2016/05/22

西海岸ヒッピー祭り Google I/O 2016

Google I/O 2016参加した雑感を簡単にメモっておきます。
初日にライブを観る参加者のかたがた

Google I/O 2016とは?

ウェブ検索技術で大きいシェアを持つGoogleが毎年初夏に開催するプライベートカンファレンスのこと。
2016は10回目。2015年まで、北米を代表するテック企業御用達のMoscone Center(San Fransisco)で開催していたが、2016年はGoogle社近くの野外イベント会場Shoreline Park(Mountain View)で開催した。もともとパロアルトの至宝The Grateful Dead(URL吹いた)がコンサートを開くために設計されたっちゅう話で(メンバー病気のためコンサートは開かれず)、Yes脱退後のJon Andersonとかもライブをやっていると、Wikipediaに書いてありました。むかーしたまたまThe Grateful Deadの構成メンバーが死去した日、LAに滞在した経験があるですが、ラジオのどこを回してもThe Grateful Deadがかかっていておっさんというおっさんが泣いているという状況をみたことがあります。


滞在環境

会場から車で10分くらいの距離にあるコンドミニアム形式のホテル(6人滞在可能2寝室2ベッド2バスルーム)に滞在しました。部屋代割り勘で宿泊費用が安く上がり助かりました。私は夫婦で参加したためロフトのベッドルームを1つ占領してましたが、予約当初から「エクストラベッドはソファのみ」の条件を知っていたので、ダブルベッド2つで4人、ソファにひとり、であとひとりどうすんだ。と思ってました。しかしメンバーのうち一人が「これでいい」と入手してきたキャンプ用のエアーマット(30ドル)が普通にベッドとして機能しました。あれは買い。
メンバーは私以外男の子で息子の延長気分になり、早く寝なさいとか起きなさいとか言いまくってしまい、さぞウザかっただろうとおもいます。
I/Oが始まる前の2日間はレンタカーを借りてあちこち行っていたので買い物も簡単でしたが、期間中は会場内に参加者用の駐車場がないことから車は返却。食事できる場所も限られていたため夜は自炊しました。
初日は現地滞在のK松さんの豪邸に押しかけて、庭で突然火を起こし肉を焼いたり、翌日からはさらに調達した肉をキッチンで焼いたり、スーパーのデリで購入した惣菜を再加熱するなどしました。
ただ、調理は塩やコショウといった最低限の調味料でやっていたため肉以外のサイドメニューの満足度がかんばしくなかったです。

  • マヨネーズ
  • しょうゆ
  • オリーブオイル

の3つは少なくとも日本から持ち込むべきだったと反省しています。それさえあればレモンなんかはそこらで買い、ドレッシングなんかも作れただろう。
あるいは滞在中にサーブする料理をあらかじめ決めておき、それに必要な調味料を準備していけば、よりいっそう充実したミニホームパーティになったでしょう。もし来年も行けたらやりたい。

移動手段

The Grateful Deadのライブは全米からバイクにまたがったヒッピー共が参集するのがならわしでしたが、Google I/Oは駐車場がありません。Googleはオフィシャルホテルや最寄り駅までシャトルバスを配車していました。個別調達したホテルに居る者達はだいたいUberを手配していました。
しかし予想最大参加者数7000人の全員が車で午前の基調講演めがけてあつまったとしたら、絶対渋滞するか、あるいはUberの手配に失敗しそう…と思っていたのですけど、実際はUberの価格は最大で2.X程度(開催期間中私が利用した範囲で)でしたし、早朝5:30に動いた我々は6:00には到着してしまい、事前登録組の先頭になるほどでした。翌日も多少の渋滞は有りましたが常時1時間前行動くらいで大丈夫な気がする(来年も同じ会場なら)。
Uberは配車依頼すれば10分程度で到着するくらい。常にグループで行動して乗りあわせたため負担も小さく済みました。

セッション

セッションは広大な会場の敷地内に置かれたテント(というか仮設会場的なハコ)で行われました。配置のかんじはテーマパークの出し物みたいなイメージです。コードラボ(PCが置いてあって開発できるスペース)ですら、でかい東屋みたいなところでしたので全体的に「アウトドア」感がみなぎっています。人々は仮設会場の間を行ったり来たりしつつ、途中にある野営の展示物を見て喜ぶ。という過ごしかたをしました。

