ご参加くださったかたおつかれさまでした!
回を重ねるごとにそれぞれのセッション担当者が「今年はつまらなかったと言われたくない病」が重篤化し、内容が濃すぎて参加中は非常に疲れるんじゃないかと心配しています。
で、けっこう苦行的ながら、終わってから数日たつとおや不思議。自然と頭のなかで情報が淘汰されて(というかいいかんじに忘れて)今の自分に本当に必要な知識だけが残るんですね。
なので3日後くらいに思い出すことをおすすめします。
私なりにまとめると、
コーディング
・従来のセマンティクス重視といったHTML自体の知識ニーズは減り、開発環境のトレンドに追随することが課題ということがはっきりしてきた
・コーディングの質がそのままマーケティングの効率に影響することがはっきりしてきた(つまりいままでは僕ってデザイナーなの?コーダーなの?という単純な問いに悩めばよかったけど、これからはそれにマーケティング担当なの?という軸が加わり現場の職域がますますあいまいになった)
アクセシビリティ (追記)
・動画にキャプションとかテキストを音声にとか、1つのメディアを複数の形式に対応させるのはウェアラブルとか車載とか考えるとコンテンツの質にとってアドバンテージになる。やっとアクセシビリティで儲かりそうな気配がしてきたね
※本セッション中ちょっと中座していたので、このまとめは舞台袖で山本和泉ちゃんと話していた内容です。すみません!
ツール
・作業の効率化を極めたツールの勝ち
・私はこれじゃなきゃダメという道具に対するこだわりがあるとダメな気がした。トレンドに合わせて選んでダメになったら捨てることの繰り返しができる人間になりたい
スマホ
・コンテンツ > PageSpeed > インタラクション > 画面フロー > スタイリング
デザイントレンド
・トップページの意義が薄れているが、むしろそこでどうブランディングできるか、実験できるかがキモなきがする
・リファレンスとするに足る情報がないサイトは不良債権化しそう
で、なにげに今回感じ入ったのは長谷川恭久氏による
基調講演:Webのスーパーヒーローになる方法
でした。
スキルの変化とそれに追随する体力と根性が問われ続ける「Web」というメディアの制作現場(IT全般に言えるかな?)ですが、「本当にこうやってずっと変化に翻弄され続けなきゃいけないの?」と疑問を抱く人も少なくないでしょう。
長谷川氏の講演には「翻弄されることが仕事じゃない」というメッセージが隠れていたとおもいます。この話は「ノブレス・オブリージュ」という考え方をわかりやすく、かつ、Web制作に寄せて解説しなおしたものですね。そのような「態度」に対する理解こそ、翻弄されないためには重要だと考えます。
ある日私のボスに言われたことがあります。
ボスはエンジニアからキャリアをスタートして、名だたるグローバル大企業を経てきたビジネスの鬼のような5ヶ国語くらい話せるおっさんです。その人が
「Skill(技術)が高い人材、Philosophy(哲学)のある人材、どちらが質の高い人材かわかるか?議論の余地なくPhilosophyのあるほうだ。Skillはあとから、いくつになっても、いくらでも学べる。しかしPhilosophyは人間性に関わることなので学ぶことが難しい。採用は、Skill中心に考えてはいけない。」
そうなんですね。
言われてみればあたりまえですが、現場ではよくここを取り違えます。目先の利便を優先させがちだからです。
技術なんかぼちぼち追っかけても追いつくもんです。それが難しいように感じてしまうのは、それを教えることを生業にしている人間が食いっぱぐれないようにする呪いみたいなもんです。必要があればだれでもなんでも、自分の必要とする範囲で覚えていけるんです。あきらめなければ。
と、いうことを、ヤッシー(長谷川恭久)の話を聴きながら考えていました。
また来年皆さんにお会いできるのが今から楽しみです。