2018/11/22

2018年11月の深圳にて

普段はちっとも欲しがらない矢野ですが、この1936元(31,590円)の謎のキノコ詰め合わせは欲しかったです。1つが握りこぶしくらいある黒いキノコです。


矢野:しかしモノと人が多いなあーー

友人:いいえ、まだまだ足りないです。

矢野:欲が深いなw

友人:これが成長ですよ。でも日本人って昭和の時代はすごく欲しがってなのにどうしてそんなに欲しがらなくなっちゃったんですか。

矢野:成長しきった国で人間は欲しがらないように成長するんだよ(ドヤ顔)

友人:えー。だから市場も縮小傾向になるんじゃないですか。僕の友達なんて日本市場担当はイヤだ。あんなに伸びない市場で仕事してたら自分の成長も感じられないって。もっと夜遅くまで、誰にもできないくらい働きたい。働いて、数字を伸ばしたい。成長したいんですよ。あ!あのドライヤーほしいーーー。

矢野:買いなよw

友人:あの服ほしいなあー

矢野:買いなよw

友人:みてくださいよ。日本のパッケージデザイン真似してこんなにかっこいい商品だって中国は作れるようになりました。もう1000元以下のスマホも売っていない。安くなくてもみんな買えます。

矢野:すげえなあー

友人:もっと働きますよ。

矢野:いいじゃないの。でももっと日本に期待しなさい。君がおっさんになって国が成長しきってゲッソゲソに疲れ果てた頃、日本はアジアナンバーワンの癒し国家になって、あなたたちを癒してやります。温泉入って自然と戯れてゆっくりしていきな。待ってるよ。

友人:え....。でも中国成長しきったら国が壊れますよ。成長してるうちはみんな豊かで政治に文句もないし。貧乏になったら文句いっぱいで政治が不安定になって、米国を攻めたりしてw

矢野:あははwその前に中国に追い抜かれて「奪われる側」になった米国がブチ切れて中国に攻め入ったりしてw軍事費目当てでww

友人:やめてーw

矢野:じゃあもうずっと成長するしかねえなw成長してw

友人えーっw

2018/05/09

グレイテスト ショーマン に学ぶ、グレイテスト3か条



音楽で捩じ伏せてくるモーレツな映像体験ですね。ディズニー映画を実写で作るとこんな感じになりそうな。ミュージカルシーンには随所にマイケル・ジャクソンのDNAを感じました。面白かったです。映画で学んだグレイテストな点をまとめました。
  1. 歌って踊れるべし
    妻に脱サラを宣言する際や、有能なビジネスパートナーを説得するのにくどくど論理的に話したり、パワポで事業計画を説明するのはグレイテストではありません。ピッチに立ったらまず歌ってみる。それでもダメなら踊ってみる。それが成功への鍵です。
  2. 友情や健康以外いっぺん全部失うべし
    家族に見捨てられ、家を燃やすのがベストです。1番大切なものってなんだっけ?なんてあったかいお風呂に浸かりながら明確になるわけがないのです。それを知るために全財産一度きれいに失いましょう。
  3. メルセデスより象
    経営者として成功を収めても普通に家族をメルセデスなんかでお迎えにいってはあなたもそこまでです。象に乗りましょう。

基本データ

グレイテスト・ショーマンはMichael Gracey初長編作品。主演ヒュー・ジャックマン。マイケル・グレイシーは現在「ナルト」(ジャンプ漫画のアレ)の映画化をやってる最中らしいですが、もともとオーストラリアの特殊映像制作会社の現場の人だったんですね。ビジュアルエフェクトにものすごく詳しい現場の人が、映像音楽のプロと組んだらこういう作品ができる。という、なんというかPVの長編版のようなノリの作品でした。音楽担当が「ラ・ラ・ランド」チームだったり、楽曲が話題になったりザック・エフロン(主人公の片腕役)ええ感じに育ってるとか音楽寄りの話題が大きくて、監督とか絵作りのことが話題にあまりのぼらないのも面白いなあ。映画を取り巻く状況は変わったなあ。と感じました。

2018/05/08

母性大放出祭り。シェイプ オブ ウォーター&ワンダーウーマン


出張移動時に2作鑑賞しました。
どちらも大作らしい豪華さと作り込みの執拗さがある素晴らしい作品でした。
たまたま適当にこの2作選んだのですが、なんか、共通して、男性の登場人物(キャストがではなく、話の中においてのキャラという意味)が、、、なんというか魅力がイマイチというか、、、女性キャラのオマケみたいな印象で興味深かったです。

ワンダーウーマンは女人一族アマゾネスですから装甲下着で大暴れですし男性が影薄くなって全然当たり前なんですけど、なんかこう、小理屈なく「ほらあああああ!!!赤ちゃんがかわいそうじゃあないのおおおおおお!!」みたいな感情で衝動的に動くって女性の根源的な良いところだと思うんですよね。で、ワンダーウーマンってそういうキャラで、うおおああああ!飛行機おっこってきたじゃあ無いのおおおお!!ってスパイ小僧助けてズドーンと惚れちゃって、そのまま一直線に世界助けるぞおおおおお!ってドカドカ走ってくとこなんか世界中の母性エキスを凝縮した「アーマード母さん」という感じでした。
なんでしょう。昔はこういう人ザラにいたとおもうんですけど、最近減った気がする。世界には母さんが足らんのですよきっと。

