2015/05/01

昼間のヒルズの意識高い話

タダ券をもらったので、ヒルズの高級中華料理店に行った時のこと。
ひょろメガネでシャツだけどノーネクタイのこざっぱりした兄ちゃんふたりと、官僚みたいな無個性だけど腹回りの図太いスーツ姿のおじさんが入ってきた。

おじさんはテーブルに着くなり
「いやあ~昨日までシンガポールで連日中華ぜめだったからさあ。飽きちゃったよ。中華。ねえ(ウェイトレスを呼びながら)これから向かいの寿司屋に移動してもいい?こまるよねえ~。そんなことしちゃ、いやだよねえ~。」
ウェイトレス「いえ…お席の状況確認して参りましょうか?どうされますか?」
「じょーだんだよじょーだん~~」
と、いうやりとりのあいだこざっぱりたちは猫みたいに黙って座っていた。

注文を済ましてからこざっぱりAが「いかがでしたかシンガポール。長く滞在されたのでしょうか..」と。おじさんはいやいやたったの2日間。ちょっと出資先とね。うーん。ここ、昔はもっとメニューも多くていい店だったんだけどなあ。おれがよく通ってたころはさあ。と、言いながら靴下になった足をバタバタさせている。さっき膝に置いたのにもう床に落ちてしまったナプキンの上に、脱ぎちらかした靴が乗っかった。

こざっぱりBはおじさんの好みを訊いたりして注文を済ませながら、そろそろアーリーステージも終わりなので我々も次の動きを考えなければならないうんぬん。
おじさんは、そういえば知ってる?中国人は小籠包に酢かけて食わないんだよ。とかヨタ話がしたいようでシンガポールのあそこのあれはうまいみたいな話をし続ける。
いやあ、僕は食べたことないですが…とこざっぱりはなかなか話したいことが話せないのがいやなのか、おじさんのがらっぱちな態度に気圧されてるのか、相手のペースに合わせないようにタイミングをずらしながら押さえ気味のトーンで話し続ける。

食事が進むとおじさんもおとなしくなってきた。
このあたりでこざっぱりBが「…ところで、スタートアップが次に着手する分野としてはやはり、農業であるとか、第一次産業、あるいは工業であるといった既存分野に対し新しいサービスを生み出すところかとは思いますが、それがVC様の時間軸に合うかどうかは別として、流れというか可能性というところですが」
などといろいろ言ったところ、おじさんは「うーーーーーん」とお腹いっぱいになったんだか、豪放磊落なグルーヴに合わせてこない若造の生真面目なだけでつまらない態度に寂しくなっちゃったのか、変な声を出した。

「どうだろうね。サービスは、もう…いいかな。最近じゃ、私なんかの周りやね、シンガポールだと、みんな新技術の研究。R&Dに対して直接投資するからねえ。
そう言って、「あー。シュウマイ食べたいな。」と追加注文したらウェイターが「みなさまも他に麺物や炒飯などいかがでしょうか?」と勧めてきてこざっぱりたちは「あ、僕、チャーハン。」「あ、僕も、チャーハン」

タダ券で食えるのは団子3つと汁そば1杯程度なのでこの辺で食べるものもなくなった私は帰ったわけですが、商売の世界は今も昔も、ネクタイをしたいっけんゲスいがお金と仲のいいビジネスマンと、技術開発に勤しむ研究開発者が回しているのかもしれないなあ。スタートアップだなんだといってあたかも新しいルールで何かが回っているみたいに、外からは見える世界も、そういう根っこのとこは変わんないのかもなあ。などと勝手に想像しました。

中華料理は美味しかったです(※半分くらいフィクションです)。


中華ぁ〜料理ぃ〜ってとこが大好きなんですが、いまや清志郎が一緒に歌わないと寂しい曲になってしまったね。


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