2014/11/24

元アニメーター監督のもったいない点

今更ですが「おおかみこどもの雨と雪」絵が綺麗で素晴らしかったです。
とくに雪あそびのシーンでは雪原の透明感と、冬の晴天が持つ独特の青がまるで気温まで伝わってくるようでした。地平線の青はもうインターナショナル・クラインブルーですよ。雪原をおおかみが走っている。というだけのシーンにこれだけ饒舌な感覚をにじませるとは、やはりアニメーター出身の監督は絵作りに対する執念が違う。

と、非常に感激したせいで、物語が痩せてるところがすごく気になってしまいました。
痩せてるというのは、おそらく本作のテーマであろう「成長」という点で、お母さん役の性格づけが薄かったせいで、最初と最後ではどの程度成長したのかという実感があんまり持てなかったからなんじゃないかと思います。

一度愛した対象へ無条件に愛を注ぎ込みまくる母性本能あふれまくったけなげな女性。という設定って「日本のアニメ界の絵の上手な人が描きがちなパターン」におもえるんですよ...。

つまり、あのお母さんのありように「アニメっぽいキャラ設定」とか「日本のアニメの受け手と作り手とで共有している暗黙知みたいなものに寄った作り」を感じてしまって、それほど洗練されたアニメの受け手でないわたしが冷めてしまった。

私は映画というものが娯楽を超えて、人生を学ぶ題材になり得るほどの芸術であると考えているので、なんか、「アニメっぽい設定」みたいのがみえてしまうと、その作品が一気に「映画」に到達しないで単なる「アニメどまり」になってしまうように感じます。それがもったいない。
ディズニー映画が「ディズニーアニメ」でなく「映画」なのは、そのストーリーの厚さ、太さにあるんじゃないかと思っていて、シーンのリアルさとか技工の凄さとかはそれを支える必須前提条件にすぎないと作り手側が理解しているからだと私は信じているのですが、どうでしょう。

サマーウォーズも物語が薄すぎて、良い絵がいっぱいあったけど「ああアニメだなあ」で終わってしまった。

細田守監督!アニメもそれなりに好きな映画ファンのために、次回作ではストーリーづくりにもっと興味持ってください!(土下座)あの絵に太い物語が付いてたら世界がひれ伏しますよ!絶対!!



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