2014/08/03

ゴキブリを怖いと感じる私なりの理由

私は北海道で生まれ育ったためゴキブリの本物を初めて見たのは大学2年生の時です。
一人暮らしを始めた古いアパートに引っ越したその日に台所の床を「たーっ」と走ってきて、分解した状態の掃除機のホースの中に「さっ」と入ったのを見てびっくりしました。
初めて見たにもかかわらず、すでに怖かったです。
よく「ゴキブリの怖さはDNAに刷り込まれている」などと言いますが、私は後天的に「これはあかん」と感じたちゃんとした理由があります。

中学生だった私は、今思うとよく親が心配しなかったな、と不思議に思うほど熱狂的なホラー映画ファンでした。
当時からゾンビ映画に心酔し「The night of the living dead」をはじめとしたジョージ・A・ロメロ監督作品やサム・ライミの「死霊のはらわた」なんかを喜んで観たものです。

で、1986年映画「クリープショー(The Creepshow)」というのが大変話題になりました。5話のオムニバス形式で、監督はジョージ・A・ロメロ先生。脚本が偉大なホラー小説家のスティーブン・キングという豪華な顔ぶれ(USでは1982年に公開されていたのですが、日本上陸はちょっと遅れました)。これは観るしか無いでしょう。ということで観ました。

嫁と浮気相手を殺害したら両方ともゾンビ化して復讐されるかわいそうなオッサンの話とか、隕石に触った農夫(スティーブン・キングが熱演)から草が生えてきて観葉植物みたいになって死ぬ話とか、ホラー映画のコアエッセンスである「なんでやねん」と突っ込みたくなるお笑い要素も満載です。

そのシリーズの第5話が、私にゴキブリの恐ろしさを刷り込んだ
「They're Creeping Up On You」でした。
筋は、生活感の無いマンションで在宅勤務する冷酷かつ潔癖症の男の前に、ぽつり、ぽつりとゴキブリが出てきます。そのたび殺虫剤で駆逐するのですが、最終的には手に負えないほど増える。というものです。
最初のうちは白い床をサッと横切る1匹とか、家で虫が出る平凡な光景だったのが、次第に「シリアルの箱にぎっしり」とか「排水口からどっさり」とか「虫が湧くシチュエーションとしては最悪」の状況へとエスカレートします。それも、実写で。
そう。1982年に3DCGなどありません。何が凄いって実写なのです。どっからどうやって集めてきたか知りませんが、ワモンやクロが湯水のごとく画面狭しと大暴れ。
それを観て私が思ったことは「ゴキブリって、群れるんだ」でした。
今思えば常識ですが、当時私はゴキブリをみたこともありませんし、その生態についても興味がありませんでした。しかし、その映画によって「1匹出たら、どっかに凄いたくさん居る」ということを衝撃を持って理解、信じるに至りました。

大学生になって初めて殺虫剤でゴキブリを殺したとき、死に際で腹を上にしたのを見て「映画と一緒だ..」と、あたかも惨事の前触れのように捉えて怯えたことを思い出します。
今でも部屋でゴキブリを見かけると、あの映画のようにならないためにはどうすればよいかと考えてしまいますね。

じゃあ、アリンコパニックの「黒い絨毯」でアリが怖くならないのか?という気もしますが、アリはもともと群れることを知ってましたし、どっちかっつうとイナゴのほうが怖い。と思っていたのであれは子供心にたいした怖く感じませんでしたね。

これを読んでちょっと興味でた。というかたは是非フルレングスでアップされていたので御覧ください。

They're Creeping Up On You(自己責任w)

今見ると、「日本にはブラックキャップという強烈な駆除剤があってね..」と紹介してあげたくなりますね。
あと、黒い絨毯のマラブンタには「アリメツ」という強力駆逐剤が効果的だと思います。