は脳で何か出るのでそのあたりの痛みはほとんど感じません。その程度は麻酔なしで膣の下から肛門までの部位をメスでスカっと切られても何も感じないほどです。痛いのは、腰周辺の中身です。痛みの段階をレベルに分けて解説しましょう。

レベル1:陣痛スタート
この頃は「おなかを壊したかも?」という程度の痛み。胃の周辺から下っ腹にかけて違和感を感じる。子が中でぐるぐる回りだすので陣痛かな?と感じる程度。
断続的な下痢の症状に似ている。「いてー」くらい。

レベル2:子宮口5センチクラス
「いてー」が波を伴って続くようになるので、陣痛であることがわかる。この頃から腰のあたりに注意していると、骨盤がリアルタイムでゆっくり開いて行く様子が感じ取れる。SF映画で地上の要塞からメカが出動する部分の「ひらく」かんじに似ている。ちょっと開いては休み、またちょっと開いては休むという状態。骨に痛点はないので骨そのものに痛みはないが、周囲の筋肉と密接している神経に直撃。非常に痛い。つるはしを持った屈強な人が交互に腰をぶん殴り続けている状況を想像してほしい。男性であっても普通曲がらない方向に体を少しづつまげて矯正されたら痛いと思うが、それを自分の意思でなくやられている状態がこれ。ただ陣痛は骨が開く間は痛いが、それが中断すると夢から覚めたように痛みが消失するのがポイント。一気にやったら死ぬから。という神の配慮はありがたいが、おかげで痛みに慣れるということが出来ず「あれ、終わり?なんじゃーらーうおー。終わり?なんじゃーうらあー」が何時間と続く。まだ中の痛みよりも骨周辺の痛みが中心の時期である。

レベル3:破水→分娩へ
痛みの間隔が5分を切ったくらいで病院へ。クールダウンの時間が減ってきているので辛いのと、痛みの質が変わってきているのでこのあたり分娩行程中ハイクラスの痛みに見舞われる。レベル2では腰回りにわたる広域の痛み&ピンポイント腰壊しの痛みだったものが、レベル3になり子宮口そのものに痛みが集中しはじめる。
この頃子宮口の開き具合は直径5センチ程度。恐らくレベル2までは母体のほうが子を押し出す手伝いをしていた段階だが、レベル3は子が穴を主体的にこじ開けてきてるという雰囲気。こじ開け中の穴の周囲にはまるはだかの神経がぎっしり張り付いていると思われ、穴が拡張されるたびそれが猛烈に刺激されている感じである。
その痛みはレベル2で「うーん」とかいいながらも歯を食いしばっていればやり過ごせる類い。しかしレベル3は本当に「ごっごごごごがー」と声が意思と関係なく出る。テレビドラマで「う〜ん」といいながら分娩台にいる描写があるが、あれはうそ。本当は「ぼえー」とか「うわあああああ」である。また、周囲の音も次第に聞こえなくなってくる。
ここで1つ辛いのは痛いからといって四六時中体をこわばらせることができないこと。というのも子が動くのは痛いときだけであり、一瞬でも陣痛が収まった時はだらっとリラックスしていなければならないのだ。痛みの余韻で腹に力を入れていると筋肉が固くなって子が次のアクションを取りにくくなるかららしい。分娩中だと膣で子を窒息させるおそれもあるため絶叫しても次の瞬間は「力抜け!」と助産婦さんに怒鳴られることに。

継続時間に個人差はあるが、出産の全行程で妊婦を襲う痛みはだいたい前述のとおりである。
筆者は分娩直後から痛みはあっさり引き、子をみて「うおーすごい!なんすかこれ」と軽口を叩けるくらい何事もなかったような状態になったが、その後医者が「胎盤くっついちゃってんなー」とかいって人の子宮(内蔵)にピンセットをつっこんでごりごりこそげとったのさえ「まじすか?アハ。いてー」という程度に感じた次第だ。
レッツ!分娩!

