2014/09/25

育児の常識、更新のお知らせ

11年ぶり2回目の出産にあたり、子育ての常識が微妙に変わっていたのでメモ。

・乳児の服を家族と分けて洗う必要はない
・風呂あがりに白湯を飲ませる必要はない
・抱き癖などという癖はない
・授乳のたびに乳首を洗浄する必要はない
・ベビーパウダーとかベビーオイルとかをつける必要はない

・乳児の服を家族と分けて洗う必要はない
家庭内に存在する「常在菌」は、基本的に人体に無害であり乳児に対しても同じなのだそうです。今でも育児雑誌で乳児の服を分けて洗う手順なんかを説明しているのをみかけたことがありますが、とくに意味ないそうです。
また、購入したばかりの乳児の服などを「水通し」といってすすぐ習慣もあるようですが、これも「タオルの風合いを良くしたい」といった目的がない限り、新品の服に付着しているかもしれない菌とか何とか物質とかで乳児がどうにかなってしまうことは考えにくいそうです。また、服の素材的にOKであれば乾燥機の使用も問題なし。我が家はしっかり乾燥させると縮みそうなので、やや生乾き程度で乳児用品を取り出して室内干ししています。乾燥機を使ったほうが短時間で乾くし、取り込みや天候調査の手間が省けるのでかなり家事が効率化できます。

ただし、問題は菌とかでなく家庭で使用している「洗剤」のほうだとか。
年々除菌効果とか真っ白効果とか芳香機能などが加わっているせいで敏感肌の人間にはアレルギーなどを引き起こす可能性があるそうで、菌なんかよりそちらのほうが懸念されるため、家族の服と一緒に洗うときは赤ちゃん向けとか敏感肌用の洗剤の使用をオススメします。
と、助産婦さんのアドバイスでした。

・風呂あがりに白湯を飲ませる必要はない
昔は沐浴の最後の1手間として紹介されていた「白湯をあげる」でしたが、ミルクや母乳で十分足りているのであえて与える必要はないそうです。
10年前長男にはあげていましたが、めったに飲まずストレスになっていたので気が楽になりました。

・抱き癖などという癖はない
ないそうです。

・授乳のたびに乳首を洗浄する必要はない
これ。10年前は母乳を与える前に洗浄綿という商品で乳首を綺麗にしてから与えること。とされていたのですが、やらなくていいそうです。えー。私の汗と子の唾液でドロドロになっている状態でいい感じに発酵したりしないのかしら。と思いましたが、拭かない状態の匂いが乳児にとっては飲む気持ちの刺激になるそうで、良いんだとか。

で、それに関連して哺乳瓶は毎度殺菌する必要はあるのだろうか。という点がきになるところです。産院では現在も哺乳瓶の殺菌処理はおすすめしていましたが、米国のリソースでは「必要なし」になっていたので参考までに。

Should You Sterilize Your Baby's Bottles?

水道水と洗剤で十分菌は取れるんだそうです。
殺菌処理の必要性は浄水技術が脆弱だった頃の話だとか。それよりいくら殺菌したところで乳首に手を触れたり、ミルクを作る工程でいくらでも菌はつきますよ。ということです。
ちなみに我が家では1日1回程度気が向いた時に電子レンジでチンします。日本の電子レンジ滅菌グッズは5分を要しますが、米国指南では90秒。と書いてあるコンテンツがあって笑いました。

・ベビーパウダーとかベビーオイルとかをつける必要はない
昔はオムツを替えたり風呂に入れるごとにムレ防止でベビーパウダーをおしりやシワの部分につけたものです。
しかしベビーパウダーは乳児の汗腺を塞いでしまい肌にあまり良くないという研究結果があるんだそうで(助産婦さん談)オススメしないとか。また、オイルなどの保湿成分もカッサカサになった場合以外は付けなくて良いんだそうです。

その他日米での違い
・新生児を毎日風呂に入れる必要はない

Bathing your baby

によると、新生児は1周間に2,3回程度、台所のシンクでちょっと洗うくらいで良い。とのことです。理由はそんなに汚れないから。顔やおしりをちょくちょく拭いてやれば問題ないとか。
また、水が硬水の地域では乳児をしょっちゅう水に漬けることで肌の感想を招くので注意が必要だそうです。

