2013/07/25

ゴルァえもん時計


以前から気に入る時計がなくて困っていたのですが、息子が描いた変な絵を使って時計を手作りしてみました。
5mmのアクリル板に絵をUV印刷し、ドリルで穴をあけてムーブメントを取り付けただけの手抜き時計です。「ゴルァえもん」は絵を描いたとき、アンドロイダーの百名編集長が名付けてくれました。

新幹線の中で描いた、たった5cm程度の手書きの元絵をXperia Zで撮影、Photoshopで144dpiまで水増ししてレベル補正してます。印刷の場合、白はヌキになるので、アクリルはカラーにしました。
入稿データ(PSD)にはグレーっぽいノイズが含まれていましたが、見事にヌケました。逆に言うと、のる色の諧調が限られている...ということでもありますが、太めのフェルトペンなどで白い紙に書きなぐった落書きなどはいい感じに印刷可能だと思われます。じゃあ直接板に描けよ..とも言えますが、UV印刷はインクの「のってる感」が結構あって、直接描いた風合いとはまたちょっと違った感じでよかったです。

PSDで144だと高さ30cmには微妙に足りなくて、文字盤がよく見ると眠いです。
こんどはちゃんとAI入稿するか、350dpiに足るデータにしようとおもいます。


軽いから3Mコマンドタブのフックで適当に貼付けられます。私はアクリル板を印刷しただけで、ムーブメントは息子が勝手に取り付けてました。


2013/07/24

小学生が考えたAppleまきかえしのひさく

息子:(ニュースをみながら)ママーっ!Appleのタブレット商品売れてないんだって...

ママ:そんなことを夏休みの小学生が心配しなくていいよ。宿題やれよ。

息子:これはまきかえしのひさくがひつようになるな...

ママ:どこで覚えたんだよ。歯磨きしろよ

息子:わかった!ハーイハーイ!地味に金を取るゲームアプリをつくる!

ママ:いや、Appleがやらなくていいでしょ

息子:1ステージ10円。

ママ:いらないし

息子:わかった!お金を取るアプリしかインストールできないiPhone!

ママ:売れないよ

息子:いまiPhoneを買ったひとにはもういっこiPhoneがついてくる!

ママ:Appleの戦略じゃないでしょ

息子:うーん、わかった!!空間に立体的なモノが見えるようになるメガネ!

ママ:それAppleじゃないとこがやってるわ

息子:そっかあー。難しいなあ。頑張ってほしいね...てんぷくさん。

ママ:ティムクックさんだよ。失礼なききまちがえすんなよ。

いやー。いろいろダメですねー。

2013/07/18

息子の中国日記

先日一週間ほど息子を中国出張に帯同したときの日記。

ぼくは、一週間中国に、いました。
一週間、百度のかいぎしつにいたからあまり中国の、思いでがないけどびっくりすることはたくさんありました。たとえば、空気がうすかったり、上半身はだかのおじさんもいました。セブンイレブンがあったり、にせアップルストアがあったり、すごい場所です。
しかも、かんかんでりでも一時間後急に雨がふってくるようなこともあるし、食じ中は、つめたい飲み物は体にわるいから、あついお茶だけでした。しかも、中国は、ゴミの分べつをしないからゴミばこにいろんなゴミをいれてもいいんです。中国がぼくは、とても楽しかったです。


はだかのおじさんがにせアップルストアにいこうとしているの図

2013/07/07

怒りをコントロールする方法の入り口

先週、日本アンガーマネジメント協会、アンガーマネジメントファシリテーターの須田愛子さんをお招きしてお父さん、お母さんを対象に小学校でイベントを開催しました。とても面白い内容だったのでレポートします。