あちこちにおたのしみがあります
で、セッションですが、最大のハコで300人くらいのキャパ。最小のハコで100人以下というばらつきがあり、デザインセッションのような「Googleファン層から考えてさほど人がこなそう」なネタは100人以下のハコがでした。で、ハコが小さいネタの場合ストリーミング中継も無し。で、どうなったかというとUSJのハリーポッター状態といえば伝わるかしら。とにかく入れやしない人数がテントを取り囲み、結果セッション見れず。という事態があちこちで発生していました。
むおーん。
結局観られないという状況は最悪なのですが、確実に観るためには開場の50分前くらいには並ばなければなりません。
で、日本の春先の気候ですと野外で並ぶのはさほどハードル高くないとおもうんですが、Mountain Viewの容赦ない日差しは10分もあたっていると相当体力が奪われます。そして日本からの参加組は朝からカフェインを大量摂取した絶賛時差ボケ中の体です。超アウェイ。そんな状態で酷暑の野外から空調の効いた屋内に入れたとして、今度入ってこないのは「英語」。つまり、セッション前に疲れすぎて、かんじんの講演内容が全然頭に入ってこないwという事態を何度も経験しました。
いやーつくづく私はWWEのレスラーにはなれないと思いましたね。毎日自力で長距離を移動しながら体調を整えて試合に望む生活は無理。っていうか、この状況でセッションちゃんと聴くの無理w。それじゃあ来た意味無くないか?と思われるかもしれないですが、過酷な自然環境に順応してフェスを楽しむというのは音楽会ではあたりまえなので、あとは参加者が慣れるか主催側がもうちょっとだけイテレーションすれば全然価値ある体験として成立するんじゃないかとおもいますよ。

現地の気候など

快晴の条件で日光があたっている場合、凄く暑かったです。カリフォルニアってステップ気候と地中海性気候が入り混じってんのでしょうか。乾燥地帯によくある「日が出てたら激アツ。無ければ激さむ」状態でした。月面かよ。
基調講演の時の話。開始直後は会場のShoreline Amphitheatre(敷地内の大きいステージの名前)上の屋根が広めに日陰を作っていたのですが、日が高くなるにつれ一般参加者席は全体が日当たり良くなるという事態になりました。
日があたってないときは普通に涼しくて快適で膝の上にPC乗せてメモ取りながら聞いていました。日が当たりだすとキーさえアツくて触れなくなるほど(マジです。大げさではなく、MBPが熱々になりました)高温化しました。日が当たると死ぬな。と思っていたので、客席の右袖を日光が照らしだした瞬間の絶望、ここも遅かれ早かれ焼け野原、という諦感すごかったです。interview with the vampireって映画で子役時代のキルスティン・ダンストがじりじり移動する直射日光で焼け死ぬシーンを思い出した。

日があたっているところが地獄

もうFirebaseがどうのこうのあたりから意識がもうろうとし、サングラスしていても眩しくて眩しくてお前眩しくて何も見えなくて夏。でした。
基調講演終了したら即、隣のてんてんとふかみんの生存確認して日陰に逃げたかったですが、数千人同時に2箇所しかない出入り口からのバキュームはけっこうな時間がかかり、しかも出たところで逃げ場が無く、そのままほうほうの体でランチ支給窓口にたどり着きましたがランチすでに無く、ここもランチない…ここも…と二人の子供を連れて焼け野原で食料を探し、やっと見つけたランチボックスを、トイレの壁で出来たほんの少しの日陰のなかで食べさせる…といった流れでした。
今思えば面白かったですが、当時はこんな心境でしたね。
そんな初日だったにも関わらず、翌日は少し雲が出ていて風が強く、午後から一気に寒くなるという。どんだけ寒いかというとダウンジャケット欲しいというくらい。でも終日ランニングに短パンみたいなマッチョなラテン系とかも平気でいるので世界は奥が深いですね。

来年

今年は全体的に心と体の準備不足でした。もう10年以上野外音楽フェスも行ってないし、あの自己責任が生み出す自由とスリルの連続にある細切れの幸福感みたいなのをマネージする能力が衰えてましたね。それがしんどかった状況を作ってしまいました。
あの会場でまたやるのでしょうかwもしやるのであれば十分それに備えて臨みたいとおもいます。
あと、むこうの連中はほんとタフですね。どうせデベロッパーの集まりなんだからもやしっ子ばっかりだろうと勝手に思っていましたが、炎天下の野外で長時間喜々としてダラダラしている連中は強いと思いました。
液晶見える???見えなくない??みたいな場所でのびのびと黒い画面を広げるワイルドな開発者たち。そんな奴らにデスマーチなどありえません。「code道場」みたいなのが西海岸にいっぱいあるけど、こいつらガチなのな。道場ってのは文字通りマーシャルアーツ会場なのな…。といった妄想も止まらないです。
苛酷さだけに目が行って「そんなの行きたくねえわー」と思うのはもったいないです。苦労は金を払ってでもしろ。ということわざもあるので、今年見送ったかたは是非来年検討してください。