2014/06/17

若いときと高齢とで妊娠した場合のメリットデメリット

わたしには最初の妊娠と11年の開きがあり、当時(29歳)と現在(40歳)とで比較すると個人的なメリット/デメリットを感じます。思い出として整理しておきます。

・身体能力に関して
若い頃は、筋力や代謝、循環器の能力が高かったことからトラブルが少なかった印象です。
まとまった距離を歩いても足が痛んだり、血の巡りが悪くなる、静脈瘤が出るといったことはまずありませんでした。静脈瘤を指摘されたのは40代。ふくらはぎ付近の血管が増大した血液量を循環させられず、そのままその付近の静脈にとどこおって血管ごとコブになるという症状です。コブにはならないまでも、血管がうまく機能せず、お風呂に入ってあったまったりすると一気に血管内の血液が通って針の山に寝たのかというくらい痛む症状になやまされました。弾性ストッキングという静脈瘤対策のアイテムで改善(下肢に血が多く回らないようにして循環効率をあげる作戦)しましたが、一時は痛くて風呂に入れませんでした。
また、年齢があがると大なり小なり子宮筋腫ができるリスクもあがります。私は子宮の奥のほうに3cmくらいのがありますが、そのおかげで胎盤の位置が下がってしまってます。胎盤が下がっているせいで絨毛血腫になり、妊娠初期で出血して4日間入院したこともあります。また、胎盤が子宮口に近いことから、7ヶ月時点で帝王切開の可能性も残っています。
やっぱし母体は若いほうがなにかとメリットが大きいかなあ。と改めて思います。
ただし、つわりの度合いとか骨盤周辺の痛みなんかは若い頃とたいしてかわらないです。年を取ってガタがきやすい部分が素直にデメリットになる。といったかんじです。

・経済面
この点については40代のほうがずっとアドバンテージあります。妙齢のワーキング妊婦最大のメリットはこの経済力と言ってもよいでしょう。
わたしの場合専門的な仕事を激しく続けてきたおかげでそれなりに蓄えもあり、診察や出産にかかる費用に対する不安は感じずにすんでいます。しかしそれでもかなりの出費であることに間違いはありません。私が住む区では妊婦検診にかかる費用の半分ほどを区が肩代わりしてくれます。とはいえ超音波とか血液検査などは一万円を超えることもざらです。分娩予約として数十万先に支払わなければならなかったりもして、若い当時は貯金のほとんどを出産準備で使い果たしていました。若さゆえの無神経さで乗り切りましたが、いくら体がベストな状態といえども20代前半で妊娠したら凄く金に困りそうな気がします。

・仕事
なぜ40代のほうがお金に余裕があるかというと、それは当然仕事の責任が重いからであります。そして妊婦は激しい仕事のしかたができません。疲れやすいし、ストレスに弱い。わたしの場合、40代での妊娠のほうが周囲にかける迷惑度が正直かなーりでかいです。若い頃は今よりずっと取り替えの効く立場といいますか(一介の若いフリーランスであったので)仕事を中断することのデメリットは自分の収入を手放すことくらいで、周囲の影響度は低かった気がします。
自分自身のデメリットというよりも、周囲のデメリットは40代のほうが大きいんじゃないだろうか。と、その反面、チームメンバーが「おめでたいじゃないですか!」と、全力でサポートしてくれる様子に感謝感激を禁じ得ない。という点では生きててよかった。と思うところであります。
経済力が40代のアドバンテージ。とは言っておきながらも、それは非常に自己中心的な観点であるわけですね..。

・その他、確率論など
40代で妊娠することの最大のデメリットがこれです。
1つは高い確立で流産する。と、言い渡されること。そして、胎児の異常に関する確立についていやおうなしに考えさせられることです。
身体能力云々というよりも、卵子のコンディションがどうこう。という話題に必ず直面させられる。しかも、確率論で。
40代の妊娠初期における流産の確立は40%である。とか、40代の子供がダウン症である確立は88分の1である。とか。とにかく「だったらどうしろっていうのか」という数字だけを渡されて数週間ビクビク過ごしました。
出生前診断のトピックは別途書くつもりですが、40代の妊娠初期、これらの話題は不可避です。
そもそも10年前は出生前診断自体メニューとしてなかったので、これは凄い世の中になってしまったなあ。という気持ちです。