■アンガーマネジメントとは?
 怒りを適切に配分する・コントロールすること。具体的には、ムダな怒りを減らし、怒る場合は、表現方法や時、場所を見極めるといった自分の怒りの管理を意味します。
ただし怒りの感情を否定するものではなく「怒ってしまった自分を責める必要はない。怒ることはダメではない。精神衛生的には怒りを感じないということの方が問題」なのだそうです。子育て世代のよくある悩みに「あとで考えればつまらないことでも、そのときは感情的に子供にあたってしまうことがある」という話がありますが、怒りを悪いことと考えるのは、罪悪感によって精神的な健康を損なってしまう原因になるので注意が必要なんだとか。また、こうした問題は「怒り」について理解を深めることによってある程度解決できるのだそうです。その「怒りとは何か」を知る前に、まずイライラの原因についての話がありました。

■イライラの原因
 
怒り(イライラ)の原因のトップ3は「子ども」、「夫」、「自分自身」との調査結果が紹介されました。これらの3つの存在に共通しているのは、それぞれ自分にとって身近な存在であるということ。身近だからこそ、自分がコントロールできる対象だと思い込んでいるけれども、実際はコントロールできていない(宿題をしない、片付けない、など)ということが、怒りを生じさせるのだそうです。


■怒りの性質
 こうした原因を見極めることで、以下のような怒りの性質に気づくことができます。怒りは、


1. 身近な対象にほど、強くなる;相手をコントロールしようという気持ちの表れである
「言わなくてもわかるよね?」「これは常識でしょ?」のように考えることが怒りに結びつくのだとか。
2. 高いところから低いところへ(怒りの連鎖)
強い立場にある人間から弱い立場の人間に流れる性質があります。
3. 伝染しやすい
親がストレスから家庭内でイライラしていると、子どもがその影響を受けて学校のような集団生活の場に怒りを持ってくる傾向があるそうです。
4. エネルギーになる
怒りには、怒りをバネにして、モチベーションを高め、困難を乗り越えるエネルギーに変えるといったプラスの側面もある、とのことです。手塚治虫の「火の鳥」に登場する「我王」という彫刻家は「怒!」と叫びながら仏像を彫っていましたね。

■怒りは2次的な感情である
講演の中で触れられた子供に対する「よくあるイライラした対応」のうち、「怒りは不安や悲しみという一次感情が変異した、二次的な感情である」と説明した点には心当たりがありました。例えば子供が約束した時間に家に戻ってこず、帰ってくるなり「どこで何をやっていたの!!」と怒鳴りつける。というのはよくあることだと思います。しかしこれは言葉通りの質問ではない。一次的には「子供の安否を心配した不安」があり、それが怒りに変わるんですね。また、どこで何をしていたのか、という言葉を子供はたいてい言葉通りに受け取りますから「○○くんと、公園で、遊んでいた」のように説明することが多いのですが、このとき怒りの中にいる母親は「そんなことを訊いているんじゃありません!」と返してしまい、それが子供の「母親の期待に答えようとする態度を否定した状態」になってしまい、最終的には子供は悲しくなる。また、幼年であれば泣いて終わるところが、情緒が発達した相手であれば「悲しみ」という一次感情が二次感情としての「怒り」に代わり、ドアを思い切り閉めてその場を去る。といった行動になってしまう。まさに悪循環。怒りが伝染しやすいのは、不安、悲しみというコミュニケーション阻害が生み出す一次感情が原産だからなんですね。ちなみに怒りは三次的な感情にシフトするらしく、強い怒りは「恨み」に変異するとのことです。

 ■怒りを抑制する代表的なテクニックの紹介
 具体的なアクション(行動)や意識付けで、誰にでも、自分の怒りをコントロールすることができるようになります。

短期的・対処術
行動
意識
1. コーピングマントラ(魔法の呪文・言葉)
 怒ったときに自分自身を抑える言葉。
例:たいしたことない。大丈夫。どうってことないよ、と心の中で唱える。

2.
カウントバック
 ゆっくりと100から3ずつ減らして数える(100,97,94,91…)。意識を別のことに向けることが目的。反射的な怒りを抑える効果がある。
1. スケールテクニック
 怒りを10のレベルに分ける。ちょっとしたイライラも、ものすごい怒りも、同じように考えずに段階分けをしてみる。評価基準があれば、小さい怒りは受け流すなど対処できる。頭の中でレベル分けをしているときは、瞬間的に客観視でき冷静になるので反射的な行動が抑えられる。