で、シェイプ オブ ウォーターのほうは「半魚人に惚れるアラフォー」というテーマそのものがキワモノっぽいのでよほど綺麗に理想化されたラブストーリーなんだろうと思ってみてみたら、私が年取ってるせいかもしれないのですが、こっちもなんかえぐいほど母性の噴出を描いたような印象を受けました。
弱った魚人を見てギュッと心を掴まれるって、征服欲とかとは別になんらかの危機に瀕した生物全般に対してほとんど脊髄反射で突き動かされる「母性」というやっかいなセンスのなせる技な気がします。自分もそういうことがたまに起こりますけど、何かを欲しがられると慌てて差し出しちゃうんですよね。母性ってやつは。

そのように母性の存在を際立って感じてしまった理由の1つが男性キャラのいけてなさです。
体の芯から湧き上がるかのような女性キャラの「ワシが助けるぞい!!!」大放出の脇で男性キャラはといえば、組織や国家がどうのこのだからこの私はこうするべきである。だとか、嫁にねだられるまま高い車を買える俺ちゃん優秀とか、老いや孤独を怖がったりとか権力を欲しがってみたり弱いものをいじめてみたりともう、脳みそばっかり活性化してちっとも心が無い...
.。もうね...。この男子たちダメね...。半魚人いいよ...。黒目がちでキュピ?ってしてひとりじゃいろいろできなそうだけど肉体的セクシーさもあって、相手の考えていることを知りたい、心を通わせたい、って顔するもの。そりゃ抱かれたくもなるわ...。という。

なんでしょうね。理屈ばっかりこねてる男性キャラと気持ちで動く女性キャラというコントラストは世相を映してるところあるのでしょうか。こういう作品が生まれるというところに、世の中の母性に対する渇望のようなものを垣間見た感じがいたしました。

基本データ

ワンダーウーマンはDCコミック原作のアメコミスーパーヒーローもの。バッドマン枠なのでちょっとシリアスというか「やっちまえー、おー!」的なマーベル組よりちょっと悲壮感あるタイプのほう。監督はパティ・ジェンキンス。女性が観るとスカッとするといった前評判も聞きつつでしたが、確かにアマゾネス軍団が重装備で戦闘するシーンなんかは美しくて素敵でした。

シェイプ オブ ウォーターはギレルモ・デル・トロ監督、脚本、原案によるオリジナル作品。職人的クリーチャー役者(クリーチャーのマスク被っていることが多くて地顔が判別しにくい)マイケル・シャノンが半魚人役でアカデミー賞を受賞したことで話題になりましたね。ダグ・ジョーンズの本職はパントマイマーなせいでか、動きが超セクシーです。

2018/05/02

ニコニコ超会議2018 大島薫x加藤鷹x二村ヒトシ 鼎談
「"超セクシー男優"男塾」を観戦


ニコニコ超会議2018のトークイベントを観てきました。とてもためになるセッションでした。加藤鷹さんは言わずと知れた伝説のAV男優。大島薫さんは男性でありながら女性寄りの表現で活躍されているタレントさん。以前は「女装子(じょそこ)」さんというジャンルで活躍されていたそうです。可憐だけどハツラツと聡明な印象!
二村監督は現役のAV監督かつ男優そして人間関係の処方箋のような書籍の著者として有名です。縁あってトークイベントなどでご一緒させていただいたことがあるのですが、誠にセクシーインテリ紳士でいらっしゃいます。まるで哲学者のごとく理路整然とお話されるのに脱いでもすごい(全裸)って世界広しといえども二村監督だけなんじゃないかしら。

素敵な座組のセッションのお題は「AV強要問題について」。被害者組織や支援団体のNPOが発足するなど近年社会問題化しているイシューです。
大島さんは経験者ながら女性とはちょっと違う立場から、二村監督は現役の立場から、加藤さんは現場を離れた人間として様々な角度で意見交換がなされました。