2009/04/15

kirienta:オーガニックコットン

Tシャツの季節。切り絵作家さとうふみえと合同でTシャツを作る事にした。
着心地がよいので日頃オーガニックコットンを愛用しているため、どうせならボディはそれでいこうということで、コストなど調べてみるうちいろいろ勉強になった。
コットン農園はもの凄く農薬が必要なんだそうだ。
ウズベキスタンとかインドとか、比較的土地に余裕のある地域で大量生産する場合、効率化を重視して農薬を大量散布し、綿花を育成する。
育成した綿はコスト軽減を重視して、小銭で動く子供や女に人海戦術で摘み取らせる場合もある。
このようによその国の土地を荒らして子供から教育の機会を奪いながら、薬付けで病気になった農夫の短い一生があるおかげでTシャツ900円とかで買えてるというわけだ。なるほど。
大規模経営でコスト削減。というキャッチフレーズが抽象化している実態は頭に入れておきたいものである。
長い足を生かして安服屋の広告に出てる女性がいるけど、ヒマな時はアフリカの子供がどうとか言って哀れんでたりするがあれは一体なんだろな。あだ名は「美しきマッチポンプ」に決定。

2009/04/13

旅行:沖縄および八重山諸島を巡ってきた件について

先週、沖縄および八重山諸島を巡ってきた件について友人に報告。
「沖縄は、トラウマの島です。」という友人の証言は以下。

本島のリゾートホテルに両親とわたし、3人で滞在しました。
なんでも夕方から民謡ショーがあるというので行ってみたんですね。ちょっと遅くついたものですから席が最前列の中央しかなくて。しょうがないからそこ座ったんです。夫婦の歌い手でした。何曲か沖縄民謡ですか、歌ってました。で、MCに入って「どこから来たんですか?」って。やっぱり最前列ですから、話しかけられるわけですよ。答えたりしてね。で、ご両親ですか?っていうからそうです。ってなにげに言ったらばですね「なるほどそうですか、最後の思い出作りにね」って言うんですよ。何のストーリーかと思いましたけど面倒だから「はあ」って答えてしまったと。
そしたらね、いきなりですよ。客席に向って「皆さん。このお嬢さんはもうじき結婚なさるそうですよ!」と。
そしたらもう割れんばかりの拍手ですよ。いまさら「それはないです」とは言えなかったですよ。30過ぎたら結婚決めんと親と旅行しちゃいけないんすかね。
なんかしらんけど「ありがとうございます」とか頭下げてました。ええ。
そしたらね「じゃあ、ご両親に感謝の気持ちを込めて、歌ってください。涙そうそう。」て。伴奏流れましたから。民謡歌手の真ん中に引っ張りだされてフルコーラスです。涙そうそうって3番まであるって知ってます?全部ですよ。長いんです。もう、いいさらし者ですよ。暖かい拍手の中、親は真っ青です。これもみんな私がふがいないせいで。できりゃしてますよ結婚。どうやったらできますか矢野さん。
あ、ついでに思い出したわ、聞いてくださいよ。こないだ「少年メリケンサック」観に行きました。わざわざカップルの居ない平日の夕方狙って。そしたら座ったとたん、後ろにカップル来るじゃないですか。そしたら女、何て言ったと思います?
「あかな〜い(鼻声で)。」
どこの国の風習ですか?ペットボトルのフタ、男に空けてもらうってのは。
わたしですか?何でも空けられますよ。
空けられないフタなんかないですよ。
いままでひとりでどんなもんでも空けてきましたから。
腹の底から結婚したいんですよ。そんなことを思い出させるんですよ。沖縄は。

なんくる、あるわい・・。

2009/04/01

デザインは新聞を救えるか?

Can design save the newspaper?と題したJacek Utko氏のセッション。
話の内容もさることながら、このTEDのサービスはすごいわ。