長期的・体質改善
行動
意識
1. 身体リラクゼーション
 有酸素運動;ジョギング、水泳、ヨガ、ストレッチ等。
 一定時間これらの有酸素運動をすると、脳内にセロトニンやエンドルフィンが放出され、リラックスしてストレス緩和につながる。ただし運動が苦手な人がやると、かえってストレスになるので、無理は禁物。
1. 「べきログ」を付ける
 私たちは「○○すべきだ」という信念に基づいて生活している。自分が長年親しんでいることや、正しいと思っていることなど、自分自身の価値観をノートなどに書き出す。
 目の前で起っていることと、自分が思っていることが違うとき、怒りが発生する。自分の価値観を客観的に把握することで怒りが生じにくくなる。

まず、カッとなった瞬間、自分自身がコーピングマントラとして心の片隅においておいた言葉を思い出してみて、実際言葉に出してみます。あるいはカウントバックで瞬発的に起こしてしまいそうなラフな言動を抑制しようとつとめる。
それでうまく収まった段階で、自分が感じた「怒り」のレベルの測定を試みる。もし「レベル4程度以下」と判断できるのであれば「忘れられる。受け流せるレベルである」と、考えてみるのがベスト。

最初は受け流すことが難しいことも多くあるとのことですが、身体リラクゼーションを生活に取り入れることによって体質が改善できたり書き溜めた「べきログ」をみて自分が「何に対して許せないと思いがちなのか」を客観的に把握しようとつとめる。それができれば「自分にとって大きな怒りにつながる出来事」と「そうでもない出来事」を分けて考えることができるようになり、なんでもかんでも「イラッときたら態度に出る」という状況からは脱することができるようになるのだとか。
自分も講義を受けて実際の行動に移す努力をしてみました。行動、意識ともにアクションは常に長年の習慣に立ち向かう必要があります。一瞬で体質を変えることはできませんでしたが、怒りの理由がわかるようになっただけで、かなり多くのイライラを捨てやすくなりました。

あと、具体的なアクションとして試みているのは、子供を怒鳴ることを自分に禁じたことです。私は受講する前までは「子供を怒鳴ってコントロールすることがあっても、それは子供にとってはなんらかの耐性を養う機会になっているはずだ」と信じていたのですが、怒鳴りの由来は怒りですから、これを機会にやめたのです。
まだ数日ですが、やめてよかったです。正直普通に話して言い聞かせた方が、その内容がよほどおかしなことでもないかぎり、子供はちゃんと行動できるようです。「片付けなさい!」と怒鳴るより、ふつうに「朝片付いてた方が気持ちいいから、片付けてくんない?」とお願いした方が、片付けてもらえるようになる。よってこちらの目的には効率的に到達できるようになる。というわけです。
確かに怒鳴る時って「子供が親の言うことを訊くのは当然だ」みたいに、子供にしたら目の前の問題と無関係の理屈がそこに混在してますから話になってなかったなあ。と、今は思えます。

ただ、職業上生活するうえでの「こうあるべき」的な考えはあるほうなので、その部分と子供や他者との折り合いをつけることには死ぬまで努力が必要なのだろうとは想像しています。少なくとも前向きな「怒り」と、環境を汚染するたぐいの「怒り」の区別には意識的になろう。と思った機会でした。


2013/07/03

Enchant MOONは地下アイドルに似ているね

いと爺さんの
enchantMOONは買ってはいけない
を読んで面白かったです。

enchantMOONの本物を手にしたことはないのですが、ウェブサイトとか、動画のなかで動いているのを観て、カジェットマニアでもない私としてはユーザーの視点が欠けた製品だな。と感じてます。
しかしその製品が熱狂的な期待を生んでいる状況も把握してます。そのうえいと爺のエントリを読んだりして、私は自分のむかーしのことをぼんやり思い出しました。

