解説時、敬称略。
下北沢本多劇場で2008年10月24日(金)~11月3日(祝)まで公演の喜劇「学おじさん」を鑑賞。出演者は伊東四朗、平田満、片桐はいり、馬渕英俚可、森本亮治、飯田基祐、吉田麻起子。
平田、片桐夫婦と大学デビューでやさぐれる息子森本の前に、平田の叔父と名乗る風水師の「学」さんとその弟子たち(馬渕、飯田、吉田)が現れてかき回す。というお話。
開演直後は片桐が圧倒的パワーで話をぐんぐん引っ張る。そのうち平田の気配の凄まじい殺し方に職人技を見る。満を持して登場した喜劇界の人間国宝伊東。声も抑えめだし枯れてるし、じいさん大丈夫?と最初は思うのだが話が進むうちに舞台どころか観客全員までもが伊東のペースに巻き込まれて行く。一拍完全にずらしたリズムを最後までキープしてまったくつかみどころがない。わりとほっこりした話なのに終わってみればこっちが汗びっしょり。もちろんそのペースを出演者全員で際立たせているのだが、インタラクティブを超えている。もう、伊東四朗、今他人だと思えない。
奇妙な役柄ながら片桐の立ち姿の美しさにも見ほれた。インタラクティブコンテンツ制作者で舞台鑑賞経験のない方がいらしたら是非小さい箱の作品に足をお運びください。
終了後はいりさんに挨拶しに行って、なんだか今日はとっても奇麗だった。と話したら「私、小学校の修学旅行で迷子になって、華厳の滝見てないのよねえー。ねえ、どうなの?華厳の滝って。」とぜんぜん違う話に。姉さん。どうなの?って、滝です。