2009/02/27

産経新聞がiPhoneでフリーペーパーに

ザ・広告モデルの経営方針で、フジテレビのロケ弁が1200円クラスから500円クラスに急落するほど窮地に追い込まれているフジ・メディア・ホールディングスの関連会社、産經新聞がiPhone限定で全紙まるごと無料配信をはじめましたね。
矢野はこの展開がまったく理解できないのですが、以下のような想像はどこまで当たっているのか興味あります。

矢野が想像した今回フリーペーパー化に踏み切った理由の一部

・iPhoneは国内においてたいして普及しているプラットフォームでもないわりに、やたら話題性はあると判断。とりあえずここに宣伝がてら無料版をほうりこんでおいて存在感を示してみよう

・とりあえずiPhone端末でやってみて反響の内容を調査、その後産經新聞の電子版は広告モデル中心の無料コンテンツとして展開してしまおう

前者が妥当な理由ではないかと考えますね。
後者はありえません。それはもう新聞ではなくなって、ホットペッパーとかサンケイリビング新聞みたいな広告媒体になってしまいますもの。ちなみにサンケイリビングは新聞と名前が付いていますが、あれは大手広告代理店のD社というところが人を出して作っています。
広告主にお金をもらって報道するというのは、それこそ地上波テレビの夕方の番組のように面白おかしく聴衆の興味をひきつつ、広告主に配慮しながら、ためになることもたまにやったりして、ニュースっぽいことをたまに流す。という状態が必要です。
そんな新聞社に入社したら最後、広告主に配慮する。というやり方でしか記事が書けないへんな記者として育ってしまうでしょう。
「今の新聞だって妥当性の低い内容が含まれている場合もあるじゃないか」
と、考える人は最近少なくないですし、そもそも広告のために発行部数を水増ししているような懸念のある新聞社もいるという噂もあるくらいです。ですが、読者からお金を頂戴して作る。という投げ銭モデルを前提としなければ「ニュースを配信する」立場には立てません。広告モデルだけに頼るメディアは新聞と呼べず、フリーペーパーに分類すべきでしょう。
「それでも内容が良ければいいのでは」
といってもそれは無理です。内容は広告主が決めるようになるのですし、宣伝文句を記事化した内容にせざるを得ません。
まあ、新聞ただで読もうと思ったらホテルのロビー行くとか図書館行くとか方法はありますけどね。
でもこの判断は不思議。「唯一の商材をタダで配る」という判断に至った勝算が見えにくいというのが。いっかいどっかでタダにしたもんをまた有償にするってことのコンテンツビジネスの難しさとか、フジテレビの背中を見ててもわからないのかね?
めんめ〜。