陣痛から出産までのプロセスの説明とか、院内の施設説明、出産後の生活の基礎知識習得といった学習内容で、夫婦とかパートナー同士が二人揃って参加します。長男のときもお母さんを対象に沐浴指導とかはありましたが(11年前w)、夫同伴が参加条件とは世の中も変わったもんですなー。
夫立ち会い出産希望者はできるだけ受講してください。とのことだったので、講習内容にも立ち会いを前提とした内容が盛り込まれています。
例えば、むくみやすい妊婦の足を夫がマッサージする方法とか、陣痛が始まったとき、夫に腰をさすってもらうときの位置とか、子宮口が開いたものの、まだいきんではいけない段階で夫がやるとよい行動(呼吸に合わせてテニスボールを子宮口めがけて突っ込むのですよ)とか、寸劇形式で出産間近の状況で夫が妻に声をかけるときのシミュレーションとか。
そして終了時にはひとこと「出産はパートナーの助けがないと乗りきれません。積極的にサポートしてくださいね」と釘をさされます。
しかしながらこの陣痛という現象。自然分娩を選択した以上いつくるのかは医者でも全く読めません。予定日なんぞ単なる目安ですし。陣痛スタートの時点から夫がそばに控えていられるかどうかは運です。なんだかんだで産院に駆けつけてみたら生まれてた。というのは、当たり前にあり得ることでしょう。
客先に行った時うっかり携帯を忘れる。ということだってありえますし、完全に消音、移動中で電波が届かない。ということもあるでしょう。
そればかりか、出張中だった。という可能性も否定できません。
もっと言えば自然分娩で行けるかどうかも不確実です。直前で帝王切開に切り替わる可能性だってありますし、とにかく計画通り、練習通りにいってラッキー、いかなきゃまあしゃあないよね〜。程度のゆるさは欲しいです。
だがしかし。両親学級では相当夫のプレゼンスを強調します。立ち会いを自ら希望している男性の気分を盛り上げるためによかれとおもって追い込んできてるのかしら。という気もしますが「夫の手がないと乗り切れない」とまで言い切られた妊婦が、几帳面な性格で初産だったとしたら…。彼女が計画通りの動きをたまたましなかった夫を「一生許さん」と思ってしまうってことはないのだろうか..と心配です。
そもそも妊娠出産という現象に、男性なんか蚊帳の外なのです。女性は日々刻々といやおうなしに体の様子が変わり、複数の障害を乗り切りながら脳内麻薬物質の力を借りて大きなカタルシスにたどり着きます。
その時なかば自動的に「おかあさん」にトランスフォームしたあと、額に汗して興奮気味に仰ぎ見た夫が10ヶ月前のただの男と何も変わらないという。それが現実です。
そのギャップを少しでも縮めようというのが両親学級かもわかりませんが、わかんないもんはわかんないのでしょうがないというあきらめというか、そういう現実の受け入れも女性側には必要なんじゃないかという気もします。
子育てに参加しろ。もっと妊婦の気持ちを理解しろ。と、言われたところで産院では男性側の心理的な不安や相談事をサポートするメニューは、私の知るところありませんし。そろそろそういうのあってもいいかもしれませんね。
家族が増えて仕事にプレッシャーを感じつつ、グチも言わずに子供やよめさんに気を使い続けることが「求められるイクメンの姿」だとしたら、自分に出来るかなあー。できないだろうなあー。なんか今の男の人ってタイヘンだねえ。と、思いましたよ。