まじですか。産院では「乳児は時期にかかわらず毎日お風呂(沐浴)に入れること」と指導されるのでこれは意外でしたが、そんなに洗わなくていいんですね。40過ぎた福山雅治もあんまり洗ってないくらいですから、赤ちゃんを毎日泡だらけにする必要がないのはうなずける気がします。
月齢が6ヶ月くらいに上がると、入眠儀式の1つとして毎日お風呂にいれてやったほうがいい。というのは大人と同じことですね。

いろいろテンプレ化していて疑いもしないことが多いですが、「ほんとに必要なのそれ?」という工程に関しては調べてみるといろいろ別視点による意見が出てくるので面白いものです。


2014/09/15

娘をリリース

9月11日の夜、寝る前に息子がお腹の中の妹に「明日生まれてくれなきゃ困るんだよ。土曜日から三連休でしょう?明日産まれたら俺は留守番だから学校を休めるの。四連休。小学生の四連休は夏休みよりいいものなんだ。わかるか」とかいうので、ご都合主義かwと突っ込んだら「兄よりすぐれた妹など存在しねえ」とか変顔でジャギの真似をしたのがツボってゲラゲラ笑っていました。すると

ばっつん

とお腹ですごい破裂音が。
ちょwww破水したwwと、まだ笑っていたら、息子は無言で自室で寝ていた夫を起こしに行き、いろいろ準備して病院へ。
「猫の世話は任せて。いってらっしゃい」と笑う息子の笑顔には「夜どうしyoutubeを見まくり、モンハンをやりまくるぞ」という意思に溢れていました。

病院についても陣痛があるわけでもなく、夫とニヤニヤ話をしていました。
そのまま入院になって、診察したら子宮口も開いていないと。このままでは翌日の昼すぎ産まれるかどうかだなあと、私は後に分娩台となる椅子の上で、夫はその後ろにある普通の肘掛椅子でデスマーチ中の下っ端開発者のように背中を折り曲げて寝ていました。

小一時間すると痛いなという感じがしてきて、ナースコールしたらもう4センチくらい開いていると言われました。
しかし出産までにはあと6センチもたりない。ここからが厳しい戦いになるんだよなあ。4、5時間くらいかかるんだよなあ。と、思っていたら2時間あまりで9センチに。うそーん。
時間が短縮されるのはほんとにうれしいのですが、こころの準備が追いつきません。もう会話も成り立たない。唸ることしかできない例のあの、地獄の時間がどのタイミングなのかまるで読めない。
わたしはけっこうパニック状態でしたが、それまで夜に弱く、眠気で冬眠明けのヤマネのようだった夫に急にスイッチが入りました。

ストレスモニター(陣痛の襲来を数値と波形で示す機械)を見ながら「はい、次の波来ます。深呼吸。吸って。はい、長くはく細くはいて」
このオペレーションのおかげで短期的なこころの準備ができてとても気が楽になりました。

そして、モニターチェックしながらも冷静にビデオを回し、「只今○○時○○分...」と、必ずはさむ姿に、藤村忠寿か。と、思いました。

唸る時間から子宮口全開の「叫ぶ時間」に移行し、鈍痛が鋭利な痛みに変わってくると、パニックどころか人間性も失われてきます。もうこれはだめかもわからんね。という気分になっていましたが、あいかわらず夫が横で
(私が叫ぶのでちょっと声のボリュームを上げて)「はい吸って。はいて。はい次くるよ。あご引いて。目つぶらない。目を開けて。息吸って、はい。いきむ。いいね。うまい。」と、また淡々とオペレーションをしていました。そのトーンを聞いて、NASAか。と、思いました。

しかしおかげでいきむタイミングでこころの準備ができ、絶望しなくてすみました。夫の商売は技術開発ですが、事業内容に助産師を加えてもいいんじゃないかと思います。

病院スタッフや夫、何より自分の力でどんどん這い出してきた娘のおかげ(あ、楽しく留守番してくれた息子もね)で陣痛スタートからわずか3時間半程度という超安産で出産を終えることができました。
終わったあといつのまにか医者側の立ち位置で興味深そうに後処理を見つめていた夫が「それはなんですか?」とか「胎盤は意外と大きいですね」などと病院スタッフに話しかけまくっているのを聞いて、インターンか。と、思いました。

