2014/08/29

専門的な職場で愛され系40代になる難しさ

仕事関係やなんや(私はIT系のデザイナーで周りもだいたいIT関連)で、「現場にこういう人がいて困る」という話を訊くのですが、現場の主力を困らす人の共通点を見出してしまいました。

だいたい40代 (∩´∀`)∩ワーイ

私も40歳なのでちょっと立ち止まってこの問題を掘り下げようと思います。
40代への苦情、お問い合わせに出てくる3つの傾向

  • 人の話をきかない
  • 企画力はあるが実行力がない
  • やたらと批判的
この3つが合体してひとつの人格を形成したとき嫌われてしまうようなのです…。
では1つ1つどういうことか考えてみます。

人の話をきかない

メタファーじゃなくて文字通りの意味です。打ち合わせとか会議のとき、その人だけがワンマンショー状態でしゃべりまくって終わるという現象。
議題の解決につながるのならいざしらず、論点がズレてもお構いなしだったり、予定の時間を超過することもいとわないので周囲をびっくりさせてしまいます。
相談しようと声をかけたにもかかわらず、相談ごとさえ伝える間もなくしゃべり倒されたというケースも。

なんでそうなるのか

人材育成の経験がない人に多い現象なんじゃないかな..。
30過ぎくらいでプロジェクトチームとか同じ組織といった「同一の目標に向かうものたち」のなかで指導者的立場を任されると「マネジメントとはまず相手の課題を訊き出すことである」というメソッドが自然に身につきます。
しかしそういう経験がない場合、自分自身の経験論にこそ、教育的価値があるのだと思い込むのです。結果、相手が求めていようといるまいと(そんなんわかりっこないですだって相手の課題を知らないんだもの)オレはわたしはこうやってうまくやってきたぜ!という話をとうとうとすることになります。なんか中途半端な成功体験並べたりして。
当然50代にもそういうリスクはありますが、40代の場合年齢的に「もうそろそろオレのターン」的になっていることも手伝い、勢い3割増しでしゃべりまくってしまうという…。
これは怖い。正直自分もこっちのほうが相手より多くモノを知ってる、というアドバンテージにそそのかされ、無駄に知見を披露してしまった記憶あります。でも、よく考えると相手の課題とマッチしていなければ、相手にとってはただの時間のムダである。ということを常に意識しておく必要があるのですね…。

企画力はあるが実行力がない

自分の思考力と知見を持ってすれば、これこれこういう企画は10種類くらいすぐに思いつくよ。キミさえ良ければ手伝わせてあげてもいいけど、どうする?
的なもの言いをされて、びっくり…。という報告を聞くことが有ります。
現場の主力である優秀な20代、30代は決まってこう言います。

自分で、やれば…?と。

なんでそうなるのか

普通に現場力が衰えているせいですね。
40代になると体力も集中力も普通に衰えます。そのせいで現場での実行力が衰えるため、つい「人を使う」ことをまず考えてしまうのです。現場経験の浅い若手が「どうすればこの業界で食っていけるんでしょう。いろいろ構想だけは有ります!」なんて相談してきた日には偉そうに「そりゃキミ手ぶらで門を叩いちゃダメ。とにかくここまでやってみたっていう努力と自分なりの成果を持って臨まなきゃ」なんて言ってたくせに。いざ自分の手が動きにくくなったら手ぶらで現場の門を叩きまくるという始末です。そんなの総ツッコミを食らうにきまっているのに、なぜか自分にはその権利があると思い込んで疑わない。
疑わない理由もちゃんとあります。それは時間をかけて業界で築いてきた「人脈」が協力者のインセンティブになると信じているからなんですね。

なりませんお。

今や企画やアイデアなんかあったって実行に移せなければ単なるヨタ話と言われるグルメ時代。
企画力と人脈をチラつかせたって実行部隊には「パワポ上手な人」にしか見えていないのです。わーん。だから40代でも「おれはここまでやってみた。お願いだからこっからちょっと、手伝ってください!」と頭を下げるか、あるいはビンス・マクマホンのような圧倒的な現役感をもって相手を巻き込むかの2択しかないんです。
うーん。ビンスがいいなあ。やれるかなあ。

やたらと批判的

そういうやりかたもあるにはあるけどさ。経験上、そういうのうまくいくためしないよ。とか、ああ、全然わかってないみたいだけどそれ的外れだよ。とか、キミそういうの向いてないよね?そもそも無理でしょう?とか、なにかにつけて相手をつぶしにかかるというか、他者を手放しで褒めているところを見たことがない。そしてSNSでシェアする記事も「ほげほげするべき」とか「ダメな人の3つの習慣」みたいな叱り系記事ばかり…。という人が40代であることは珍しくないです。

なんでそうなるのか

自分が変われなくなっているので人を変えようとしちゃうんですね…。
他人を自分の都合のいい方向に仕向けようとしている人は、必ず批判的なものいいをして他者を脅します。もともと頭がよくてものごとの設計能力に長けた人が、自分のスタンスを変えるコストを下げるためにこれをやっちゃってる感じがします。
わたしもいっとき「この手は使えるかもしれん」と思いましたが、相手の先読み力のほうが上手なことが多く、うまくいかないのでやめました。
よく考えてるとそんな批判ばっかりしてたら周りの人だって面白いわけないですよね。また、いくつになったって自分なりの具体的な目標を持って生活していればその目標に応じて自分を変えていけるはずなのに。現役でいるってことは、いつでも目標を具体的に持てるってことなんじゃないかなーと最近思いますよ。

長く現場で愛され系になるためには、これらのポイントを克服せねばなりますまい。
あー。言ってるだけじゃなくて実行ですわなあ。



ビンス65歳のときのトレーニング風景wwwww