私は加藤さんの「自分も含めて誰も裸の仕事なんかしたいと思う人はいないよ。」という発言にすごく納得。じゃあどうしてやっていたの?という質問は飽きるほど受けてきたとおもいますが、私はAVという仕事とそうでない仕事の間にある「一線」をその仕事を経験した当事者がどう認識するのかを確認するための発言であると受け止めました。
パンツ履いて仕事できるなら誰だってそうしたい。でも(金を稼ぐ、生きるためにやる)仕事って、いろんな理由や成り行きで手にするもの。そしてその仕事ってどういうたぐい、どういう性質なのかは手にした本人がよく理解してるはず。ということだと思います。
また加藤さんは「未成年については必ず大人が守ってあげなきゃならないとして、大人になれば契約をした後でやっぱり私、嫌だった。とか、そういうつもりじゃなかった。っていうのは子供の言うこと。ちゃんと大人として自分の意思は明確にしないと」ともおっしゃっていて「一線」を見極めて理解して、自分の行動に責任を持たなきゃダメだよ。ということもおっしゃっていました。その意図は単純な「自己責任論」とは私にはきこえなくて、そこから始めなきゃ人生をコントロールできないでしょ?という原理原則的な話の確認と私は理解しました。そのうえで「強要問題というのは結局AV女優、AVの仕事を差別する人間、AVやってた人間なんか。という差別意識を持つやつの認識が元凶。」と、被害者を蝕む外圧の本質を指摘していらっしゃったところは、ああ、そういうものだよなあ。と深く納得しました。

二村監督はこの問題に関して単純な構図上では「加害者たり得る立場」ですが、近年の取り締まりの強化といったトレンドについて触れ、業界の不文律やマナーはすでに広まり、業界は相応の対応を迫られていると語りました。
市場のトレンドについては、女優のデビュー作ばかりにニーズが集中していると説明。新規参入者が相当数ないとビジネスとして成り立ちにくい状況のようです。また、過去の出演作により出演者が不利益を被ることを防止するため、発表から5年たったコンテンツは出演者の申し出で消去できるという運用体制も業界内ではあるそうです。これは「割と気楽に出演する若い人」を増やす要因になりそうな気もしますが、出演者の人権を尊重、守りつつ、AV業界延命のためできることはやっていきたい。と本当に真摯に語っていらっしゃいました。

そんな二村監督の発言で一番印象的だったのは「でも、いわゆるアダルトビデオ業界は、近い将来滅びてしまうだろうけど」です。
滅びる、というのはいろいろな法的規制や市場の変化により縮小する収益のスピードが、業界の構造を一変させる。といった意味だろうとは思います。

私は二村監督の「滅びちゃう」発言のあと、ふと「そもそもAV女優はいつ誕生したんだっけ...」と考えました。いま話題になっている「AV女優」というお仕事。かつては「ピンク女優」とか言われていたこともあるっけ。
その前はたぶん写真技術の向上により「官能モデル」みたいなジャンルもあったでしょうし、絵画の世界でもエゴン・シーレに女性器まで描かせたモデルも実存しましたからアイデンティティを持ったまま裸をメディアに残した女性って表現の歴史上ずっと存在しているわけです。

そこまでツラツラ考えたとき、いまのこの「自分が世界の中心であり、自分自身が自己を肯定しているかどうかとは別に、他人からないがしろにされてはならぬ自己」を抱えやすい時代において「わりと簡単に消費される裸」として裸を仕事にするというのは、とてつもない毀損感を被ることなのかもしれないな。とか、さらにツラツラと考えました。

私は前述した加藤さんの「パンツ履いてできる仕事があるなら普通そっちやりたい」に納得する者ですが、それって「パンツ脱ぐくらい普通じゃない仕事なんだから普通、それ相応の対価を要求したい」ってことと抱き合わせなんじゃないかしら。その対価はお金の場合もあるし、賞賛とか、声援、応援とかもあたるでしょう。
だとすると、消費サイクルが短くなったAVというお仕事は、生身の体を張る生業としては、なかなかいろいろな対価を得にくいのが現状なのかもしれないなどと考えてしまった。

二村監督は「AVというジャンルはなくなっても、女優さんはとても元気。活躍する場所がなくなるわけじゃないし、ファンとしっかり交流して新しいことに挑戦する女優もたくさんいる」とおっしゃっていました。自分自身で対価を獲得するべく挑戦し続ける表現者はいつの時代も強く、主体的に市場を切り開くものかもしれません。

ちょうどセッションが行われていたステージの隣はいわゆる「Vtuber」が登場するステージでした。集まったファンの人数と声援が会場中最も多く、こちらのトークがちょっと聞き取りにくくなるほどでした。
リアルな自己アイデンティティと切り離された「動くアバター」で新しいアイデンティティを形成し、賞賛を浴びているVtuberのジャンルにも、当然「エロ系Vtuber」は出てくるでしょうし、すでにいらっしゃることでしょう。リアルな自己を晒さないぶん対価は少なくても自己は毀損されないのかな。キャラクターに声だけあてて、あとはガジェットの力を借りてセクシー体験を提供できるサービスがあれば裸の需要は下がるのだろうか。あ。でもそういう体験が広まれば逆に本物の裸の価値は、高まったりして。
AV is dead but eroticism will be forever. 海外市場では会員制の「質の高い」ポルノ配信サイトを立ち上げたGreg Lanskyという起業家もいたり、彼の作品に登場する役者は「ポルノスター」という称号を持ってたりもします。Video kill the radio star とはよく言ったものですが、Porn starは誰かに殺されたりしないわけですね。
いろいろと楽しい引き出しに溢れた座組のセッション、もっと長く聞きたかったです!