久しぶりに赤んぼの世話に集中します。
また仕事に戻る日が来るのもたのしみです。

2014/09/05

「女性活躍担当相」の余計なお世話感

女性活躍担当相って何さ。
ネットで調べたのですが、よく分りませんでした...。
一人歩きしているこの単語ズバリでぐぐってみたのですが、さすがのGoogle先生も変なニュース記事を拾うばかりで内閣府の解説ページ的なコンテンツがまったく検出されません。
そもそもオフィシャルな解説は自民党のサイトにも無いようです。

わらにもすがる思いでWikipediaに行き

第二次安倍内閣(改造)

を参照しました。
ようするにこのポストは内閣府特命担当大臣のことであり、以下の3つのプロジェクトをリードすることが仕事のようです。

  • 消費者及び食品安全担当
  • 少子化対策担当
  • 男女共同参画担当

仕事多いですね。
で、それでもよくわからないのでなんとか女性の活躍促進とかで内閣府のサイトをあさってみたら、やっと内閣府男女共同参画局というのがひっかかって

女性の活躍促進

というのが出てきました。
ここに輝く女性のなんたるかが集約されているようです。

そのうちの1つ。

ポジティブ・アクション

をみてみました。
”ポジティブ・アクションについて、一義的に定義することは困難ですが、一般的には、社会的・構造的な差別によって不利益を被っている者に対して、一定の範囲で特別の機会を提供することなどにより、実質的な機会均等を実現することを目的として講じる暫定的な措置のことをいいます”
だそうです。管理職クラスの女性を30%増やそうという数値目標はありますが、この説明がちょっと難解で共感するのが難しい気がします。

ちなみにポジティブ・アクションのアクションそのものは厚生労働省管轄のようで、サイトもありました

ポジティブ・アクション(公式サイト?)

しかし、雇用者向けと被雇用者向けコンテンツが明確に分けられておらず、誰の課題を解決する場所であるのかが分かりにくい構成なのと、抽象論が多くて時間をかけて閲覧すると会社をクビになったり子育ての合間の大切な時間を無駄に取られてしまいそうです。

チャレンジサイト

単なるリンク集です。
コアコンテンツであるはずの「チャレンジしたい→働く」に遷移すると、いろいろな支援団体的なところに単にリンクを張ってあるのですが、上から2つが9月5日現在リンク切れしていて、切実な思いでクリックした人はさぞがっかりするでしょう。運用しろよ。

私は常日頃から女性も仕事を持つことで経済的に自立し、自由意志を発揮してあくまで自分の幸せのために子供をもうけたり、家族や社会と良い関係を築いたりすると素敵だと考えています。しかしながら「女性も経済活動に加担しよう」というメッセージがプロパガンダになると凄い違和感を感じます。
そのうち専業主婦がいる家を嗅ぎ付けた鉢巻きおばさんが「お国のためにあなたも社会に出て働くべきです」とかいってビラまいてったりしないだろうな。とか、優雅な専業主婦の理想的な生活を描く雑誌のVERYあたりが「代官山におしゃれバギーでお散歩ついでにランチですって!この非国民が!」なんて廃刊に追い込まれたりする社会は嫌だ。とか思う訳ですよ...。しないと思うけど...。

そもそも国策として「子供を産め」って他人に指図すること自体、大手を振って基本的人権の尊重を毀損することですし。
そもそも心底ではやりたくもないことをやらされるハメになった人ほど、その苦しみを他人様にも与えたいと思いがち。あたしだって大変な思いをしていままでやってきたんだからアンタもやりなさいよ病の人間が増えては困ります。
そういう意味で「女性活躍担当相」ってのは余計なお世話感がプンプンするなあ。と、思いました。

文句ばっかり言って申し訳ないです。



これぞまさに自由。ひげを生やして家事にいそしみ、全身タイツでロケットジャンプ。
生まれたからにはこうやって生きたいものですね。