むかーしむかし、私が音楽制作会社を運営していたときのことです。
私はお抱えのアーティストによる楽曲をもって、既存のレーベルへの営業活動をしていました。あるひのこと。1990年代後半のコアなロック中毒者なら熱狂したであろう、とあるバンドのプロデューサーに会いにいきました。

ビスだらけの革ジャンに細パンツいでサングラス、くわえ煙草のプロデューサーを座らせて、まあ、楽曲を聴いてくださいまし。と、部屋にあったプレーヤーで再生しました。
1曲聴いてプロデューサーは言いました。

「俺たちはライブハウスに群れるガキを踊らすのが仕事だ。10人だろうが1000人だろうが踊れば勝ち。これは何人、踊らせた?」

いやー。いま思い出してみるとまるでONE PEACEに出てくる海軍大将の決め台詞みたいですね。でもそんとき思いました。メジャーでない人間が「向こう側」に行くために問われるのは「クオリティ」ではない。一人でもそれに熱狂する人間がいればアリ。いなければナシなんだな。と。

ぶっちゃけ、その時の楽曲は、アカの他人を踊らせた実績はありませんでした。ライブにくるのは知り合いばかり。それを見透かされていたんじゃないかと思います。

ところで音楽の世界には、「向こう側」に行けたアマチュアがメジャーに変化するための条件があります。その条件は以下のとおりです。

・コアファンのなかにスペシャルスキルを持つ人間がいること
・そのスキルは
-デザイン
-プレゼンテーション
-エンジニアリング
であること
・スキル保持者が能動的にアーティストのアクティビティに関わること
・アーティストはスキル保持者の仕事をすべて受け入れること

つまり、メジャー化とは、チームの仕事なのです。
メジャーになれるアーティストは、あんがいアーティスト自身、楽曲を作ること以外は何がどうなっても全く気にならないタチだったりします。逆にいろいろ口出しするような性格だと、周りが離れていくのでメジャーになりにくいです。
今だとインディーレーベルをあえて運営する人も珍しくないですが、だいたいメジャーで知名度をあげたあと「あえて」インディー化してロイヤリティを確保する感じでしょうか。

で、メジャー化していない、つまり十分なスキル保有者がチームにいない状態のアーティストが、何かの間違いで武道館公演を果たし、楽曲を披露してしまったらどうなるか。
もし武道館が満席なら、そのアーティストは徹底的にアラを探されます。最悪消えてしまうこともあるでしょう。10000人の収容人数が含む「真の音楽好き」の数には限りがあるのです。

で、 Enchant MOONですね。
この製品をアーティストだとすると、すでに踊っている人が何人もいます。だからこの製品はもう向こう側に行ったとしてよいでしょう。今の段階でいろいろ荒削りなのは全然問題じゃないです。
ただ、世の中にいる「ガジェット好き」は数が限られています。なのにいまその荒削りな状態で武道館収容可能人数以上の予約を受け付けてしまったら。「真のガジェット好き」以外の人間は、必ずアラ探しをするでしょう。まだその時期じゃない。というのが正しいところだとおもいます。

じゃあ、うっかりメジャーの舞台に立ってしまったスタートアップ直後のアーティスト(経営者)は馬鹿か。というと、それはちがいます。
最初に言ったように大事なことは「向こう側にいったかどうか」であり、1人でも、踊らせたか否かしかないです。
だとしたら、最初の段階で万人受けするかどうかは、最終的な評価にはならないはずです。
Enchant MOONについて思うのは、どういう結果になるにせよ、バブルとか言われるこの時期に製品をぶっ込んできたという事実、それに熱狂している人間がすでにいるという時点で「アリ」なのであって、その後メジャー化するためのチーム組はTBDであろうとも、いまの状況を「しっぱい」とは言わないんだなあ。と思いました。
最初アイドルだったけど路線を変えて成功する人。とかは普通にいますからね。

いと爺のファン心理のピュアなところがまるで地下アイドル評論のようでもあったので思わずいろいろ想像を巡らせてしまいましたw

数人のガキが踊ればいつかこれほどの熱狂になるという例