要訂正その1:未婚の子持ち女性は夜の仕事しか選べない境遇に陥りやすい
これ若い人が言葉通り受け取っちゃうと困るのではないでしょうか。この考えの根底には「夜の仕事は簡単で、誰でもやれるがゆえに切羽詰まった子持ちの女性にオススメ」という誤認識があるのでは?と思うのです。
確かに若さと外見が揃えば雇用のハードルは低い場合もあるでしょう。
しかしまともにキャリアとして考えた場合、夜の接客業ほど技能を求められる職場はありません。まず年齢とともに相応の知性も求められますし、料理の知識や雰囲気作りなどサービス業ではあたりまえのノウハウが無ければ働き続けることは難しいです。現に年を経ても夜に接客業を続ける友人はみな相当の知性と技能を持つプロです。当然勉強もしています。わたしなんかは子供が居るならそんなハードな仕事よりも普通にコツコツ勉強して薬剤師とか翻訳業とかを目指したほうが簡単じゃないかとすら思います。
とにかく夜の仕事は「しかたなし」に行くところじゃないぞ!周りはプロだらけだそ!と、大人は夜の仕事をナメないでほんとのところを教えてあげたほうがいいです。ケツさわらせて仕事になるのは25歳までです!(多分)
さらに、こうした誤解が手伝ってか夜の街では子持ちの若い女性がかなり多いです。一度だけ夜、繁華街の託児所に子供を2時間ほど預けたことがありますが、4畳くらいのスペースに12人くらいの子供が居ました。猫カフェの猫ちゃんのほうがまだマシです。需要があるので供給側もサービス改善の必要がないのでしょう。とにかくそういう劣悪な環境に進んで飛び込む(2時間だけ飛び込みましたけども)ことはないと思います。
要訂正その2:母子家庭は弱者だから守ってあげなきゃいけない
若い人がこれを受け手として言葉通り解釈して「母子家庭になったら守ってもらえるもんだ」と思うのはやめたほうがいいです。
なぜなら、いきなり「お前を守ってやる」と提案してくる強い立場の人間に、まともなやつはいないからです。そういう大人はだいたい弱い立場の人間に依存させて自立しにくい状態にし、最終的に「お前らを守ってやったんだから、お前らは黙って俺の言うことをきいて信頼とか票とかをくれてりゃいいんだ!」って要求してくるに決まっているのです。
それで票をあげたとしても依存関係を維持する必要が向こうにはありますから、絶対にこっちを自立させたり、他人を守れるほど強くさせてはくれません。せいぜい「保育施設に公的資金投入」という提案をちらつかせてくることもありますが、保育施設が自立して商売が成り立つようになるほどの知恵をかしてくれることもありません。
もし、いいお給料をもらっている男性と巡り会って「君を一生守っていくよ」と言われてもやっぱり同じことです。心の中では「一生依存させて俺のために尽くさせてやるぜ。フハハ」と思っているかもしれないし、そうじゃなくても子供を残してうっかり死んでしまうかもしれないし、死ななくても働けない体になってしまうかもしれません。そんなとき、ちゃんとその人のサポートができなければ不公平でしょう。
一番良いのは、女性でも仕事をもって、自立することをあたりまえだと考えて、勉強することです。
サルトルというかっこいい哲学者は言っています。
「君は自由だ。選びたまえ、つまり創りたまえ。」
今日の自分自身の行為は、自分自身の未来を作るもとになっている。そして自分自身の未来は、社会の未来を作るもとになっている。だから、今日の自分自身の行為が、社会を作ることと同じだと自覚しよう。自分がどういう社会に住みたいのかは、自分自身が自由に決めることができるんだよ。という意味だそうです。
そういわれると確かにそうだと私は思ってます。
夜の世界はプロの世界...。それをアツく、そしてわかりやすく表現した大人のマンガの金字塔ですよ...。