でも、精神面では昔の自分よりずっと強くなっていますから、いろんな都合はあるにしてもやっぱり今の自分が自己ベスト。と、思っています。

2014/06/11

ワーキング妊婦のためのストレス発散のご提案

仕事をしていると、タスクの内容や時間制限などよくも悪くも緊張感とかストレスを感じますね。
過去私にとってそういうプレッシャー的なものは「カタルシスを増大させるエンジン」程度であり、基本ウェルカムでした。
たとえば「今週はいろいろ大変だったから金曜日の夜には1800円くらいのハーフボトルの赤ワインのんじゃうんだー。」とか「車借りて強行スケジュールで温泉いっちゃうんだー」とか酔ったり無茶したりしてウサをはらすにはストレスがなければつまらないわけです。

しかし妊婦となった今、ストレスはあれど発散する方法がまったくなくなりました。

もう一度言います。ストレス発散方法がまったくなくなりました。

・無計画な移動
・暴飲暴食
・アルコール
・激しい運動
・夜更かし
・アロマとかマッサージ的なリラクゼーション(妊婦には時期ごとにいろいろ禁忌がある)

こうした一切の発散行為に頼れなくなるのです。

とはいえ、仕事にストレスはつきものですから仕事している以上ストレスはあります。どうすんのこれww

妊婦さんでもマタニティスイミングとかヨガとか適度に体を動かして、ストレスを上手に発散する方法があるわよ♡みたいな記事などを見かけます。
そんな暇ねえよww

上に子供がいると夜にそういうところへ通うわけにもいきませんし、仕事もふつうに忙しいのでそもそも無理です。

でも、ストレスは生まれてくる赤ちゃんにもよくないわ。子供のことを考えてストレスはできるだけ生活から排除して、ゆったりのんびり過ごして!といった記事なども見かけます。
余計なお世話だww

なにが出生率の向上と女性の社会参加の促進の両立だwww
主婦は不良債権とか言ったやつ出てこいwww
妊娠してみろこのビチグソがー(ポルナレフ)
ブーン(((っ・ω・)っ
(☝ ՞ਊ ՞)☝ウェーイwww

しかし子供も仕事も大好きですから悪態をついているだけではいけません。何かソリューションを見つけて。小さいことでも「これでストレスが発散できる」と思い込んだほうがおとくです。

そこで!がんばって禁忌に関するリスクもなく、時間もとらず、金もかからないストレス発散方法を開拓しました。それは...

足の裏にサロンパスを貼って寝る。です。

単に足のむくみがとれるだけですが、体の血行がよくなる気がするのと、貼らないよりは気持ちがいいです。
あと、肩とか腰に貼ると臭いとか貼った跡が気になりますが、足の裏だと気になりません。
「これでつかれとむくみとストレスが全部とれるんだぜ〜」と、思い込みながら貼り、翌日はがしながら「とれたぜ〜」とさらに思い込むとよいです。

なお、痛みに効く成分のインドメタシンは妊婦にとっては禁忌です。胎児の循環器に重篤な障害を与える報告があります。
妊娠中でも使用できるのは第三類医薬品に該当するふつうのサロンパスとかに限られるので注意しましょう。

こんなちっこいことでもけっこうカタルシスになりますよ。嫁さんが妊婦という男性はぜひ嫁さんの足の裏に貼ってみてください。翌日剥がすときは水で濡らしてからはがすなど工夫してあげるとなおよろこばれます。

2014/06/07

妊婦の食事制限

食べるなリストがいつのまにかけっこう増えていたのでびっくり。
10年前の長男のときはマグロくらいでした。妊娠3ヶ月目で栄養士面接うけたときに言い渡されたリストにあったのは以下。

