ルー・リードが死んでしまいました。
たしか、美大生らしくウォーホルをおっかけていた途中、ファクトリー武勇伝的な文脈で音を聴いて、ギャーとおもったのだと考えてます。
大学に入ったばかりで友達もいない自分の、唯一の友達というか、酒を飲む時のアテのように聴いていたせいでか、とにかく真っ暗な中で聞こえてくるのは、Louの声だったので、目をつぶったり、暗かったり、なんだかわからなくなったときにはいつも、Lueの顔をわたしは見てたように思います。
さみしいときに考え事をするのが嫌で、The Velvet under groundをヘッドフォンで聴きながら、ラム酒をコップでガーッと飲んで、安心できたことをよく覚えています。
いつだったっけか、村上龍がトパーズという映画の監督をして、完成打ち上げの受付をやったとき。おさげのインド人みたいな格好の私にどんな音楽が好きなの?と尋ねてきた男に、Velvet under groundと答えたら、あーVelvet under groundが好きな自分が好きってタイプだ。と言われてこの野郎と思ったんだけど、その後新宿アルタ前を行き交う人をボケーっと撮影してたその映像の中にその男が歩いてるのがたまたま写っていて、お前は私の世界のクソくだらねえ1片の風景だ。ざまあみろ。と悪態をついて、Velvet under groundの音楽をアテてやって1つの映像作品として仕上げてやりながらもそのフッテージをなくした。
て、ことをなんか思い出した。
Louが死んで、年をとると自分が自分でいることの証拠を失っていくということの実感がよくわかった。でも、それはあんがい、悲しいことではなかったな。
これからもずっとともだちでいてね、Lou。