■量を制限する必要のある食べ物

昆布
※(ヨウ素)の過剰摂取で子供の甲状腺機能が低下する。

目安
1週間で5cm四方くらいが上限。とろろ昆布のおつゆは1週間に1パイ程度。昆布だしにもヨウ素は含まれるため麺類のつゆを飲むなどは控えること。みそ汁のだしはカツオだしにするなど工夫する。

これ凄い困りました。とろろ昆布、おでんの昆布とかつわり時期にけっこう食べれた食材だったので。あと、塩昆布を調味料代わりによく使ってたのと、ほんだしみたいな顆粒だしにはたいてい昆布の粉末が入っている。いや、よく見るとスナックや調味料、市販の漬け物の果てまで昆布ってたいていのものに入ってるんですね。だからせめて昆布本体を食べない。という線引き程度にしないとノイローゼになります。私はそうしていました。

レバー類、うなぎ
※催奇性の原因物質であるビタミンAが多く含まれている

目安
レバーなら1週間に串焼き1本程度にしとけ。うなぎはちょっとした切り身を1切れ程度。
酒も飲めないのに串焼き食べないのでもう食べなくていいやと思いました。
ビタミンAは緑黄色野菜とかでも適度に接種できるのでレバーとうなぎは妊娠してから食べてません。

みなみまぐろや金目鯛、マカジキ、クロムツ
※水銀が多い

目安
1週間におさしみ1人前(4切れ程度)なら許容量。金目鯛は煮付けなら1切れ。週にメニューがかぶらないようにする。

つわりが終わってからお寿司はけっこう食べられるようになったのと、メニューとして簡単なのでつい「マグロ丼を...」と思ってしまいがちですが、面倒なのでまぐろだけさけるようにしました。サーモンとかしめさばばっかり食べるようにしました。

基本的に食べないほうがいいもの

生ハム、スモークサーモン、モッツァレラチーズなど生のナチュラルチーズ
※胎盤を通過するリステリア菌を摂取するおそれがある。

えー、です。特にモッツァレラチーズが好きなので。生ハムはランチの時にサラダの上にのっかったりしてたのでよけてました。ちょっと食べたからってどうなるというわけではないですが、当たり外れのある話だということです。ナチュラルチーズは加熱してあれば大丈夫なのでピザはOKです。リステリア菌を食らうとどうなるか。ですが、胎児の健康に問題が出るとのことです。

生肉
※食中毒の危険がある

食中毒にかかると母体によろしくない。というのは当然ですが、まれに「トキソプラズマ菌」というヤツがくっついているからダメとのこと。こいつは胎盤を通過して胎児の健康を阻害するとのことなので要注意だそうです。ちなみにトキソプラズマはペットのうんちに付いてることがあるのでペットのトイレ掃除は注意とのこと。

こうしたネタはネットで調べるとほかにもいろいろ出てくるのですが、病院で特になにも言われなかったにも関わらずよくひっかかるのが

・バジル

バジルがダメならイタリア人が大変なことになりそうだが、栄養士さんによるとジェノベーゼソースとか、ピザに乗っかってるやつとか普通に食べるのは特に問題ないそうです。
(こういう食べ物ネタでバジルを食べると流産するとか無茶なことを書いて妊婦を脅して閲覧数をかせぐへんなリソースが大量にあるのはこまったものですなー)

あと、厚生労働省のページで頻繁に紹介される要注意食材で異色なメニュー

・バンドウイルカ



そっかー...。水銀量がハンパないんだそうです。
週に10g程度、一人前なら2ヶ月1ぺん程度なら...みたいなことを書いてましたが、入手困難なので、食べる機会はあまりないかも。


2014/06/02

高知はシリコンバレーに似ている

「釣り記事」ってわかっていてもハラが立つ。と、住さんが素直に怒っていたことから興味がわいてこの記事を読みました。本文のタイトルはその記事のなかで一番おもしろかったところです。

これです。
イケダハヤトが高知に行く理由を聞いてきた

そしたら不思議なことに、25年くらい前のことを昨日のことのように思い出したのです。

クラスメイトでひどいビックマウスの子がいました。だれかがなにかのトピックについて話していると、すかさず顔を突っ込んできては「あーそのことならおれになんでもきいて」とか「すくなくともおまえらよっかよく知ってっから」みたいに常に上から目線で講釈をたれるのです。
エレキギターのことならなんでも知ってるし、家にもすごいのがあるぜ。とか、
ペットならうちに超高級なオウムがいるぜ。
とか、あまりに偉そうにどんな話題でも「勝ち」にくるので、クラスの連中からは「めんどくさいやつだな」と思われていました。
彼の言っていることが単なる「講釈」どまりであるとされていた理由は簡単です。言っていることが浅く、細部に突っ込むと答えられなくなったり、あとで確認すればわかってしまうようなウソが混じっていたりするからでした。それに学校の成績もどちらかというとよくないほうで、尊敬に値する知性派とは思われていない点も理由の1つでした。

ある日、いつもの彼の講釈に腹を立てた「ヤンキー」的な男の子が、とうとう

「お前ほんとは何にも知らないクセに、知ったようなこと言ってるだけじゃねえの??むかつくんだよ。ぶっとばしてやろうか」と、突然彼に迫ったのです。

すると何を思ったか突然ビックマウスの彼は、反射的に窓から飛び出しました。
二階なのにです。
幸い外が砂だったので、彼は何事もなく着地し、そのまま駆け去ったのですが、その着地点についた足跡は「ビックマウスが二階から飛び降りて付けたありえない深さの足跡」として見る男子を笑わせました。
一方のヤンキー君は、当然ですが、クラスメイトを脅して二階から飛び降りさせたとして、先生に大変しかられました。

それからというもの、ビックマウス君は男子にとっては「追いつめたら何をするかわからないのでそっとしておくべき」存在になりました。
また、一部の女子のなかでは「彼のご両親は早くに亡くなり、子供の頃から親戚中をたらい回しにさせられて大変苦労している。彼の言動はいままで必死に生きてきたがゆえの護身スキルなのではないだろうか」という噂がおこりました。本当かどうかは知りません。
いずれにしても、その後ビックマウスがなにをどう知ったかぶろうが、クラスの態度はおよそ二つに分かれました。1つは「彼の言うことを肯定し、許容することで自分自身の度量を示す」態度。もう1つは「スルーする」態度です。豪快に否定することで苦労しているかもしれない人間を傷つけたり、また、飛び降りたりされないようにするにはどちらかを選ぶしかなかったのです。

それから数年たって、私は大学に通うようになりすっかり彼のことも忘れていたころ。
誰に番号をきいたか知らないが、ある日ビックマウスがわたしに電話をかけてきました。

「お前東京にいるんだって?俺もじつはさ、東京で働いてるんだ。こっちきてからインディーズでバンド始めたんだけど、今じゃ仕事よりバンドのほうが本業みたいなもんでさ。東京の女ってすげえのな。俺のライブでキャーキャー言うだけじゃなくてもう失神寸前なんだぜ。呆れるよ。そうそう、インディーズのビジネスとかレコード会社のつながりってお前知らないと思うけど....」

といったぐあいに、東京の、音楽業界で自分がいかにいいポジションにいるのか。そして、バンドでのしあがっていくには何が必要か。といった(知ったか)をおよそ二時間にわたって上から目線で繰り広げたのでした。

そのときの私の態度は「肯定」です。「てめえでかい口たたいてんじゃねえよどうせフカシだろう」と心ではちょっと思っていたのですが、なんとなくそういうことを言ってはいけないような気がしたために、ちょっと長かったのでイライラしながらも、最後までききました。

と、そのようなことをイケダハヤトさんのくだんのネタで、なぜかまるっと思い出したのでした。
彼の話を受け取った人間に、否定するには罪悪感が伴うようなどっちつかずの偽善的肯定や、素直にきっぱりと否定する反抗心といった「青春っぽい葛藤」を巻き起こす。というのが、イケダさんの存在の真骨頂なのかもしれないなあ〜。と面白く感じたのでした。